医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

一生持ち

2024-08-11 04:24:10 | 薬局
忘れていた親の愛情があったことを思う。

今月1日から孫が札幌に来ていた。
まだ1歳を少し超えた小さな孫だ。
歩けもしないのに「一升餅」を背負わせて泣かせてしまった。
その姿を見ながら、この子のこれからを憂う。

自分の1歳のころの記憶などない。
ただ、人づてに聞くのは、近所の旅館の物置小屋を借りて住んでいたらしい。
父は流しの時計の修理屋で、部屋の中ではいつも時計の修理をしていたのを、物心がついたころに覚えている。
かなり貧乏だったらしい。
時計屋のくせに店がない。

私には姉がいる。
姉は2つ歳上だ。
育てるのは大変だったんじゃないかと思う。
小さなころの記憶で、父親が時計の修理をしているそばに近づくと手で突き飛ばされた。
部品が無くなると大変だからだ。

孫の世話をしながら、意外にも子育ては大変だと気付かされる。
自分の子供には何もしてこなかった。
泣くと「うるさい」と機嫌を悪くしていたように思う。
私には3人の子供がいる。
今の親は愛情豊かだ。
そんな姿を見ていて、自分も親に面倒をかけていたんだと思う。
今さらながらに親の愛情に感謝する。

我が家では自分たちを“じじ”“ばば”と言っている。
いい響きだと思う。
そんな”じじ“がふと思う。
この孫とお酒が飲めるのは19年も先だ。
私は87歳になる。
そのころには飲める自信がなくなっていそうだ。
それよりもいるかいないかもわからない。
そんな先のことを考えても仕方がない。

今、思うのは平和な世の中で、災害などにも遭遇しない平穏な生活が出来ることを願っている。
その前に、息子のことも心配だ。
私が食い散らかした仕事の後は”兵どもが夢のあと”みたいな状態だ。

そんな孫が昨日、東京に帰っていった。
今日は両親の「月命日」である。
あらためて両親を偲び、今の幸せに感謝する。
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胸襟の連携

2024-08-10 03:12:13 | 薬局
”餅は餅屋に任せる”のが美味しい餅を食べるコツじゃないのかな。

知る人ぞ知る10数年前に私が描いた薬局の将来図がある。
月日の経過によって現実味を帯びてきた。
市場をビフォアケア、インケア、アフターケアの3つに分けて、調剤薬局の立ち位置はインケアを示していた。
将来的にはビフォアケアのドラッグストアが攻めてきて、調剤薬局は在宅に向かうって図である。
在宅の先には介護が待ち構えているが、調剤薬局が介護分野へ参入することは避けた方がいいと言ってきた。

それでも“やなぎの下にドジョウが”を夢見る人はいる。
介護事業は薬局との利益の構造が大きく異なる。
市場は伸びるかもしれないが、制度的にはすでに崩壊している。
介護報酬は圧縮傾向が続くと予想される。
さらに人材不足は高コスト化が避けられない。
意外にかかるのが水光熱費などの諸経費の値上がりだ。
特に水道代が重くのしかかる。
かなりのローコスト経営を強いられる。

それではどうしたらいいのかと言われると、介護業者との連携がいい。
お互いがWin-Winの関係になるような仕組みを構築する。
どんな仕組みかと言われると、この場で言うほどのことでもない。
例えば、これから始まるデジタル化などは連携に欠かせないアイテムになりそうだ。
さらに、介護事業では利用者集めが難しい。
薬局には利用者になりうる患者が多く来ている。
要はお互いに話し合う機会を作ることから始めたいものだ。

今回の調剤報酬改定では在宅の中のがんなどの終末期への対応が評価されている。
そうなると訪問看護ステーションとの連携も大切になる。
ちょっとしたきっかけで訪問看護師が薬局の在宅を評価してくれると他へと波及する。
そのとっかかりを作りたい。
PCAポンプの取り扱いなどは訪問看護師に対するアピールになる。

介護も看護も、それぞれの持ち味がある。
それをお互いに認め合いながらシナジー効果を生み出したい。
そのためにはもっと何をやっているのかを知る必要があるのではないだろうか。
介護も看護も在宅の現場で何を、どのように、どんな仕組みで行われるか知っているだろうか。

オリンピックを見ているとテレビの画面横に「南海トラフ『巨大地震注意』」の表示が出ている。
何を注意したらいいのか、ともかく注意しておく必要がある。
見えざる不安が続きそうだ。


