医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

お陰様で!

2016-11-30 06:07:39 | 薬局
折り返しに入りました。

自分では全く自覚がない還暦を迎えました。
30代、40代のころは60歳の人を見ると”年寄り“だと感じていました。
一緒に飲んでいても、あまり飲ませてはいけないなどとも気を配ったものです。
そんな60歳に自分がなってしまいました。
何とも不思議な感じがします。

今月に入ってから、私の手帳のスケジュール表の30日の所に、大きく「人生の目標」と書きました。
本当は、現職を引退しようかと考えていたのですが、ちょっと欲が出てきました。
まだまだ歩けるし、お酒も飲めるし、恋心も残っています。
自分が思っていた60歳とは少し異なるようです。

また、以前ブログで書いたことがありますが、人生には3年ごとの”春夏秋冬”があるそうです。
”春”はこれからの人生の芽吹きの時、“夏”は人生で最も旺盛な時、“秋”は人生を変える試練を迫られる時、そして”冬“は人生の変化を受け入れて自分を磨く時だそうです。
私が50歳で会社を辞めて独立した年を仮に”秋”とすると、53歳までが苦節の3年間、54歳から56歳までが熟成の”冬“に当たります。
そして67歳から59歳までが、新しい人生の芽が伸び始めて、育ちだした様な気がしています。
そうなると60歳から63歳までは皆さんと一緒に収穫し、その恵みを一緒に楽しむ3年になります。
あと3年はお付き合い願いたいと思います。

そして「人生の目標」とは、大上段に構えていますが何らかの社会貢献をしたいと思っています。
これも以前ブログにも書きましたが、出来れば”こども食堂“がどこかで出来ないかと考えています。
お陰様で3人いる子供たちは皆様に生かされて今を迎える事が出来ています。
大学にも行け、ちゃんと仕事にもついて自立できています。
でも、世間全般では子供の相対的貧困率が16%にもなります。
子供の6人に1人が何らかの貧困状態に陥っていることになります。
お腹を空かした子供や行きたくても学校に行けない子供など、今の社会から取り残された状態じゃないかと思っています。
これからの日本を背負って立つ子供たちへ、何かでないかとささやかな応援を考えています。
考えるだけに終わってしまうかもしれません。
それでも頭の中に意識としては持っています。
何ができるのかを考え始め動き出せる還暦スタートにしたいと思っています。

先ずはともあれ60年間も周りの人から生かされたことに感謝し、これからも皆様と一緒に良い人生を過ごさせていただきたいと願っています。

”感謝してありがとう、だからツイてるツイてる“





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逃げ場がない

2016-11-29 06:00:55 | 薬局
骨太は本物だ!

2014年度の「骨太の方針」の中に「薬価調査、更には薬価改定が2年に1度となっている現状の下では、医薬品の取引価格が下落しているにもかかわらず、保険からの償還価格が一定期間据え置かれているため、患者負担、保険料負担、公費負担に影響を与えている」としている。
要は、取引価格が下がっているにもかかわらず、2年間は薬価の引き下げがない。
それによって無駄に医療費が使われているとしている。
それを是正するために「市場実勢価格を適正に反映できるよう、薬価調査・薬価改定の在り方について、診療報酬本体への影響にも留意しつつ、その頻度を含めて検討する」とある。
既に、2014年の「骨太の方針」において毎年薬価改定を行う予告があった。

25日の経済財政諮問会議で「オプジーボ」の薬価をどうするのかがきっかけになり、適応拡大に伴う販売額の急拡大などは、少なくとも年に1回の見直しを行う。
また、年4回の新薬収載の機会に見直す可能性も示唆している。
こうなると毎年薬価の改定が現実化してくる。
さらに、後発医薬品の新収載薬価も諸外国に比べて高いとの批判もあり、3~4割程度に引き下げも併せて検討することになる。
現状では、新しく後発医薬品が薬価収載される際の初薬価は原則5割、10社以上の参入がある場合は4割と前回の中医協で決まった。
それをさらに引き下げると言うのだから業界も大きく変化を強いられる。

