医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

変わる時に変える

2023-03-31 05:07:25 | 薬局
新たな気持ちで、新たな準備に、新たな挑戦に取り組む。

明日からは新年度に切り替わる。
薬局の大きなイベントは何と言っても薬価の中間改定である。
今日までの在庫薬価が一晩明けると7~8%も目減りする。
中には10%に及ぶ薬局があるかもしれない。
当然のこととして前年と同じ処方箋枚数だと5%前後の売上も下がる。
そして9月までに価格の交渉を終わらせないと「未妥結減算」が待ち構えている。

調剤報酬の改定はないが「地域支援体制加算」の経過措置がなくなる薬局がある。
あるメディアによると「地域支援体制加算」における「みなし調剤基本料1」の薬局が全国で4,091店舗もあるそうだ。
これは「調剤基本料」の要件変更に伴い、新たに300店舗以上が加わった結果である。
ほとんどが大手調剤チェーンとドラッグストアが対象であるが、関係ないと高をくくっていると”明日は我が身”にならないとは限らない。
中医協の資料や社会保障審議会等の資料では20店舗以上の薬局チェーンでデータが区切られている。
最近では3月17日に行われた薬価差益を問題視する「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」でも、20店舗以上の調剤チェーンの薬価差益がクローズアップされていた。
そもそも300店舗に根拠などない。

前回の調剤報酬改定に関する中医協での審議は3回あった。
2021年7月14日に調剤(その1)、10月22日に調剤(その2)、そして11月26日の調剤(その3)である。
たった3回ですべてが決まる。
それぞれの日程では調剤だけが話し合われているわけではない。
厚生労働省から資料が提出されて調剤は30分ほどの時間でおおむね了承の形で終わる。
この審議で大幅に修正されることはない。
資料が出た段階で決まっているのだ。

診療報酬は医療費と言う社会保障費の3割を占める大きな存在である。
それらの予算関係は6月の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」で決まる。
従って、今からのロビー活動が必要になる。
来年の調剤報酬改定にはどこが、どんな内容の提案をするのだろうか。

4月からは第6シリーズの「薬局経営の知恵袋」が始まる。
中医協での議論は夏ごろから始まるが、その他の審議会や検討会などで改定を匂わす議論が始まる。
出る前から取り組むのか、出てからじっくり取り組むのかはあなた次第だ。
他人の私がとやかく言う筋合いではない。

ただ、新年度に向けて“新たな気持ちで、新たな準備に、新たな挑戦に取り組む”必要があるんじゃないかと老爺心である。

昨日から札幌に帰ってきた。
ひんやりとした空気に季節の変わり目を感じさせる。
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ポロッとが危ない

2023-03-30 04:44:06 | 薬局
違和感を取り除くと、そこに本気度が現れる。

ドラッグストアに求めることは「価格の安さ」と「品ぞろえの良さ」が上位に来るそうだ。
「品ぞろえ」は日用品の購入が主体となる。
ところが最近では食料品にも力を入れるドラッグストアが増えている。
当初はお菓子類や冷凍食品などの保存しやすい食品が主だったが、最近では生鮮4品(青果、鮮魚、精肉、惣菜)などのラインナップも充実している。
まるでスーパーのようだ。

こうなるとスーパーなのかドラッグストアなのか差別化が難しくなる。
そこで見直したいのがドラッグストア本来のコンセプトじゃないだろうか。
俗にいう“ヘルシー&ビューティー”が基本路線である。
スーパーとの差別化としては健康関連商品の販売を前面に出す必要がある。
そこでドラッグストアの健康関連商品としてふさわしくない商品を店頭から無くす必要が出てくる。

健康関連商品として最もふさわしくないのが”たばこ”である。
たばこは「百害あって一利なし」と言われている。
このたばこを全店舗での販売を取りやめるドラッグストアが現れた。
ウエルシアは2026年2月までにたばこの取扱いをやめる。
年間の販売額は約150億円にもなるそうだ。
思い切った施策である。
この決断には何かあると考える必要がある。

さて何があるのだろうか。
ウエルシアで最も売上が伸びているのが調剤である。
調剤とたばこは「健康」と言う視点で考えると相性が悪い。
この際だから徹底した健康志向をコンセプトに、処方箋の獲得を狙っての対応ではないだろうか。

