経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

需要管理と規制の虜

2012年07月13日 | 経済
 今日の日経の「底流」では、国交省が住宅エコポイント再開に慎重であることを伝えている。これは、理性的と言うか、当たり前の対応だ。日経も伝えるように、消費増税前の駆け込みを軽くし、増税後の反動減を浮揚させるのに、欠かせないツールになるからだ。記事では、住宅への軽減税率の適用を求めるらしいが、代わりに住宅エコポイントを獲得するのが現実的だろう。

 他方、経産省は何を考えておるのかね。車取得税を消費増税前に廃止したら、駆け込みと反動で苦しむだけだろう。トンカチ官庁などと揶揄するところより、モノを考えないでどうするのか。そもそも、逆進性の強い消費増税をするときに、税収に9000億円も穴をあけようなんて、全体を見ていない証拠だ。

 国会の原発事故調査委の報告書のテーマは「規制の虜」。監督する側の経産省が、規制される側の電力会社に取り込まれた見苦しさを衝く内容だった。いつから、経産省は、業界が求めるものを、そのまま担ぐような役所になったのだろうか。かつての業界に対する傲慢さが懐かしく思えるほどだ。国民経済を考えず、業界のために働くのだとしたら、税金から給料をもらう意味は何なのか、若い人達には、思い返してもらいたい。

 さて、今日は時間がない。今日の日経では、暴走気味の「点検歳出削減」がおもしろかった。生活保護への批判は、何を問題にしたいのか意味不明だが、予備費と地方交付税の別枠加算には、よく気がついたね。補正予算を含めた全体コントロールも大切だ。このあたりを深めると得るものは多いだろう。

 社会保障や地方まで含めた全体のコントロールは、2011/3/8の「高度な経済運営とは」などで書いているように、本コラムのメインテーマである。予備費の意味は「6/16」の「金利上昇への対応」で書いたし、補正予算の財源になりがちなことは「7/4」で指摘した。予算の水脹れの実態や別枠加算が財源になるカラクリは「4/23」を参考にされたい。
 
(今日の日経)
 シェールガスで広がる商機。車取得税の廃止を要望、増税前の13年度に、取得税2000億円、重量税7000億円。シニア消費・脱デフレの芽。韓国ににじむ中国への畏怖。日銀はカード温存。参院4増4減で決着へ。点検歳出削減・予算の水脹れ体質。底流・エコポイント再開に慎重。韓国景気に下振れ懸念強く。店で歌手とつながる。大機・中東の韓国。経済教室・ビッグデータ・元橋一之。

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