こうなると薬価差益への期待は夢と消える。
それどころか在庫管理が経営に与える影響が大きくなる。

このブログでも何度も言っているが、薬価の引き下げは仕方ないとしても、在庫の引き下げ補償がどうなるのか問題にして欲しい。
改定前の3月末在庫が薬価改定後の4月1日には大幅な自然減になる。
薬局の場合は後発医薬品への切り替えが必須なため、在庫引き下げ分も大きなリスクになる。
後発医薬品への切り替えが進んでいる薬局では、限りなく10%に近い引き下げとなっている。
これが毎年になると侮れない。
はっきり言ってこれを黙認していること自体がおかしなことだ。

ところで在庫はどれくらいが適正なのか。
もちろん患者への対応が滞らないのが適正なのかもしれない。
そうなると多いに越したことはない。
ただ、支払との関係を考慮する必要がある。
セミナーでは在庫回転率で示している。
在庫金額を月間使用する金額で割る。
その値で適正か、過剰かがある程度見えてくる。

薬局経営は”どんぶり勘定”では出来ない時代に入った。
それを予感してなのか、売り逃げも盛んになってきた。

“沈む船からネズミが逃げる“と言うが、逃げたネズミは…溺れるんじゃないのか。





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腹ごしらえ

2016-11-28 05:47:17 | 薬局
急速な変化の兆し。

売上規模が100億円を超える規模の会社がM&Aされている。
吸収される会社に先見の明があるのか。
確かに、この先の調剤ビジネスは厳しいことが予想される。
財源がない中でのやり繰りにも限界がある。
そろそろ思い切った制度変更が必要になって来ている。
それを見越しての先手だろうか。

常に、世の中は2極分化が始まるものだ。
調剤の業界も同じ道を辿っている。
大きな企業はより大きく成長し、やがて大手同士の合併も始まる。
中小はその機動力を生かした地域密着が切り札になる。

私が医薬品卸業界に入った38年前は、全国に約500軒ほどの医薬品卸があったように記憶している。
それが今では50軒ほどで、さらに独立系となると10数軒じゃないだろうか。
大きい所ではメディセグループ、アルフレッサHD、スズケン、東邦HDがある。
さらに地域卸の連合体として「葦の会」がある。
ここにはアステム、バイタル・ケーエスケー、中北薬品、ほくたけHDなどが加わっている。
この「葦の会」がどこまで"地に足がつく"かで勢力図も変わる。
医薬品卸の数が減ったのは、どこかが倒産したわけではない。
ごく自然に統合されて今に至っている。
気がつくと大手4社と連合艦隊、さらにしたたかに残る地域卸が数社あるだけだある。

医薬品卸の統廃合は市場の広域化が大きな要因となっている。
その広域化のもとになったのが大手調剤チェーンの存在がある。
大手調剤チェーンはどこに出店しようが医薬品の価格は本部で決める。
そうなると一部地域だけの医薬品卸では対応が困難となる。
対応できる医薬品卸は自ずと絞られてくる。
そう考えると地域連合がどこまで対応出来るかが今後を占う。

話を薬局に戻すが、ここに来て後継者がいない会社の身売りが増えているように思われる。
後継者がいても育てて来た会社を任せるに足りない場合も売られてしまう。
創業者は60歳を少し超えたくらいじゃないかと思う。
会社を売って入ったお金は何に使うのか。
子孫に美田を残すとロクなことはない。
自分で使うには額が多過ぎる
半分羨ましいが、私は"足るを知る"がちょうどいい。
それにしても薬局ビジネスの終焉は売り逃げなのか。
食べ過ぎて大きくなると動きが悪くなる。
そうなると別が食べに来る。

"奪い合えば足りぬ、分かち合えば余る"の精神が私には似合っているような気がする。

今年は少し早いようだが"インフルエンザ流行"が発表された。
私は仕事がらインフルエンザにはかかれない。
先日、新幹線に乗っていると後ろの席で激しく咳き込む人がいた。
せめてマスクぐらいしろよって言いたくなる。
お互いに気をつけたいものだ。
そこで投薬カウンターの上には「うがい薬」を置いて欲しい。
そして、効果的な手洗いの仕方をA5サイズくらいの用紙にコピーして配りたいものだ。