日本薬剤師会は国民の健康の維持・増進に貢献すべき薬剤師の職能団体として、「薬局・薬店ではたばこの販売を行わない」という宣言文を平成2006年1月18日の理事会にて了承している。
薬局からたばこが消えた日である。

ドラッグストアの第3四半期の決算報告では、調剤売上がウエルシアで14.0%、スギが7.5%、ツルハが9.0%と順調である。
マツキヨココカラは79.2%とあるが、こちらは前マツキヨにココカラが上乗せになっているので異常値となる。
両方を合わせた数字で比較しても10%以上の伸びがある。

今回のウエルシアのたばこの販売全廃は、まさに調剤市場に対する“宣戦布告”みたいなものだ。
正直なところかなり手ごわい存在である。

”ふんどしの紐を締めて“かからないと・・・ポロッと市場からはみ出してしまいそうだ。
150億円を捨ててまでもの覚悟を感じさせる。
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何か汚いやり方

2023-03-29 04:26:25 | 薬局
何気なくサラッと変更になっても追いつかない。

2022年度の調剤報酬改定で多くの薬局がショックを受けたのが「連携強化加算」(2点)ではないだろうか。
当初は何となく「地域支援体制加算」を算定していたら算定できそうな感じがした。
極めて雑な要件説明では「災害や新興感染症の発生時等において対応可能な体制を確保していることについて、ホームページ等で広く周知していること」となっていた。
こりゃいける。

それがいざ算定間近の3月31日に「PCR等検査無料化事業に係る検査実施事業者として登録され、当該事業を実施していること。また、当該検査実施事業者として登録されていることについて、自治体等のホームページ等において広く周知されていること」が補足として出てきた。
まさかのタイミングにがくぜんとしたのを覚えている。
このPCR等検査無料化事業に泣かされた薬局は多いと思う。
しかも事業は既に締め切られていて、どうにもならないこともあったように記憶する。

その事業が昨年(2022年)12月27日に「新型コロナウイルス感染症・季節性インフルエンザ同時期流行下における新型コロナウイルスに係る抗原定性検査キットの販売対応の強化について」との事務連絡が出ている。
そこには夜間・休日、年末年始の対応として「『休日・年末年始に抗原検査キットを購入できる薬局・店舗』の一覧や地図等を、自治体等のホームページや広報紙等において広報することや、地域の薬局・店舗において掲示等を行うこと等が考えられる」が加わっていた。

そして、今年の4月1日からの「連携強化加算」の算定要件として3月24日に「調剤報酬点数表における『連携強化加算』の施設基準等の取扱いについて」の事務連絡が出された。
そこには…表現が難しいので、事務連絡をそのままコピペする。

次に掲げる体制等のうち①を満たし、かつ、②又は③のいずれかを満たす場合に、基準を満たすものとする。
① 「新型コロナウイルス感染症・季節性インフルエンザ同時期流行下における新型コロナウイルスに係る抗原定性検査キットの販売対応の強化について」(令和4年12 月27 日医薬・生活衛生局総務課事務連絡)に対応した取り組みを実施していること。
② 公的な管理の下で配分される新型コロナウイルス感染症治療薬の対応薬局として都道府県等に指定され、公表されていること。
③ 一般流通が行われている新型コロナウイルス感染症の治療薬を自局で備蓄・調剤していること。
ただし、これまでにPCR等検査無料化事業に係る検査実施事業者として協力しており本加算の届出を行っていた保険薬局については、①のみを満たしている場合であっても、令和5年9月30 日までの間に限り、本加算を算定できる。

この①を満たしていることが前提条件となる。
注目は①のカッコ部分の(令和4年12 月27 日医薬・生活衛生局総務課事務連絡)にある。
さらに、経過措置があるが「①のみを満たしている場合であっても」が良くわからない。
ここは「①を満たしている場合は」じゃないのか。
通常は「場合であっても」ときたらダメにつながりそうなものだ。

賢い皆さんにはわかるのかもしれない。
どちらにしても分かりづらい事務連絡である。
遠慮なく算定可能かどうかを厚生局などに確認したほうが良さそうだ。
現場が混乱していることをわかってもらうには、直接厚生労働省に聞くのもいいかもしれない。
意外にちゃんと教えてくれる。

当社では社長がいろいろ情報を集めているがはっきりした見解が出ていない。
厚生局レベルでも判断は異なりそうだ。

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あんたも悪い

2023-03-28 05:21:58 | 薬局
どんな自分を目指すのだろうか?

