く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<スモークツリー> 綿菓子のようにフワフワ! 「煙の木」「霞の木」とも

2013年06月13日 | 花の四季

【明治初期に渡来、和名は「ハグマノキ」】

 南欧からヒマラヤ、中国中部にかけて広範囲に分布するウルシ科の落葉小高木。日本には明治初期の1870年に渡来した。6月ごろ、黄緑色の小花を多数付け、花が終わった後に伸びる花柄部分が羽毛のようになって 遠目からは煙が立ち上るようにも見える。このため「ケムリノキ(煙の木)」や「カスミノキ(霞の木)」とも呼ばれる。その不思議な花姿や鮮やかな紅葉の美しさから庭のシンボルツリーとしても人気が高い。

 正式な和名は「ハグマノキ(白熊の木)」。ハグマはチベットやネパールの高地に生息する動物ヤクの尾の毛を染めたもので、僧侶の払子(ほっす、法具の1つ)や武将の采配などとして使われた。フサフサの花姿がハグマに似ていることから、この名が付いた。漢名では「煙樹」や「黄櫨」などと呼ばれる。

 雌雄異株で、煙状になるのは雌株。幹からは黄色の染料が採れる。中国では唐の時代、この染料で染めた衣服は高貴な色として皇帝しか使用が許されなかったという。これが日本にも伝わって、「黄櫨染(こうろぜん)」は天皇以外の着用が禁じられた。ただ日本では本種ではなくハゼノキやヤマハゼで染めたもの。樹皮からはタンニン(渋)が採れ、皮のなめしに使われる。

 花柄は白からピンク、濃い赤紫色まで様々。葉色も変化に富む。矮性や枝がしだれる変種もある。関西では京都市の同志社女子大学今出川キャンパスのスモークツリーが有名。「同志社女子部の母」といわれた米国出身のデントン女史(1857~1947)の手植えといわれる。同大学には女史が愛したこの「煙樹」にちなみ「えんじゅ寮」と命名された学生寮がかつてあったそうだ。

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