ついでにのど飴もね 。





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落ちつけ

2016-11-27 06:28:05 | 薬局
完璧にドジっぽい。

還暦をまじかに控えて活動にミスが目立っている。
生活に余裕がないのか。
それとも頭が衰えているのか。

先日(19日)のHSEセミナーの終了とともに鳥取に向かった。
友人2人と我が家内との4人である。
その日の鳥取は合唱のコンクールらしき全国大会があり、鳥取市内のホテルは満員状態である。
そこで仕方がなく空港からレンタカーを借りて、約40分ほど移動した倉吉のホテルに宿泊した。
そのホテルもギリギリの状態で、空いていたのは喫煙室しかなかった。
エアコンを入れるとタバコ臭い風が室内を充満する。
窓を開けたまま寝ることになった。
それは仕方ないとして、19日時過ぎにホテルに到着して、楽しみは食事である。
ホテルのフロントにお店を紹介してもらい予約を入れようとするとどこも満員である。
何かあるのか?
諦めて部屋に戻って待機していると、フロントから連絡がありやっと食事にありつけた。
予約しておけば良かった。

翌日は、鳥取での最大目的であった”あんべ”の「カニ丼」を食べることができた。
こちらは予約していたのでスムーズに、美味しく楽しむことができた。
11時開店だが10時40分に店に着くと、既に10数名の列だ。
予約はどうなるのか不安になったが、10分前に「予約の駒形様」と呼ばれ、並んでいる人に申し訳なさそうに元気良く「はい」と先頭に躍り出る。
ラッキー!

こんなどうでもいい話を続けていると長くなるので少し簡略する。
鳥取から高速バスに乗って姫路に到着する。
もちろん姫路城を見学して、新幹線で新山口に向かった。
ここでは知り合いの薬局があり、楽しい食事情報交換会が始まった。
ゲストに生後11ヶ月のかわいい女性も参加してくれた。
すっかり”じじぃ気分”を味合う。

翌日は、レンタカーを借りて津和野を経由して益田の知り合いの薬局を見学して、昼食をごちそうになる。
”ごっつあんです”
益田から車は萩に向かった。
ここではボランティアのガイドさんに吉田松陰先生の偉業を再認識させてもらい、毛利藩の城下町を明治維新の躍動を感じながら散策した。
山口県で先生と呼べるのは"松陰先生"だけである。

事件は、その時に始まった。
新山口でも益田でも「萩はどこにお泊まりですか」と聞かれ、自信を持って「萩で最も由緒ある『北門屋敷』です」と答えていた。
小市民としては身を切られるような1泊3万円以上もする高級感である
先ほどのボランティアガイドさんも「今日はどこにお泊まりですか」に「北門屋敷です」と話していた。
ひと通りの案内が終わって、ガイドさんが車でホテルまで連れて行ってくれることになった。
そこで何となく予約のプリントを確認すると!!!!
な、な、何と予約日は22日になっている。
ところが、その日は思いもよらない21日ではないか。
その瞬間、私の体から得体の知れない汗が噴き出てきた。(やばい)
他のみんなも期待していたホテルの予約がない。
直ぐにホテルに連絡するが「空き部屋はない」とそっけない返事である
ホテル側はキャンセルの請求を気にしているような話しぶりだ。
4人分のキャンセル料は約7万円にもなる。
「どこか泊まれるところはありませんか」と聞くが、「観光協会に相談してください」と面倒臭さが伝わってくる。
高級ホテルでもこんな対応なんだとちょっと残念に思った。
自分の勝手なミスは棚に上げて。
そうこうしているとホテル前まで着いちゃった。
ガイドさんは自分の車から降りておじぎをしている。
ホテルからは黒服の男性が宿泊客だと思って歩いて迎えに来る。
我々は宿泊客ではなくなっていた。
絶体絶命である。
すかさず車から出てガイドさんに「ちょっと買い物があるので、こちらで失礼します」と帰ってもらう。
黒服さんには「後ほど」と言いながら、車は颯爽とその場を離れた。
この切ないこと。
私の大失敗をご一緒さんたちは大笑い。
何だか急に萩が嫌いになった。
自分が悪いのに…と思いつつも情けない。
本音はまた行って見たい萩だった。
観光協会では親切に別のホテルを紹介してくれたが、かなりのランク落ちで仕方ない。