今月22日に薬剤師国家試験の合格者が発表になった。
新卒者の合格率が84.86%で、全体では69.00%の9,602人の薬剤師が誕生した。
先ずは“合格おめでとう”と祝福したい。

ただ、いつも思うが、この合格の裏に卒業を延期されたり、卒業は出来たが合格のレベルに到達できなかった人も多い。
その後、合格にたどり着ける人はまだいいが、それでもその浪人時間と費用の犠牲は大き過ぎる。
薬学部は6年制だ。
それだけの時間と学費を費やして、卒業できないとか国家試験に合格出来ないを単に学生にせいにしていいのだろうか。
私は大学の責任は大きいと思う。

16日に医師と歯科医師の国家試験合格発表があった。
医師は新卒が94.9%で、全体が91.6%となっている。
なかなかの成績だ。
合格者数9,432人と薬剤師とあまり変わらない。
それに比べて歯科医師は新卒が77.3%、全体で63.5%と不調である。
合格者数も2,006人と少ない。
歯科医師はすでに過剰気味で人気がないのかもしれない。
それにしても合格率は低過ぎる。

24日には看護師の合格発表があった。
保健師の全体の合格率は93.6%、助産師が95.%、看護師が90.8%とかなりハイレベルである。

この合格率の違いは何なのかいつも考えてしまう。
私の率直な感触は“本気でなりたかったのか”ではないだろうか。
本気であるならもっと合格率が上がるはずだ。
まさか何でもいいから学生を集める事しか考えていない学校側の甘い誘いに乗ってしまったのか
そうだとしたら学校側の功罪ではないだろうか。
変な話ではあるが薬学部があまりにも“広き門”であることに違和感がある。
命を預かる資格にしては偏差値が低過ぎる。
中には試験がなく面接だけで合否が決まる大学があると聞く。
まさに頭数合わせ。

年を重ねると薬の存在は大きい。
それは命に関わるからである。
そんな大事な存在にはもっと厳格な学生の選択と、より厳しい試験があって当たり前じゃないだろうか。
そんなことを言えた自分ではないかもしれないが、薬のお世話になりつつある立場からそう思う。

何となく薬学部は薬剤師国家試験予備校のようだ。
それならそれでもっと合格させろよ!


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やるべきこと

2023-03-27 05:21:15 | 薬局
こんな実態で大丈夫だろうか。

22日の中医協では前回改定の結果検証が行われた。
その結果がどうも思わしくない。

先ず、驚いたのは在宅患者の処方箋を発行する医療機関が「在宅療養支援」の届出をしているかどうかを62.1%もの薬局が知らないことである。
そもそも在宅療養支援診療所・病院の仕組みすらわかっていないのではないだろうか。
そんな薬局は在宅患者の処方箋を受ける権利がないように思う。
協力体制が組めない。

次に医師の訪問に対する診察同行が9.1%あった。
これはあくまでも調剤報酬上の「在宅患者訪問薬剤管理指導」としてで、介護報酬における「居宅療養管理指導」ではもう少し多いかもしれない。
診察同行のきっかけは「医師からの依頼」が53.3%となっている。
私が知る限りにおいて薬剤師の診察同行は医師からの評価が高い。
今後、診察同行のニーズが増える可能性がある。
今回の調査は調剤報酬につながる可能性があるので、もっと多くの実績が欲しいところだ。

実数は少ないがリフィル処方箋に関する調査結果も出ている。
ここで残念なのがリフィル処方箋に関する薬局からの服薬情報提供書(トレーシングレポート)の有無で、病院では「あった」が11.1%、診療所では23.0%しかない。
リフィル処方箋は長期処方が多いはずだ、薬機法改正による服薬期間中のフォローはどこに忘れたのか。
リフィル処方に関して提供して欲しい情報は、病院では「患者の服薬状況」の66.7%、診療所でも同じく「患者の服薬状況」が21.4%だった。
医療機関はリフィル処方にした場合の不安要因として「患者の服薬状況」を気にしている。
にもかかわらず薬局のトレーシングレポートの少なさはいかがなものか。
リフィル処方箋に対して、医師にトレーシングレポートの提供をした経験を、薬剤師に問うと「ある」が4%だった。
これって少な過ぎないか。
少なくとも2回目のリフィル投薬には医師への報告は必要だと思うけど。
日本薬剤師会の会長が「リフィル処方箋は長年の悲願」と言っていたと思うが、「長年の悲劇」になりそうだ。