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命がいちばん

2024-08-09 02:53:23 | 薬局
“まさか”の時の”いざ”の用意は出来ているか。

北海道にいて全く気付かなかったが、いよいよ南海トラフが現実味を帯びて来た。
来るぞ、来るぞと言われていたが“まさか”の事態だ。
注意を促されても用意のしようがない。
せめて何となく作ったBCPを見直すくらいだ。
ただ実際に地震に遭遇したら先ずは自分の命を守る行動を優先して欲しい。
そして家族の安全確保じゃないだろうか。
その報告こそが会社にとって最も重要になる。
それが確保されて事業継続計画が始まる。

あまりにも平和ボケしすぎて危機管理が出来ていない。
実際に地震などが襲ってくると、何をどうしたらいいのかパニックだ。
誰かが助けてくれるのを期待してはいけない。
能登はいまだに電気も水も復旧しない地域があるようだ。
政府は票になる地域しか予算を出さない。
人口が少ないと後回しにされる。
普段からもしもの備えは欠かせない。

今日は広島に続く原爆の日だ。
”まさか”は一瞬である。
災害も一瞬に襲ってくる。

そんなことを考えていたら眠れなくなった。
何をどう対策したらいいのか分からないが、身の安全を確保して欲しい。

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逆手に取る

2024-08-08 04:25:41 | 薬局
そろそろ曖昧にせずはっきりさせる必要があるのではないか。

大阪市で始まる調剤業務の一部外部委託が、早くも10月から次なるフェーズ2が名乗りを上げている。
8月からのフェーズ1では4社8薬局が同一法人での開始となった。
10月からのフェーズ2では10社13薬局が別法人間での運用となるらしい。
しかも受託先の薬局が直接患者に届けるのではなく、委託先の薬局が調剤済みの一包化を受け取って患者への投薬になるそうだ。
何と手間のかかる仕組みだろうか。
この移動させる物流費はどうなるのか。
時間的な部分はどうなるのか。
私が心配することじゃないけど気になる。
それにしても10社13薬局となると外部は3薬局ってことなのか。
同一法人でやるってした方がいいように思うけど。

先日、近畿地方の薬局で事務員に調剤をさせていたとして18日間の業務停止処分があった。
その薬局では事務員に水剤を調剤させていたらしい。
管理薬剤師は0402通知を誤って理解していたとか?
本当に、そうだとしたら困った薬剤師である。
もちろん知らなかったのか、知れんけどなのか経営者もとんでもない。

さて、調剤の一部外部委託で現段階では一包化のみ認められている。
思い出して欲しいが、平成31年(2019年)4月2日の「調剤業務の在り方について」が課長通知として出されている。
これによると、細かい表現は省略するが、薬剤師以外に認められている業務として「判断を加える余地に乏しい機械的な作業であること」がある。
さらに具体的に「処方箋に記載された医薬品(PTP シート又はこれに準ずるものにより包装されたままの医薬品)の必要量を取り 揃える行為」が認められている。
そして「薬剤師による監査の前に行う一包化した薬剤の数量の確認行為」も認められている。
もちろん軟膏、水剤、散剤は不可となっている。
先ほどの近畿地方の薬局は最もわかりやすい不可の業務をやらせていたことになる。

さて、ここで悩ましいのは分包時のバラマキの是非である。
たまにまれに一部の薬局で薬剤以外の人が行っている姿を見かける。
個人的には「判断を加える余地に乏しい機械的な作業であること」に該当すると考える。
ただ具体的な事例の中には入っていない。
もちろん外部委託を受ける薬局は、オール機械化が進んでいるので薬剤師以外の関与は少ないのかもしれない。

結論から言うと中小薬局の一包化に時間を要して対人業務が滞るとしたら、何のことはない薬剤師以外に一包化の業務が可能としたらいいだけじゃない。
今回の調剤業務の一部外部委託の解禁を機に、薬剤師以外の一包化を認めるように動いてはどうだろうか。
いい考えだと思わない。

頼むよ!新体制!!
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あの人に

2024-08-07 03:25:03 | 薬局
沈む船から逃げ場を見つけられないねずみは不安ばかりが募る。

何となく変化が見えない不安を感じさせる。
薬剤師の“らしさ”が崩されつつあるような気がする。
本来は薬剤師だけが販売できた一般用医薬品が、いつの間にか登録販売者でも一部可能となった。
しかも登録販売者の受験資格には学歴や年齢の制限がない。
合格率は約40~50%と難易度は比較的高くはない。
それでいいのだろうか。

来年の薬機法改正に向けての動きがある。
既に紹介しているが、中小薬局にとって、改正内容がどうかと言うとかなり危うい。
それを見込んでアマゾンが、守られていた静かな川にピラニアを放った。
ピラニアは在来種を食い荒らす。