翌日は「秋芳洞」を観光して、それぞれ新山口で解散となった。
私はそのまま博多の友人と飲むために博多に泊まった。
実は、長期の出張の時は下着などを宿泊先のホテルに送っておくのだが、博多には何も届いていない。
どうやら送り先を1日間違ったようだ。
翌日からは鹿児島だった。
そちらのホテルに届いていた。
仕方がないので博多のホテルにて下着の洗濯をする羽目になった。

鹿児島ではWebを使って鹿児島から川内、姶良、鹿屋、奄美大島にまで届くLIVEセミナーだ。
7時から始まったが2時間たっぷり吠え続ける。
翌日は得意先を訪問して「共同個別指導」対策を練る。
こん時に頼りになるのが全国のセミナー参加者だ。
たくさんの情報をいただけた。
何とか乗り切れるだろう。

そして、昨日は鹿児島から松山に移ってきた。
盛大な忘年会にお招きをいただき大いに楽しむ。
思いもよらぬ還暦も祝ってもらった。

お世話になった皆様に感謝申し上げます。

今朝は、疲れ果てて東京に戻る。
あと3日で還暦を迎える。
そして、29日から札幌で仕事があり、誕生日は地方都市で「ほうれん草研修」がまっている。
12月1日には東京に戻る。
でも、3日からまた出張が入っており、戻ると、さらに7日からセミナーがあったり、自社の忘年会があったり、そして11日から20日までまた旅が続く。

何だか私に人生は線香花火のような気がしてきた。

ジリジリ、ジリ・・・・ぱち、ぱち、ぱち・・・・ポチん!



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やれよ!

2016-11-26 06:22:29 | 薬局
やらされている。

医療保険による報酬は国が求めている医療制度への成果に対する報酬である。
そこに税金が使われている。
もちろん保険に加入している国民や診療を受けた患者にも負担を求めている。
患者負担はあくまでも受益者負担で病気でもない人に負担は生じない。

その国が国民皆保険を維持するには、ある程度の費用対効果を求めることになる。
限られた財源を配分するためには当たり前である。
そのルールが診療報酬となっている。
従って、診療報酬は国が求める医療制度の維持のために必要な要件となる。
もしその診療報酬に納得がいかない場合は、速やかに保険収入を辞退することができる。
ただ、悲しいかな保険が効かない自由診療では成り立たないのが現実である。

良く調剤報酬改定には納得がいかないなどの声を聞くことがある。
はっきり言って、そう言う人は保険収入を辞退するしかない。
そのために国は自由診療を認めている。
但し、混合診療は原則認めてはいない。

地方の薬局に行くと”かかりつけ薬剤師”など以前からやっていると言うか経営者がいる。
確かにそうかもしれない。
普段から顔見知りの患者も多く、いろいろな処方せんを扱い、薬の管理もしていると言っている。
でも、本当にかかりつけ機能を果たしていただろうか。
他の薬局からもらった薬に対しても「何かあったら気軽に相談ください」と言っていただろうか。
「飲み残しなどが有りましたら調整します」と言っていただろうか。
「薬を服用していて体調などがおかしい時は薬剤師に相談ください」って言っていただろうか。
投薬時にどこまでお薬手帳と照らし合わせた服薬指導をしていただろうか。
長期処方せんで、例えば1月ごとに服薬状況など患者に直接連絡をして確認などしたことががるだろうか。
こんな事が”かかりつけ薬剤師”に求められていることじゃないだろうか。
今まで出来ていただろうか。

ある面では今回の「かかりつけ薬剤師指導料」は薬剤師への警告ではないかと受け止めている。
日本は医療機関へのアクセスが最もいい国である。
その反面として安易に受診できる弊害もある。
その結果、薬も自然と多くなる。
それを調整しムダを防止するのが”かかりつけ薬剤師”に求められている。
今までの処方せんを受け付けただけの対応から患者への全人的な管理が必要になっている。

