医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

ほととぎす死す

2024-08-01 04:27:26 | 薬局
苦肉の策かもしれないがだらしない無策のようだ。

マイナ保険証の利用率が6月時点で9.9%しかない。
どうなるのか。

先日、珍しいことに期の途中で診療報酬の一部改定があった。
ご存じのように「医療DX推進体制整備加算」である。
当初は月に1回で4点だった。
その報酬の要件に関してマイナ保険証の利用率だけが”こうご期待“的に保留されていた。
それが7月17日に厚生労働大臣からの諮問があり中医協で決まった。
本来ならマイナ保険証の利用率だけが決まる予定だったはずが、あまりにも利用率が低迷しているせいなのか報酬を引き上げて3段階にした。
薬局では利用率が15%以上なら7点、10%以上なら6点、そして本来の4点はたったの5%以上とした。
この5%は明らかに経過措置への配慮と言うか忖度と言うか。
情けない話だ。

ただ、さすがに甘い汁だけを吸わせてはくれない。
上記は10月から12月までで、年明けの1月からの要件は30%、20%、10%とそれぞれ引き上げられる。
1度もらった報酬には未練があるので頑張って利用率を上げるとの目論見だ。
さらに、小さな字で「令和7年4月以降のマイナ保険証利用率の実績要件は、附帯意見を踏まえ、本年末をめどに検討、設定」としている。
要は、来年4月以降の要件が更に引き上げられるってことだ。
かなり手が込んだいやらしさを感じる。

ところが、いつものように”笛吹けど踊らず”なのか、
マイナ保険証の一時金があったのを意識していただろうか。
5月から7月の実績に応じて最高20万円が支給される。
当初は10万円だったが誰も振り向かなかったのか倍に引き上げている。
この20万円でも魅力に欠けたのか7月末を持っての成績が芳しくないようだ。
そこで急遽、締め切りを7月から8月までの延長とした。
こんな急な話がどれだけ現場に伝わるのか。
また失敗を繰り返すだけのように思う。

そもそも現場ではリアルタイムでの利用率が把握できない。
従って、目標のないゴールに向かうみたいなものだ。
ゴールのない競技は成り立たない。
達成感がない。

同じように顔認証付きカードリーダーの増設支援も8月までに延長した。
最近増えているドライブスルー薬局には欠かせないアイテムである。
さらにどうなっているのか在宅におけるモバイル資格確認がある。
訪問看護や訪問医師のところには導入が始まっているらしいが、薬局には話が全くない。

延長でどうにかなるものだろうか。
「鳴かぬなら鳴くまで待とうほととぎす」⇒「鳴かぬなら鳴かせてみせようほととぎす」⇒「鳴かぬなら殺してしまえほととぎす」
コメント
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