医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

飲めばわかる

2008-09-30 22:14:47 | 薬局
とある高齢者住居の薬は看護師が管理している。
ここの薬のデリバリーを依頼された。
ベンリー薬局では服用時が同じものはフォチキス止めや分包紙に色を付け、間違わないように手間隙かけている。
さらに分包紙に薬剤名も印字してお届けしている。
因みに、色は朝食後が赤、昼食後が黄色、夕食後が緑である。
寝る前は青く分かりやすくしている。
打ち合わせで「我々は看護師なので、その様な手間はかけなくてもいいです」と言われてしまった。
さすが、看護のプロである。
「眠剤とウンチ関係は別にしてください」と指示を受けて、調整するのだと感心する。
当たり前と言えば当たり前ではある。
入所者の状態をきちんと管理していることに感心する。
とりあえず納得のいく打ち合わせを終える。

さて、そこから処方箋が来た。
散剤と錠剤が混じった処方である。
もちろん眠剤とウンチ関係(センノサイド)も入っている。
そこで、散剤と錠剤を別包として、尚且つ眠剤とウンチ関係も分けてお届けした。
ところが、翌日連絡が入る「これじゃ飲ませづらいので、引き取ってください」
あらら!
何が悪かったんだろう?
その日、納めた薬を引き取りに向かうと、先日の看護師とは違う看護師が対応する。
「どのようにしたらいいですか」
「服用時点が同じものは全て一緒にして下さい」
「散剤と錠剤はどうしますか」
「もちろん一緒で構いません」
おい、おい!
話が違うじゃないか。
「眠剤と下剤は別でいいんですね」
「それも一緒で」
調整はどうなった。
眠剤と下剤は寝る前の服用である。
「はい、分かりました」
これでいいのかと思いつつ…でも、仕方ない。
散剤と錠剤が一緒になった分包は飲みづらいだろうな…と思いつつ分包のし直しである。
プロとは、こう言う事なのか?

この人たちは、自分で飲んだことがあるのだろうか。



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日本酒は紙パックにかぎる!

2008-09-28 17:15:19 | 薬局
「効果同じ」ってホント!
こんな書き方をすると、ちょっと疑心暗鬼になりませんか。
28日の日経新聞の医療版でのジェネリックに関する記事のタイトルです。
どんなものでも同じでない限り、いや同じものでも効果は変わると思います。
体を維持する仕組みは微妙です。
精神的な部分も大きいです。
高齢者施設に入所している方に、毎晩頭痛薬として乳糖が出ています。
本人はすこぶる効いているようです。
ひょっとして本物の頭痛薬が投与されると効かないって怒るかもしれません。
高齢者は薬が好きな方が多いです。
いろいろな症状を訴えて薬を出してもらいます。
自己管理をしている方は、集めた薬を自分で調整して飲んでいたりします。
また、中には睡眠導入剤やシップ剤などを人に分けている方もいます。
医療費の1割負担は安いのかもしれません。
まして生活保護を受けている方は無料です。
多少とも負担は必要な気もします。
なぜかと言うと、生活保護の方のほうが薬も多いように感じます。
限りある医療費です。
もっと効率的に使いたいものです。

さて、新聞の記事に戻りますが、どこだかの教授が先発品と後発6種類を24人に服用してもらって比較したそうです。
結果は大きくばらつきがあって、中には7分の1しか吸収されない製品があったとあります。
「特定の製品を批判するのが目的ではない」とコメントしていますが、本当に確かな事実であれば公表するのが道理だと思います。
ジェネリック全体に対する不安を煽るだけのコメントは困ります。
また皮膚科の医師が「後発品で必ず効果が得られるとは限らないが、納得の上で試したい患者には処方する」とあります。
これもいかがなものでしょうか。
ここまで言われて処方してくださいと言える患者は勇気があります。

後発品を薦めるつもりはありません。
しかし、受け入れる必要は大いに感じています。
世の中に、効果があるように見せかけている後発品があるなら、それをどのように退場させるかの議論が大切です。

医療費は毎年1兆円近く増えています。
その要因の一つに医療技術の進歩があります。
高度先進医療などめまぐるしい進歩です。
そこに財源を回せるように、節約できることは努力することも必要です。

医療費の自己負担が全員3割になったら、きっとジェネリックに切り替えて欲しい患者さんが増えるでしょう。
そして、いつの間にかジェネリックが体に合ってブランドが合わなくなる時代が来るかもしれません。

そう言えば、我が家の日本酒はいつの間にか紙パックになっていました。
これも結構いけます。
ビンに入ったお酒よりも飲みやすいかもしれません。


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大至急で!