「かかりつけ薬剤師指導料」だけではない。
個別指導で問題になり、返戻も多いと聞いている「特定薬剤管理指導料」も、報酬の引き上げは国が求めている方向性である。
にもかかわらず個別指導では厳しくチェックが入る。
返戻を促す様な指導ではなく、きちんと患者管理が出来るための指導に切り替えて欲しいものだ。
この点は厚生局に抗議して欲しい。
そして、正しい「特定薬剤管理指導料」の算定方法などを、厚生局の指導官を呼んでセミナー等で講義をして欲しいと思う。
国がやって欲しい方向性だから、今回の報酬改定で評価されて点数が上がっている。
どうも「特定薬剤管理指導料」を頑張った薬局に個別指導が入る様な気がしてならない。
国は何を薬局にさせたいのか。
少なくとも薬局の代表として中医協に参加している組織団体は、国の意向をもっと薬局の薬剤師にプロパガンダする必要がある。
いや義務がある。
報酬改定に同意した説明責任がなさ過ぎる。
結果として、無理解のうちに本来の目的を逸脱しかねない 事態を招く結果となる。

何だかいつの通り意味不明なぼやきになってしまったが、薬局も薬剤師もおとなしすぎる。
国民皆保険を維持、継続させるための提案がもっとなければ調剤報酬そのものの評価もなくなる。
既に、2018年度の調剤報酬改定の攻防は始まっている。

中医協を預かる日本薬剤師会は何を主張し、どんな報酬体系を求めるのか。






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地頭より強い泣く子

2016-11-25 06:29:27 | 薬局
やっぱり捻出するんだ。

8月に出された来年度の社会保障費の概算要求は約6,400億円だった。
それを2015年の閣議決定で5,000億円にまで抑えることは既に決まっている。
どうやって抑えるのかと思っていたが、まさに是が非でもといった感じになってきた。

先ず、高齢者医療費制度から約300億円の削減がある。
これは70歳以上で一定の所得(年収370万円以上)があり、住民税が課税される場合、1ヶ月の負担上限額44,400円だったのが69歳以下と同等の57,600円になる。
これだけで約300億円も削減ができるのだから、この国は高齢者に優しい。
さらに後期高齢者医療制度では所得に応じて支払う保険料の軽減があった。
これも軽減率を引き上げている。
その効果が約200億円だ。
これらは選挙の票獲得に影響するのでアンタッチャブルだった。
それすら手を付けざるを得ない切羽詰まった感がある。

この他にも協会けんぽの補助金を約300億円の削減がある。
雇用環境が改善して給与が上がって、保険料も増えた様で国庫補助を削減するそうだ。
本当に給与が上がっているのだろうか。
どうも実感がわかない。

そして、切り札は「オプジーボ」の薬価引き下げである。
何かともめたがない袖は振れないである。
当初の引き下げは25%だったが50%になった。
「オプジーボ」の2016年度の販売予測額は約1,500億円にもなるそうだ。
これが半分になると約750億円となり、国庫負担額は約4分の1なので約190億円となる。
ただ「オプジーボ」の販売が約1,500億円でおさまればであり、ひょっとするともっと使われる可能性は高い。
そうなると約200億円も可能になる。
国にとっては救世主である。
こちらは2月1日から始まる。

これを合わせると約1,000億円となる。
いやいや頑張ったものだ。
と言うかかなりこじつけが多い様に感じる。

残りの400億円の削減は介護保険関連から捻出する。
介護保険料の2号被保険者への総報酬割りなどで高所得者からの負担を上げる。
高額介護サービス費が70歳以上の場合、37,200円だったのを44,400円に引き上げる。
など、かなり高齢者に厳しい対応をせまっている。
これらは現政権の強さを表しているようだ。

ちょっと面白いのは診療報酬における「かかりつけ医制度」がなくなったことである。
当社のHSEセミナーで日本医師会の人に講演してもらった時に、「日本医師会では"かかりつけ医"の様な患者とのひも付には反対だ」と明言していた。
"かかりつけ薬剤師"の様に1人の患者と1人の医師だけの関係に反対だと言っている。
「薬剤師会は、それに反対しなかったので『かかりつけ薬剤師指導料』の仕組みになった」と皮肉めいた発言があった。
もちろん「同意書にサイン」もあり得ないそうだ。
現政権でも"泣く子と地頭には勝てない"ってことの様だ。

