身勝手なご都合主義に聞こえる。
厚生労働省の人が都内で開かれたセミナーで、今回の0402通知が「思いのほか反響が大きかった」ことに驚くとの発言があったらしい。
0402通知とは薬剤師以外の者による調剤業務の範囲が示されたことである。
思いのほかと言うより、基本的に実態がどうだったのかは別として、薬剤師以外の者が調剤室に入ることをきつく指導する保健所もあったはずだ。
それを今さら、「実は問題なかったんですよ」では済まない。
驚いて当たり前である。
「患者のための薬局ビジョン」から、突然のように飛び出した「対物業務から対人業務」にシフトする方向転換がもたらした苦肉の策じゃないのか。
身勝手なご都合主義に思うのは私だけだろうか。
誰か”物申せ”と言いたい。
さらに、その通知から「俺たちは要らないんだ」と悲観する薬剤師がいるとの発言も、何となく薬剤師として寂しい。
業務には「作業」と「仕事」がある話は何度もしている。
マニュアルがあれば基本的に誰でも出来るのが「作業」で、薬剤師の薬学的知識や経験の積み重ねから醸し出す知恵を使った服薬指導等が「仕事」じゃないか。
やっと本来の「仕事」が出来ると喜んで欲しい。
さらに「ひたすら棚から薬を取りそろえる程度しかやっていない薬剤師は機械やAIに置き換わってしまう」との発言に私もそう思う。
今後、薬剤師に求められるのは「医療人としての責任と覚悟」だそうだ。
おりしも処方箋がないのに薬を渡した事件が発覚したタイミングである。
薬剤師に医療人としての責任と覚悟が突きつけられている。
もしも知っていてやったなら確信犯である。
知らずにやったのなら自覚がない。
そんな状況にさせられた薬剤師もかわいそうだ。
「社員が悪いじゃんないんです」と言える経営者の元で働いているだろうか。
その責任と覚悟がないと周りから信用されないと言い切る。
そして「今変わらないと、これから薬剤師は話題にすら上らない」と絶滅危惧職を匂わす。
確かに私もそう思う。
今こそ薬剤師が薬剤師としての責任と覚悟を示す時じゃないだろうか。
医薬分業に対するバッシングは「いろんな薬物療法をここまでやった、患者のためになった、というのが示されていない」と、いつものエビデンスを示せていないことが原因だと、ここでも出てくる。
薬剤師が職能として、いつになったら国民にとって有益だと言うエビデンスが示せるのだろうか。
いつもながら職能団体としての責任と覚悟が欲しいと思う。
早いもので7月も今日で終わる。
あと4ヶ月もすると…だんだん年金生活が近づいている。