2008-09-24 19:44:41 | 薬局
「大至急でお願いします!」
申し訳ないと思いつつ、また電話をしてしまう。
処方せんが来ても薬が揃わないことが多い。
門前やマンツーマンの薬局であれば、それなりに用意する薬剤は見えてくる。
我がベンリー薬局の患者さんは、施設の入居者が多いため、大きな変化が無い限り安定している。
しかし、そこに訪問診察している医療機関はバラバラだ。
当然、処方内容も異なってくる。
特に入所者には精神的な疾患を併発した方も多く、聞きなれない薬剤も処方されてくる。
もちろんジェネリックも混在している。
在庫品で切り替えたくても、施設入居者の了解が無ければ出来ない。
こちらの都合では替えられない。
お蔭様でと言うか、ありがたいことに利用者が増えている。
仕方が無く卸さんにお願いとなる。
「大至急でお願いします!」

大至急の原因は、午後からの診察で、今日から服薬したいと要望がある施設がある。
本当に残薬がないのか疑いたくなるが…確認すると必ず今日からとなる。
これにはどうしようもない。
もっと余裕を持って診察しろよ!
もう一つはスタッフの業務上の大至急もある。
高齢者施設の調剤はほとんどが1包化となっている。
そうなると1剤でも不足すると分包が出来ないのである。
整理整頓片づけが好きなスタッフは、ついつい大至急となる。
但し、翌日では間に合わない。
夕方の最終の配達まで待てるか、待てないかの違いである。
それを横で聞きながら、心が痛む私がいる。
元卸の営業マンとして困った得意先に映ることが気になる。
また、長期投薬も困りものである。
貧乏なベンリー薬局では資金繰りの関係で在庫は極力抑え気味である。
定期処方では十分間に合うが、イレギュラーが発生する。
かかりつけ以外の医療機関での受診である。
こうなると在庫が足りない。
90日処方は在庫のほとんどが空になる。
仕方が無いので45日分をお届けして、残りは明日以降となる。
ここまで大至急でお願いは出来ない。

などなど、卸さんには感謝、感謝の日々を送っている。

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振り返り!

2008-09-22 07:54:48 | 薬局
米国視察を終えて!
私が初めてアメリカを訪問したのは22年前でした。
初めての海外に興奮したことを今でも思い出します。
その後も何度か訪問する機会がありました。
訪問目的はアメリカの医療制度の視察です。
その時に確認した情報が、今のDPCの元になったDRG-PPSや病院機能評価制度、介護保険の介護度調査基準(RugⅢ)などです。
医療費の高騰はどこの国でも大きな社会問題です。
全てではないにしても、何かしら日本の制度改正に影響することが予想されます。
今回も、そんな兆しをいくつか見つけたように感じています。
 
今回の視察については大いなる期待を持って臨みました。
一つは信頼度ナンバーワンの薬剤師の存在です。
何をどのようにしているのか。
私が求めている「本物の薬剤師」像がうかがえるチャンスです。
また、薬局に関する制度や仕組みも疑問だらけです。
今までの訪問が医療機関に関するものだけに、薬局に関する知識は希薄です。
メディケアにパートDができる以前の訪問でした。
また民間医療保険会社と団体契約を行っている企業や、貧困者の医療保険であるメディケイドを提供する州と契約して、処方薬の使用状況を分析し適正な評価を行う薬剤給付管理会社(PBM:pharmacy benefit management)なども知りたい仕組みです。
少し専門的になりますが薬局とHMOなどのマネジドケアとの関係も興味があります。

さらに、私が持っている中小企業診断士は、まさに小売業のマーケティングや業態を考える専門の資格です。
ウォルマート、ターゲット、Kマートなどに関する本は数多く読みました。
今回は実際に見ることができ、あらためてアメリカの業態変遷を垣間見た思いです。
その中にあって、薬局の存在が欠かせなくなっているのが注目すべき点です。
日本でも大手スーパーマーケット(GMS)とドラッグストアや調剤薬局との業務提携などが目立ちます。
これも将来を見据えた、したたかな戦略なのかと奥の深さを感じています。