何はともあれ概算要求の6,400億円は5,000億円にまで遮二無二なってしまうって事である。
この強引さが2018年にも襲ってくる。




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モデル店

2016-11-24 06:25:42 | 薬局
健サポって。

10月から始まった「健康サポート薬局」であるが、思いのほか進んでいない。
あれだけ認定研修に殺到したにも関わらず。
全国でも20数軒と言うから、ハードルが高いのか興味が無いのか、儲からないからやらないのか。
それとも制度自体の設計に無理があったのか。

先週行ったHSEセミナーでは、大手調剤チェーンの「健康サポート薬局」について紹介があった。
さすがにやってくれる。
広さも機能も充実していた。
ただここまでの投資が一般の薬局で出来るのかというと難しい。
実は、この講義があるので、前日にセミナーで紹介された薬局と、ドラッグストアで「健康サポート薬局」を意識した新業態を見学してきた。
どちらもかなりの投資を感じた。

先ず大手調剤チェーンの「健康サポート薬局」は認定されているだけあって見本の様な薬局だった。
待合室だけでも30人くらいの健康教室が開けるスペースがある。
その他にセミナールームを持っていた。
OTCもカウンター越しに100品目を超える陳列がある。
ただカウンター越しは買いにくさを感じさせる。
ドラッグストアの場合は2類・3類がオープンなので、なんとなく買いやすさがある。
相談した時が購買につながる。
初めからカウンター越しはちょっと遠慮してしまいそうだ。
「健康サポート薬局」の基準から品揃えをすると、1類と要指導薬が主体になるのでカウンター越しの販売になる。

ちょっと驚いたのは、どちらにも血圧計、体組計、骨密度計があった。
しかも測定は無料だ。
早速、骨密度と体組計で測定してみた。
骨密度は年齢平均を107%と"骨太"だった。
体組成もほぼ問題なし。
ただ何に興奮したのか血圧が高い。
ついに来たかと高齢実感である。
この測定だが、たまたまだと思うが調剤の方は女性が説明をして測定方法を指導してくれた。
ドラッグの方は、こちらが戸惑っているにも関わらず誰も対応してくれなかった。
そこには調剤には無かった血管年齢測定器があった。
この使い方に右往左往していた。
そのドラッグストアの調剤室はオールガラス張りで超見通しが良い。
せっかく測定できる仕組みを取り入れても、一般の人には操作不能だったり、遠慮があるものだ。
ちょっとした声かけが欠かせない。
ここら辺がこれからの大きな差別化になりそうな予感がする。
またドラッグストアには健康相談や教室のスペースは見当たらなかった。
何となくここが大きな違いじゃ無いかとも感じさせる。

どちらもこれからの工夫の必要ではないかと思われる。
そして、中小薬局ではかなりハードルが高い様にも感じた。
なんか違うんじゃないのかなぁ。

健サポ。





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反省だけならサル歳でも

2016-11-23 06:21:02 | 薬局
抑えきれない。

高齢者人口が大幅に増えている。
しかも75歳以上の後期高齢者だけが増えている。
2025年はいわゆる”団塊の世代”が75歳以上になる大きな山場である。
これをどのように乗り越えるかが厚生行政に手腕が問われている。

そんな中で厚生労働省内部に「医薬分業を押さえる」考えも出始めていると聞く。
1974年(昭和49年)診療報酬改定によって、処方せん料が100円から500円に引き上げられた。
この制度改制により医薬分業に弾みがついたことから、この年を「医薬分業元年」と呼んでいる。
医師が自分の処方で薬を投薬すると、自ずと薬が出過ぎる傾向にあった。
その当時は、薬価差益も薬の添付もあった時代である。
それを医薬分業によって抑えるための意図があった。
さらに、薬剤師の専門性から重複・相互作用などの防止による多剤防止もある。
適正使用に外からのチェックを入れる目的もあった。
この他にも当時の外圧もあったように記憶する。
海外の薬局業界が日本への参入を図ろうとしていたが、医薬分業が進んでいないことがネックだった。
内には強くても外には弱い。

それが今になって医薬分業が医療費の抑制に貢献していないと、政策の失敗に気づき始めている。
それで医薬分業政策は間違っていたと考えだす流れになってきたと思われる。
確かに、長い年月をかけて薬価差益は大幅に縮小されている。
かつては30%くらいの差益もあった。
それに添付が加わる。
今では15〜19%と微妙な価格交渉となっている。
しかも当時はなかった消費税が加わる。
正味の薬価差益は微々たるものだ。