その大きなきっかけになりうるのが調剤業務の一部外部委託だ。
どう考えても一部委託では意味がない。
その不備さを訴えて全面委託になるのは時間の問題だ。
そんな”ありの一穴“は既に受託薬局の要件として上がっていたISO9001までにも及んでいる。
その時に、最も恩恵を受けるのは大手調剤チェーンとドラッグストアとなる。
そして外部委託なんかじゃない。
全面的な企業内の内部分業が始まる。
既に、地域におけるドミナント化への在宅対応として”ハブ薬局化“も始まっている。

そして、川に放っておいたピラニアを網で囲って自分のいけすに戻す。
いけすは自社の調剤センターと化し、薬剤師は工場長となる。
もちろん配送も自前となる。
そんなことが迫っているのを感じる不安がある。

初めに戻るが登録販売者はなぜ必要だったのか。
何のことはない、ドラッグストアでの薬剤師不足からドラッグが売れるドラッグストアにしたかったからじゃないだろうか。
薬剤師がいなくて売ることが出来なきゃ売らなきゃいいだけだった。
そうすると調剤主体の薬局でも一般用医薬品が売れる可能性があった。
そんな状況で「地域支援体制加算」の要件に48薬効の販売条件を入れるべきじゃなかったのでは。
終わってしまったことは仕方がない。

何か薬剤師の存在感が見失われているように思う。
ここ10年間の薬剤師を取り巻く環境は大きく変化した。
”失われた10年”などと大げさかもしれないが、”このままではいけない“と言う警鐘を鳴らしてこなかった損失は大きい。
失ったものは戻らない。
これからは自らが主張して、長年培ってきた本来の薬剤師の職能が発揮できる場に進めることに期待したい。

誰に期待したらいいのかは…もちろん!
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感謝を忘れない

2024-08-06 02:52:11 | 薬局
“灯台もと暗し”で、離れると見えることがある。

お陰様で、ちょっと涼しい札幌での時間をエンジョイしている。
さすがに日中は暑いが、朝夕は過ごしやすい気温である。
今年からは、ちょっと奮発して私の寝床部屋にエアコンを設置した。
その快適空間でブログも進むはずだが…ネタが浮かばない。
それなりに少しでも皆さんの役に立つネタがないかと悩んでいる。

そんな行き詰った時の気分転換が自宅横の3坪の家庭菜園である。
炎天下の中、雑草を取る。
といっても、すぐに終わる。
何といっても3坪だ。

その菜園ではミニトマトの赤と黄色が毎日食べる程度の収穫がある。
それとサンチュとレタスが意外に育っている。
そしてナスも適度にみそ汁の具程度とれる。
暑さのせいか、ちょっと不作なのはインゲンで枯れ美味なのが残念だ
この煮たのが好きだ。

朝採りに行って、目の前のつるからインゲンを収穫する。
丁寧に葉の裏を見たり、下から、上からのぞいて貴重なインゲンを見つける。
自分としては取りこぼしがないと思っていた。
ところが、ちょっと離れてレタスを取っていると、まだ残っているじゃないか。
しかも、いくつかの存在に気が付く。

不思議なもので目の前で起きていることに見逃しがないと思ってはいけない。
ちょっと離れてみると見えてくるものがある。
そこに意外な発見があるものだ。
薬局の中にいるだけでは見えないものがある。
そんな時は、思い切って薬局から飛び出してみてはいかがだろうか。
知り合いの薬局の見学でもいい。
マスコミに取り上げられている薬局などは見ごたえがある。

かなり前に書いた内容だが、ある病院での話だ。
3人の新人薬剤師が入ってきた。
薬局内での研修が始まり、1月が経過したときに、薬剤部長が3人を集めて聞いた。
「うちの薬局内で業務をしていて何か気づいてことはあるか」
すると3人が「あそこに置いてあるごみ箱が邪魔です」「作業をする時にぶつかります」
確かに、薬剤部長も、そのごみ箱の存在は邪魔だと自分でも気づいていたらしい。
でも、そのごみ箱は昔からその場所に置かれていて違和感がなかったそうだ。
早速、ごみ箱の位置を変えてみると、他のスタッフも動きやすくなったと喜んだそうだ。

今に満足していてはいけない。
もっと、もっとがもっと良くなるコツかもしれない。

さて、今年もやってきた。
今を生かされているのは、多くの犠牲の上に成り立っている。
生かされていることへの感謝を忘れてはいけない。
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来るぞ、来るぞ!