医師がリフィル処方箋に消極的な理由に「医師が患者の症状の変化に気付きにくくなるから」が多い。
これこそが服薬期間のフォローであり、トレーシングレポートの効用じゃないだろうか。

何となく今回の検証結果を見ていると薬局薬剤師には何か足りないことを感じさせる。
これではいつまで経っても「対物業務から対人業務へ」の道は遠いかもしれない。
そして服薬期間中のフォローは薬機法だけじゃなく薬剤師法にも定められている。
不測の事態は何が起きるかわからない。
そんな時に「忘れていました」では通用しない。
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席かえ

2023-03-26 05:12:16 | 薬局
基本的に嫌いなものは好きになれないものだ。

昭和の真ん中に生まれた私はガチガチのアナログタイプの人間である。
未だにスマホはLINEしか使えていない。
従って、ガラケーの電話とメール機能は生かしたままになっている。
この合体が”どうする”で困っている。
Docomoなのでガラケーのサービスが2026年3月で終了してしまう。
焦る!

先日、電子処方箋に関する厚生労働省からの4回目のオンライン説明会が、3月17日にあった。
「はじまってます! 今こそ導入、電子処方箋」である。
ご覧になった人も多いと思う。
見逃し配信もあるのでぜひ確認して欲しい。

ほとんど普及していないような状態にもかかわらず、大げさに普及しているような表現に違和感を覚えた。
その中で紙の処方箋であっても電子処方箋管理サービスへの登録を促している。
そんな面倒なことをだれがやるのだろうか。
医療機関では電子カルテがあると、電子処方箋の発行から電子処方箋管理サービスへの登録がスムーズになる。
薬局においても電子処方箋だと簡単に登録できる。
要は電子カルテと電子処方箋の導入によって簡単便利になる仕組みである。
と、私は受け取った。
簡単便利と面倒打ち込みのどっちを選ぶと言われると、普通は簡単便利に軍配が上がる。

これも初耳だったが、従来の保険証でも電子処方箋の発行は可能らしい。
マイナ保険証も持たない患者が電子処方箋を希望するものだろうか。
出来るとやるは大違いだ。

電子処方箋の導入ではシステム事業者がリモートで設定してくれるらしい。
私のパソコンは社長とつながっていて、トラブルはリモートで解決してくれる。
たまに勝手にカーソルが動いていることがある。
また私へのメールは社長と家内が閲覧できる。
変なお誘いは避けて欲しい。
バレバレになる。

資料では「HPKIカードレス署名を利用する施設も出てきました」とあるが「HPKIカードレス」の仕組みが分からない。
その他にも「HPKIファストトラック」の窓口から優先的にカードの発行があるようだが、そんなトラックが日野自動車にでもあるのか。

今回の4回目のオンライン説明会はアナログ人間には難しい。
嫌だと思うからなおのこと頭が拒否する。
そんな昭和はそろそろ席を譲った方がよさそうだ。

と、気づくべきかもしれない。
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そつが甘い

2023-03-25 05:02:26 | 薬局
相変わらず“お上”のやることは詰めが甘いことにそつがない。

1月26日から電子処方箋が開始された。
不安と期待を持ちながら準備するつもりだったが、肝心のベンダーの対応が間に合わない。
こんな事態は想定外だったのだろうか。
メンテナンス費用がもったいないので躊躇しているわけではない。

今月17日時点での運用開始施設は病院6施設、医科診療所73施設、歯科診療所3施設で、薬局でさえも1,189施設しかない。
そろそろ2ヶ月が経過しようとしている。
やると決まったなら全国一斉に始まるくらいじゃないと、ダラダラは最悪のパターンである。
その内に厚生労働省の担当者も代わってしまうと、ダラダラからウヤムヤになる。

オンライン資格確認に関しては今月12日時点で92.2%の申込数があり、準備完了施設が65.6%、運用開始施設が54.9%になっている。
こちらも来月からは「原則義務化」なので対応が急がれる。
「原則義務化」なので運用開始に間に合わない場合は、「やむを得ない事情」を「猶予届出」としての提出が必要になる。
どうもこの「猶予届出」はインターネットで提出するようなので高齢者は頭を抱えてしまう。
こんなことから年内には、ほぼすべての医療機関にオンライン資格確認が導入されると思われる。