難しい話はこれくらいにして、それにしてもアメリカの食事の量には驚きです。
出されるままに食べると、あんな風になるんだと生活習慣病の戒めにもなりました。
ちょっときつめになったベルトを緩めながら、日本での秋の味覚に日本酒が旨い!
今回も素晴らしい方々とご一緒でき感謝しております。
特に、若手の皆さんからは夢や活力を頂いたように思います。
何人かの方と食事をしながら熱く語った思いは同じだったような気がします。
今回の視察を通じ、あるべき薬剤師の姿や薬局のあり方を考えています。
多少の先輩として、後輩たちに何か残せるような活動をしたいと気持ちも新たに帰ってきました。
皆様に感謝して、ありがとうございます。
                         
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今度、また・・・

2008-09-21 07:04:26 | 薬局
最後の訪問はエレファントファーマシーである。
7年前に1号店を開業しドラッグストアの新業態として注目されている。
現在4店舗の展開であり、7年間の展開としてはなかなか厳しい感じもする。
ターゲットは高所得者であり、ウォールグリーンとの差別化を図っている。
一般的なドラッグストアの処方箋による売上げが60%前後であるが、エレファントファーマシーでは50%程度となっており、その他のオーガニック、ナチュラル商品のウエイトが残りの部分である。
西洋医学と東洋医学をコンビネーションさせた提案と、ナチュラル嗜好を追求したコンセプトの店作りである。
アメリカではビタミンやサプリメントを使用する方が多く、その使用方法や併用なども無料でコンサルテーションが行われている。
店奥は漢方薬が数多く陳列され、専門家による調合も行われている。
ここでは、東洋医学や漢方薬についての説明が専門家(ライセンスを有した)によって無料で行われている。
西洋医療と東洋医療の提案が出来ることが他との差別化にもなっている。
これも店舗に対する顧客作りの一環のようだ。
また、その横にはファーマシーが併設されている。
薬局では小児が服用しやすいように味なども調整している。
店内の商品は全てナチュラルまたはオーガニックの原料からなる製品となっており、一部オーガニック食品なども陳列されている。
例えば、化粧品などは動物性の脂を使用しないなど徹底した品質選定となっている。
また、店内には10坪ほどの多目的ルームが設けられ、情報や教養など83のコースが行われている。
病気に対する情報やその治療法の選択、自然療法、ヨガ、小児に対する健康マッサージなど全て無料となっている。
また、地域の方が行う環境などのセミナーにも開放している。
このスケジュールは店舗から広報する他に、ウェブサイトやメールなどによって行われる。
1企画には15名程度集まり、3万人程度が登録されている。

お国は違えど、同じような事が日本でも伺える。
この訪問を最後に、今回のアメリカ視察は終了する。

何となくアメリカの薬局やドラッグストアの様子が感じられたでしょうか。
写真なども貼り付けたいと思いつつ、操作方法を理解していなくて申し訳なく思います。
今度とまたには、なかなかお目にかかれませんが、次回という事でご容赦願います。
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アメリカ式の調剤薬局

2008-09-20 04:57:38 | 薬局
ウォールグリーンにはドラッグストアタイプと処方箋を専門に受ける調剤薬局タイプがある。
一般的にドラッグストアと呼ばれる業態の処方箋に締める売上比率は51~68%だそうだ。
訪問した調剤薬局タイプには1日150枚ほどの処方箋が来ている。
薬剤師は1名で、なかなかキュートな日系人の女性である。
彼女の写真をこっそり撮ったのだが、いまいち思う様に写ってはいなかった。
ちょっと残念である。
その他はテクニシャンと呼ばれるスタッフとなっている。
我々が訪問したのは日曜日である。
365日の稼動しているようだ。
彼女の話によるとインフルエンザワクチンの接種も$25でやっているそうだ。
薬剤師には一部の注射も許されている。
6年制の薬剤師は、これくらい出来る様になるのではないかと思う。
ここはもちろんドライブスルーとなっている。
ウォールグリーンの立地として角地は欠かせないようである。
店舗が目立つのもあるがドライブスルーも必須のようだ。

次に、ライトエイドと呼ばれるドラッグストアを視察する。
ここには「15分間クリニック」と呼ばれるクリニックがが併設されている。
併設と言うより大きなスーパーマーケットの店内に共存している。
診察時間が15分間がウリだそうだ。
これが早いか遅いかは分からないが、時間が予測できるのはありがたい。
日本では、今年から外来管理加算に5分間ルールが導入された。
また、俗に3時間待って3分診療とも言う。
それに比べると15分ははるかに長い。
15分も何をやっているのか興味がわく。

アメリカにはネイバーフット型(近隣郊外)のショッピングセンターが数多くある。
そして、必ずと言っていいほどドラッグストアがあり、スーパーマーケット内にも処方箋を扱う薬局が入っている。
アメリカのショッピングセンターはイオンに似た感じを受けた。
全てではないと思うが、横に長い軍艦のような形態である。
ここでもイオンが薬の販売や処方箋を扱う訳が少し見えたような気がする。
気のせいかもしれないが…

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一週間分が105円に!