2024-08-05 03:08:05 | 薬局
気が付くと、もうそろそろ準備をしないと間に合わない。

マイナ保険証の利用促進と「地域支援体制加算」の要件に気を取られて、忘れていたのが「選定療養」じゃないだろうか。
気が付くと10月から始まる。
2ヵ月を切ってしまった。
社内の「選定療養」に関する理解度は大丈夫だろうか。
そして、何といっても患者への周知や説明は出来るのだろうか。

説明するとなると意外にも難しい。
中途半端に先発医薬品と後発医薬品との差の4分の1の理解が面倒だ。
今回の「選定療養」が導入される以前では、ECなどで行われている「参照価格制度」の導入をめぐっての議論だった。
それがいつの間にか「日本型参照価格制度」として、上手にだまし「選定療養」として導入される。
導入したのはいいが、はっきり言って中途半端である。
「参照価格制度」では先発医薬品と後発医薬品の差額がそのまま患者負担となる。
これだとわかりやすい。
日本のは4分の1なので制度を複雑にごまかしている。
ここにも人の為と言いながら「偽り」の政治家の国民へのご拝領が感じられる。

厚生労働省は「選定療養」の導入に向けて患者向けポスターと案内チラシを公表した。
すでに、皆さんのところには連絡が行っていることと思う。
ご覧になった感想はいかがだろうか。
何やら「字」が多くて見る気にならない。
見る気にならないので、当然のこととして読む気にもならない。

これを使って説明するのはいいが、しっかり理解したうえで説明しないと余計な誤解が生じる。
何でもそうだが、理解できないことを、さもさも当たり前のように言われると頭にくる。
私のような男性の高齢者は怒り出す。
これを“カスハラ”で済ませて欲しくない。
女性は”はい、はい“と言いながら耳が拒否している。

所詮、お上の事務的に作るポスターであり、案内チラシである。
“私たちはやりました“とパフォーマンスが大事にしている。
ところが現場は違う。
海千山千の人生を乗り越えて日本を支えてきた功労者たちだ。
「字」よりも「絵」が好きだ。
内容の精度よりも概略が大事になる。

そんな準備をそろそろ急がなきゃ。
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人たらし

2024-08-04 03:22:02 | 薬局
自然災害や不測の事故などがない限り突然はない。

薬局の倒産などあまり考えられないが、ここに来て会社の倒産案件が出始めている。
とりあえずコロナ禍による患者減少などと言っているが、何となく過度のM&Aによる資金悪化が原因じゃないかと思う。
俗にいう”勘定合って銭足らず“のキャッシュフローに問題がありそうだ。
借り入れの利息は経費算入できるが、元金の返済は法人税を支払った後の純利益からの返済となる。
単純に法人税等が経常利益の半分とすると、年間1千万円の返済には2千万円以上の経常利益が必要になる。
短期で返済しようとするとキャッシュフローがきつくなる。
キャッシュフローがきつくなると調剤報酬のちょっとした改定が重くのしかかる。
もちろんコロナ禍のような患者減少はもろに響く。

危ない会社は決算書を見ると予兆が出ている。
急な倒産などありえない。
経営分析の指標をどうのこうの言うつもりはないが、流動比率くらいは気にかけて欲しい。
最低でも120%か150%くらいは欲しい。
資金が無くなると投資ファンドなどが株で支えてくれる。
支えてくれるのはいいが、隙を見て乗っ取りを狙っている。

社員が急に辞めた。
そんな話もよく聞く。
辞める予兆がなかったのか。
どうしようもない社員もいるが、残って欲しい社員が辞めるのはつらい。
社員とのコミュニケーションは出来ていただろうか。
飲み会などはコミュニケーションに入らない。
飲んだ席での話は当てにならない。
定期的な個別面談が必要になる。
何を話したらいいのかと悩むようなら、それこそ普段のコミュニケーション不足と反省したい。

「マズローの5段階欲求説」によると上から2番目は「承認の欲求」となっている。
要は、認められている実感が重要だと気付く。
何を話したらいいのかと悩むのは相手のことを知らな過ぎるからだ。
ちょっとしたことでも自分のことを分かってくれていると思わせることで安心し、信頼を寄せるものだ。

私は社長になる人は“人たらし”になれと言っている。
”人たらし”には2つの意味がある。
1つは人をだます。
もう1つは人から好かれやすく、すぐに相手と仲良くなれスキルだ。
もちろん後者の意味である。

因みに、私は前者の”人たらし”かもしれない。
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やってみましょう!