多剤投与や残薬などはもっと薬剤師が関与する必要があるが、何と言っても中途半端な分業である。
薬剤師が頑張りづらい仕組みであることを中医協の場で議論の俎上にあげて欲しい。
すでに分業率は全国で72%を超えている。
そろそろ100%分業に向けた議論があって然りだ。
そうすると多剤投与防止も残薬の削減も、さらに後発医薬品への切り替えも薬剤師の職務としてやれるはずだ。
「処方権と調剤権の格差」について中医協の場で議論になったが、残念ながら当事者の薬剤師側の主張は無いに等しい。
せっかくのチャンスを逃した責任は大きい。

そして海外からの攻撃もTPPの雲行きが怪しくなったが、日本への進出があるとしたら、必ず100%分業に迫って来る。
それがどのような影響をもたらすのかは分からないが、確実に業界再編は避けられない。
そんな変化も関係無い話では無い。

医薬分業が国民にとってどうあるべきかを再度見直し、多少の身を切る政策をあえて自ら出す必要があるのでは無いかと思う。
先日も、ある地域での食事会で、個別指導での薬歴記載が未だに白紙でdoしかない薬局があったそうだ。
こんな事をしていたら薬局など要らないとなる
昨年行われた規制改革会議の公開討論会で内閣府から出された資料に、医薬分業を知っていますかとの質問に54.5%の人が知らないと答えている。
本格的に医薬分業が始まって約40年が経とうとしている。
この間に日本薬剤師会は何をしてきたのか。
自分たちの権利だけを主張してきたように感じるのは私だけだろうか。
もっと薬剤師も薬局も国民に寄り添う必要を強く感じている。

そう言えば私も薬剤師の端くれだった。
深く反省!




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容赦ない

2016-11-22 06:19:36 | 薬局
1,400億円の削減はなるのか。

8月に出された2017年度社会保障費の概算要求は6,400億円だった。
しかし、2015年に2016年から2018年の3年間の社会保障費の増額は1.5兆円と閣議決定している。
今年度(2016年)は診療報酬及び薬価の改定で約1,500億円、その他に各種給付の削減や利用者負担増などで約200億円の削減が見込んでいる。
結果として6,700億円の概算要求を5,000億円に帳尻を合わせている。
今回も概算要求の6,400億円から1,400億円をどの様に調整するか大きな課題となっている。

先ず、出てきたのが高額医薬品の「オプジーボ」の特例薬価引き下げである。
薬価改定の時期でもないのに引き下げる。
当初は25%引き下げの案が出ていたが、そんなものでは1,400億円の削減にはほど遠い。
そこで、こじつけ理由で50%の引き下げとなった。
2018年度の薬価改定でさらに引き下げると思われる。
例のC型肝炎治療薬でさえも31.7%の引き下げだったのが、今回は50%である。
かなり思い切った対応である。
それだけ切羽詰っていたことがうかがえる。

選挙で投票率が高い高齢者に過度に配慮することを「シルバー民主主義」と呼んでいるが、このアンタッチャブルな高齢者にも負担を求めるようだ。
介護保険では現役世代並みの所得がある場合、介護サービスの自己負担を現行の2割から3割に引き上げることを検討している。
さすがに3割になると「居宅療養管理指導費」の徴収は難しくなる。
ところで介護保険サービスの自己負担は原則1割だが、単身で年金収入だけで年収280万円を超えた場合、昨年の8月から2割負担になっていた。
きちんと確認しておかないと1割負担のままになってしまう。
さらに保険料までも負担を強いるようだ。
ただ今審議中!