これが済むと次は2025年3月までに「おおむねすべて」の医療機関への電子処方箋の導入を国は目指すとしている。
これも「原則義務化」にでもしないと難しい。
そんな感じになるような気がする。
電子処方箋を受けるにはHPKIが必要になる。
この取得には日本薬剤師会の会員だと19,800円、非会員では26,400円の申請費用が必要になる。
これに対して国から4月までだと5,500円の補助が出る。
4月以降になると半額の2,750円になる。
しかも6月までの期限付きである。
そうなると誰しも無駄に自腹は切りたくはない。
上手くできていて、そうやってHPKIの取得に追い込んでいく。
因みに、こちらもICチップの不足からHPKIカードの発行が滞っているようだ。
そこでHPKIカードと一緒に発行される「セカンド電子証明書」を先行させるようだ。
とりあえずセカンド電子証明書で電子処方箋の応需は可能となるそうだ。

個人証明ならマイナンバーカードがあるが、HPKIと異なる仕組みなので、今のところ一緒にはならないようだ。
さすが”お上”のやることそつがない。
と言うか詰めが甘い。

ところでHPKIは必ず本人が使うとは限らないのではないか。
他の人がカードリーダーに読み取らせるとアラームでもなるのか。
何だかあまり意味がないようにも思うが、その辺が”お上“の詰めの甘さかもしれない。
建前上はHPKIがあるので薬剤師本人が電子処方箋を応需するはずと、自分たちの責任は逃れられるというそつがない考えかもしれない。

因みに、3月17日の「はじまってます! 今こそ導入、電子処方箋」は確認済みかな?
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飛び出しペンギン

2023-03-24 05:40:09 | 薬局
今さらいいも悪いもあったものじゃない。

薬価差益の在り方についての問題が浮上している。
毎年の薬価改定により不採算品目が増えている。
結果として後発医薬品メーカーなどの経営が危ぶまれる事態に陥っている。
薬価が引き下げになる大きな要因として、過度な価格交渉による薬価差益の是非が問われている。

昨今の後発医薬品メーカーの製造上の不祥事は、薬価引き下げによる無理なコストダウンに起因しているのではないか。
その結果として本来あるべきGMPが損なわれる結果となった。
では、薬価引き下げはなぜ起こるのかと言うと、薬を買う側の薬価差益を求める価格交渉にたどり着く。
いわゆる薬価差への追求となる。

そんな議論が厚生労働省による「「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」で始まっている。
2021年度の日本医薬品卸売業連合会が調査した結果として、薬価差額全体の63%を薬局が得ており、内訳は20店舗未満の調剤チェーン・個店が26.2%、20店舗以上の調剤チェーンが36.8%となっている。
基本的に医療費の中で薬の比重が高いのは薬局なので、当然のこととして薬価差益(差額)が多いのは当たり前である。
ただ問題は20店舗以上の調剤チェーンの納入価格の在り方が問われている。
要は安過ぎる。
そこで浮上してきているのが、ある一定の薬価差益以上については国へ返還させる案である。
はっきり言って、そんなことになると価格に対する自由競争は無くなって、公定価格制になってしまう。

薬価差益に関しては今さらの問題ではない。
なぜ今さら問題になっているのかを考えておく必要がある。
そして、問題の発信先が厚生労働省であることに注意が必要になる。

さて、この問題に関して見方を変えると、価格交渉によって安い価格を勝ち得たのが悪いようになっているが、そもそもは安売りする製薬メーカーや医薬品卸の販売姿勢を正すべきではないかと思う。
薬価が下げって不採算品目になって困ったというが、その薬価を引き下げる要因は自分たちが安く売るからではないか。
“自業自得“って奴じゃないだろうか。
今さら何とかして欲しいなどとは虫が良過ぎる。

そんな中で自社にとって不採算な医薬品は売らない。
共同交渉などで利益が出ない場合の配送は週1回にする。
そんな政策を打ち出した医薬品卸が現れた。
自らを”ファーストペンギン”だと言っている。
“ファーストペンギン”とは、元来臆病なペンギンの中で、多くの敵が潜む海に最初に飛び込み、仲間たちを先導する「勇気ある一羽目のペンギン」を指すそうだ。
あえて“減収増益”の考えで営業戦略を進めるとマスコミのインタビューに答えている。
意外に“右に倣え”の医薬品卸が出てきそうな気がする。

私的には”ファーストペンギン“を応援したい。
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ここから始まる