2024-08-03 04:12:53 | 薬局
少し痛い目を見ないと本当のありがたさが感じられない。

アマゾンに恐怖する人が多い。
いろいろな人から問い合わせがくる。
でも、私は楽観的にみている。
アマゾンのビジネスモデルに欠かせないのは電子処方箋である。
そのベースになるのがオンライン資格確認じゃないだろうか。
国が”伝家の宝刀“を抜かない限り、この国の人は能動的に動き出すことはない。
12月2日から今の保険証が使えなくなると動くかもしれない。
でも、そんなことをしたら、弱きを助ける人の為を装う“偽り”な政治家が、ここぞとばかりに声を上げる。
使えなくなるのではない。
新しく発行されないだけで1年間は執行猶予がある。
今を含めて執行猶予期間が長すぎる。
そうは言っても目指すは「医療DX令和ビジョン2030」までには体制を整いて置きたい。
要は、アマゾンでも何でも上手に利用することだ。
”長いものには上手に巻かれろ”の柔軟性が必要かもしれない

マイナ保険証がなぜ普及しないかを考える必要がある。
これだけ国が声を上げても響かないのは国民にとってのメリットを感じないからだ。
そして、医療機関にとってもメリットが感じられない。
本当にメリットを享受したいのは国じゃないのか。
それはかなり前からこのブログにも書いてきた。
今の国民皆保険制度を維持するためだと正直に言えばいい。
国民皆保険制度が崩壊するとどうなるのかを国民に理解させなければ意味がない。
マイナ保険証の利用促進をテレビCMでやっているがインパクトがない。
実際の受付の様子などを示した方がいい。
マイナカードを置いて顔を近づける。
出てくる画面の操作を見せる。

ほとんどの人が未経験だ。
未経験には恥じらいが伴う。
失敗したらどうしようかと心配にもなる。
”大丈夫!安心してください“が大事じゃないだろか。

相変わらず私が通う内科クリニックも歯科クリニックも「マイナ保険証をご利用ください」とは言わない。
先日伺った薬局では「マイナンバーカードはお持ちですか」と聞いていた。
患者が持っているというと、間髪入れず「では、やってみましょう」と促している。
ここはさすがと感心した。
たじろいではいけない。
畳み込みが必要な気がした。

まさに”やっちゃえ薬局”である。

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五社択一

2024-08-02 04:07:52 | 薬局
企業の自由度を奪うと資本主義から社会主義になる。

後発医薬品の供給が未だに不安定だ。
国は「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」を開催し、5月22日に報告書を出している。
安定供給などと言うが、そもそもが国が統制することではない。
企業は利益の追求を行っている。
あえて不採算を覚悟で奉仕する余裕などない。
大手製薬企業なら利益に余裕があるかもしれないが、残念ながら稼いだ利益は経営者の報酬に回る。

後発医薬品メーカーは、2009年には225社あったのが2023年には190社になっている。
その6割の105社が後発医薬品を主体に扱っている。
この6割で後発医薬品の約74%を占めている。
取扱品目が9品目以下の企業が51社と規模の小さな企業が担っている。
190社のうち上位9社で後発医薬品市場の約半分を占め、残りを分かち合う形になっている。
要は、後発医薬品業界は脆弱な企業で成り立っていることになる。
ここに安定供給を求めるのがおかしな話だ。

この少量多品目生産を可能にしたのが2005年施行による薬機法の改正である。
医薬品製造の委受託が可能になったことと、後発医薬品の共同開発が認められたことらしい。
そのことは報告書に記されている。
そうなると元を正せば国の政策ミスじゃないかと思う。

先ほどの報告書は当たり前のことを今さらのように書かれている。
ガバナンスの強化や管理体制の見直しなど、今までだって言われてきたことだ。
”絵にかいた餅”は食えぬ。

そこで厚生労働大臣は主要な後発医薬品メーカーを集めて「大臣要請」を行っている。
1つは安定供給の観点から「1成分5社」である。
競い合ってお互いのつぶし合いではなく、効率を考えて集中させる。
この5社から漏れたらどうなるのか。
変な話だ。
次に少量多品種に対応できるように企業同士が連携する「コンソーシアム構想」を持ち出している。
どうも最近は「コンソーシアム」が流行っているようだ。
企業同士の連携と言うが、そうはうまくいかない。
要は小さな企業はどこかの傘下に入って統合しなさいってことだ。
そんな自由主義の中で、国が誘導して統合させるって話はおかしい。

さて、こんなことで後発医薬品の安定供給は保てるのだろうか。
”事件は会議室で起きているんじゃない!現場で生きているんだ“

いささか疑問だが”お大臣様”の仰せの通りになるかどうか。
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