医療保険でも後期高齢者医療制度の保険料軽減特例の廃止なども検討されている。
現在の後期高齢者医療制度には専業主婦向けと低所得者向けの2つに特例がある。
細かい内容は説明が面倒なので自分で調べて欲しいが、要はかなりの負担増になる。
さらに一般的な所得がある70歳以上で約4万4千円が上限の高額療養費の上限も引き上げる。

詳しい内容はこれから矢継ぎ早に出て来ると思うが、財政が窮地に追い込まれていることが良く分かる。
こうなると2018年に向けた診療報酬、介護報酬、薬価の改定は厳しいことがうかがえる。
2018年も社会保障費の増額分は5,000億円が上限とされる。
先ずは、2016年および2017年の削減できなかった分が、概算要求に上乗せされる。
私の予想では2,000億円くらいの削減が必要になるのではないかと考えている。

どこを削るのがいいのか。
それは医療への貢献度が見えてこない報酬へと向けられる。
「調剤基本料」は処方せんを受け取っただけでもらえるのか。
「調剤料」は棚から錠剤を取りそろえる、いわゆるピッキングで患者の病気が治るのか。
「薬剤情報管理指導料」は医師にはない報酬である。

これらにエビデンスを持たせることを真剣に考えないと、無くなっても文句は言えない。
誰がどこで動いているのか。






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コメント (2)
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言っちゃえにいさん

2016-11-21 06:25:53 | 薬局
アラカルトだよ。

「健康サポート薬局」の制度が導入になり、いろいろな会社が地域活動を始めている。
これは良いことだと評価できる。
ただ”かかりつけ薬剤師”になる要件の「地域活動」に相当するのかは疑問である。
この「地域活動」は”地域ケア会議“などへの参加や地域の行政機関や医療・介護関係団体等が主催する住民への研修会等であり、どちらも主体的・継続的参加が求められている。
何だか分かったような分かりづらい定義である。
要は、会社が企画した「地域活動」は当てはまらない。
これこそが自主的・継続的な活動だと思うが、これを適用させないことに対して、どこからもクレームがない。
因みに、薬剤師会が主催した場合は認められるが、動きが悪い。

日本保険薬局の政治連盟である日本保険薬局政治連盟は、「かかりつけ薬剤師指導料」の施設基準に問題ありと指摘している。
当該薬局に32時間以上の勤務や保険薬剤師の3年以上の経験及び当該薬局における6ヶ月以上の勤務実績は、現実にそぐわないとしている。
さらに医師、歯科医師にこうした規制はないとも指摘している。
はっきり言ってもっと早く言って欲しかった。
私は”かかりつけ薬剤師”そのものもおかしなことだと思っている。
患者を薬局全体で管理する仕組みの“かかりつけ薬局”でいいじゃないか。
継続的・一元的に管理できるために薬歴がある。
薬歴をPOSやSOAPで書くのではなく、もっと薬学的知見に基づいた薬歴にあり方を考えるべきじゃないだろうか。
自分の”かかりつけ薬局”に行くと、どの薬剤師も一元的・継続的に服薬管理が受けられる薬歴への見直しだ。

日本薬局学会は10月に実施した「認知症研修認定薬剤師制度」の第1回認定試験の合格者を11日に発表した。
これは2015年1月に政府が打ち出した「新オレンジプラン」に、認知症の発見を薬剤師にも協力して欲しいと書かれていたことを受けてである。
かれこれ1年10ヶ月が経過してやっと動き出した。
この「新オレンジプラン」が何だか知っている薬剤師がどれだけいるだろうか。
どこが薬剤師への啓蒙する役割なのか。
報酬がつかないからやらないではあまりにも情けない。
少なくとも大手調剤チェーンは、昨年の内にほとんどが「認知症サポーター研修」を社員全員が受講している。
知らぬは中小ばかりなり。
中小薬局には情報が不足している。
今、世の中がどう動いているのか。
因みに、認定された薬剤師は60人だそうだ。
もっと増えて薬剤師も認知症の発見に貢献している姿を示して欲しい。

16日の日経新聞にマツキヨが「薬局500店 経営支援」の記事が掲載された。
まさに”スイミー作戦“の変化版である。
小規模薬局の経営を支援しながら組織化を狙っているようだ。
小魚も集めるとクジラになる。
提供するサービスは以下の様になっている。
・調剤機器や備品、大衆薬、健康食品などの供給
・店舗間での在庫の融通
・薬剤師や医療事務担当者の研修
・薬剤師が急に出勤できなくなった時に代わりを派遣
・1日24時間、薬への質問などにコールセンターで対応
・新薬の医薬品情報を提供
等だそうだ。
どこまで出来るのか情報を集めたい。

動いているでしょ!





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