2023-03-23 05:00:53 | 薬局
10年ぶりの復活が次へのメッセージとなるのか。

先ずは薬剤師国家試験の合格おめでとう!
おめでたい反面、薬剤師の置かれている環境は厳しい。

来年は医療、介護報酬の同時改定だけではなく障害者総合支援法における報酬改定もある。
それゆえに今年は会議や検討会が目白押しだ。
正直なところ目移りする。
ただ基本路線に大きな変動はない。

15日に「第1回 医療と介護の連携に関する意見交換」が開催され「令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会」として話し合われた。
これは診療報酬と介護報酬改定が審議される前の医療と介護の連携体制のすり合わせになると思われる。
当然ここでの内容が中医協に反映され調剤報酬へも大きく影響する。
この意見交換会は3回行われる。
次回は4月19日に、3回目は5月になるようだ。

ここで考えて欲しいのは、なぜ医療と介護の連携なのかである。
この件に関しては、このブログでも既に伝えているが2014年に制定された「医療介護総合確保推進法」に基づいている。
当初の目標は2025年に向けた「地域包括ケアシステム」の構築にあった。
その実施状態の結果を迎えようとしている。
そして次に必要になるのが2025年以降となる。
それは2040年ころの団塊ジュニア世代の高齢化が想定される。

PDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:測定・評価、Action:対策・改善)で考えると、2014年から15年にかけて「計画」が練られ、15年から25年にかけて「実行」され、その結果を現時点で「測定・評価」し、新たな考え方を追加しながら「対策・改善」をおこない、次に向けたさらなる「計画」のローリング(部分改良)となる。
ゆっくりではあるが確実にPDCAサイクルは回っている。

今回の意見交換会は始まったばかりでさわりの部分しか見えてはいない。
これから核心に入っていくと思われるが、その姿は先日もお伝えしたが、2月24日に行われた「全世代型社会保障構築会議」の資料にある「地域完結型の医療・介護提供体制の構築」(p3)に示されている。
ここから何を読み取るかが重要となる。

そして、くどくなるが「患者のための薬局ビジョン」は生きている。
調剤報酬改定でのキーワードは「地域」である。
わかるよねぇ。

そんなことを思いながら私なら何をやるかを勝手に考えている。
因みに、介護報酬改定から社会保障審議会の介護給付費分科会の資料なんかも見ておくといいかもね。

さて、宣伝だ!
4月から第6シリーズの「薬局経営の知恵袋」が始まる。
情報が右往左往している時だからこそ整理されたエッセンスが重要になる。
見逃し配信もあり、各種問い合わせにも対応する。
しかも1回分が浅草橋の“やきとん”レベルである。
さぁ~よってらしゃい,みてらっしゃい!
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結果がすべて

2023-03-22 04:10:04 | 薬局
いよいよ運命の時が近づいている。

昨日は朝からテレビにかじり付きだった。
普段はあまり野球など見ない私でさえも興奮させられた。
もちろんWBCである。
その最終試合が日本時間の8時から行われる。
仕事などやっていられないというのが本音である。

WBCだけじゃない。
14時からは薬剤師国家試験の合格発表がある。
これも人生を大きく左右する大事な時を迎える。
合格できた人はいいが、合格に手が届かなかった人にとっては厳しい現実が待っている。

野球の試合には実力の他に運も必要だが、国家試験では運の影響は少ない。
実力が命運を左右する。
6年間の積み重ねが結果として国家試験合格につながる。

この国家資格の持つ意味は何だろうか。
国が国民のために貢献する人への証明書のようなものではないだろうか。
「国民のために」の「ために」は薬剤師となった人が自らの貢献に基づくものだと思う。
言い方は悪いかもしれないが自らの犠牲によって「ために」が成り立つと思う。
資格は取得してからが大事で、より貢献できるように自助努力が求められる。

有資格者としての評価を得るためには何が必要かを考えて欲しい。
医療人としての自覚を持った行動を考えて欲しい。
そして、貢献の仕方にはいろいろあることも見出して欲しい。

などと思いながら今日の結果が気になる。


結果が出た!(14:20)
WBCは見事に“侍ジャパン”が優勝した。

薬剤師国家試験は9,602人が合格した。
合格率は69.0%だった。
出願者が15,334人いて受験者は13,915人だった。
失われた1,419人はなぜ受験しなかったのか。
問題が多い国家試験だ!

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