遅れを取り戻すように急がされる。
25日に厚生労働省より公表された2021年度概算要求案の薬剤師・薬局関連は、20年度当初予算より約17倍の増額の40億7,800万円となる。
そのほとんどが22年から運用が開始される予定の電子処方箋システム構築分である。
この電子処方箋に最も関与するのがオンライン服薬指導である。
現状では医療機関でオンライン診療を行って、その処方箋はFAXなどで送信する。
後から処方箋本体を薬局に郵送しなければならない。
はっきり言って2度手間となる。
それが診察と同時に電子処方箋で患者が希望する薬局に送信できる。
オンライン診療及びオンライン服薬指導には欠かせないのが電子処方箋である。
その開発費用として、今回の概算要求に38億300万円があてがわれる。
今回の概算要求案では約17倍となっているが、その約94%は電子処方箋に関する開発費となっている。
今回の概算要求額40億7,800万円から電子処方箋分を引くと2億7,500万円になる。
さらに新規事業として追加されている薬剤師の資質向上に向けた研修に係る調査・検討に4,000万円、薬剤師確保のための調査・検討にも2,300万円がある。
この新規分を差し引くと2億1,200万円となる。
20年度の予算が2億3,900万円だったので、単純に2,700万円の削減となるようだ。
それにしても今さら薬剤師の資質向上や薬剤師の確保の調査や検討が必要だろうか。
薬剤師の資質が低いのだろうか。
医師と同じように薬剤師の地域偏在はある面では仕方がないことじゃないだろうか。
薬剤師がいない地域で無理して医薬分業にする必要があるのかどうかを考えてしまう。
さて、初めに戻るが、電子処方箋に限らず医療におけるICT化は医療費の効率化から必要不可欠となる。
患者データの解析からいろいろなことが見えてくる。
そこで患者データの集積に必要なのがマイナンバーカードとなる。
25日に首相はマイナンバーカードが「2022年度末にはほぼ全国民に行き渡ることを目指す」と表明している。
自治体ごとに異なる業務システムを25年度末までに統一する方針も示している。
さらに今後5年間に取り組み工程表の作成も急がせているそうだ。
その担い手が「デジタル庁」となる。
そう言えば「オンライン資格確認」の対応は大丈夫だろうか。
レセコンのシステム追加が必要で中小薬局でも20万円近い負担が生じそうだ。
要らないでは済まされない。
要らない時は、せっかくもらったマイナンバーのリーダーも返却となる。
しかも上記のように時代からも取り残される。
時代から取り残されるということは事業として成り立たないことになる。
やるしかない。
と奮起するのか。
やれないと諦めて去るのか。
選択肢は2つしかない。
クールビズが今日で終わる。
ネクタイは面倒だが、ネクタイを締める仕事が懐かしい。