2008-09-19 08:06:11 | 薬局
世界最大のGMSであるウォールマートをご存知か?
郊外の道路脇に日本と同じようにショッピングセンターがある。
その中心をなすのがウォールマートである。
今回はウォルマートの見学から始まる。
巨大スーパーマーケットの中は奥が霞むような広さである。
品揃えは何でもありで、スーパーマーケットとホームセンター、ドラッグストアが合体したような業態である。
そんな中にも処方箋を受け付けるコーナーはある。
今年5月から調剤事業を揺るがす出来事がウォルマートから発せられた。
それは1ヶ月分(30日)の薬剤(1品)を$4で行うと言うものである。
そのリストはA4用紙4枚ほどあり、何種類かは$9になっているが、大半が$4である。
もちろんジェネリックだ。
さらに90日分だとさらにディスカウントされて$10になってしまう。
これによって他の業態も右に倣えとなったようだ。
因みに、かの有名なウォールグリーンでは1週間分が$1になっている。
結果として同じであるが、凄まじい競争である。
そうまでしても処方箋の獲得は魅力があるのだと痛感した。
イオンやセブン&アイがドラッグストアや調剤薬局に触手を伸ばしているのは、日本もアメリカのように処方箋がマグネット(客寄せ)となる事を予想してのことであろうか。
来年から始まるリスク分類による医薬品販売の次は、処方箋の獲得競争とならない事を願っている。

さてさて、こちらのスーパーマーケットを見学していて面白いことに気が付いた。
それは魚売り場がないことである。
まったく無い所もあるが、あっても小コーナー程度である。
入口に入って、先ずは日本と同様に果物・野菜となる。
その次が肉のコーナーとなるのである。
それからハムやソーセージ、ベーコンなどへとつながる。
また、冷凍食品の多さも日本とは比べものにならない。
日本との食生活、食文化の違いを実感する。
因みに、ソーセージなどの次はミルクである。
それも3~5リットルはありそうなボトルである。
それを買い求める女性たちもボトルに負けず劣らずご立派!

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何でも届ける卸さん

2008-09-18 08:18:01 | 薬局
こちらの高齢者もそれなりに薬剤の量は多い。
平均すると5種類程度になる。
それでもわが国に比べると少ない方かもしれない。
ベンリー薬局に来る処方せんに内服だけで13種類の方がいた。
こうなると何が効いているのか、どんな副作用が起きるのか不明である。
この5種類がそれぞれ異なる同じようなケースに入れて渡される。
こちらには一包化なるサービスはない。
13種類もあると、どのケースまで飲んだか分からなくなる。

薬が多い原因は、診療体制が症状に対処する(薬を投与)スタイルにある思う。
これは出来高制度の一つの弊害でもある。
海外では治療方針・指針がある程度決まっているようだ。
それがICD-11 などの疾病区分となる。
これに基づいて治療がすすめられている。
…らしい。
日本の場合、症状に薬が出るので気がつくと多くなっている。
…かもしれない。

さて、ジェネリックの注文は主に卸からとなっている。
これが驚きであるが、卸側で勝手にオーダーとは異なるジェネリックを届けることも多々あるようだ。
したがって、きちんと銘柄を指定しないと面倒なことになる。
さらに、色が異なることも珍しくないようだ。
なんとアバウトなお国柄である。
もちろん急配もできるそうだ。
但し、地元の比較的小さな卸によるサービスとなっている。

薬歴は処方箋内容を記載して保存する程度となっている。
特に、患者情報や服薬状況などは必要としていない。
5年間保存が義務付けられている。
また、処方内容は保険会社に電子データとして管理されているため、他の薬局で薬をもらったなどの情報は確認することができる。
但し、保険会社が多いため管理は簡単ではないようだ。

以上が、今回の視察で断片的であるが、アメリカにおける調剤薬局の現状を垣間見た報告である。
本当に垣間見た一部であることを強調したい。
アメリカには保険会社やその制度によってバラバラだからである。
日本は楽です。
面倒なのは生保や自立支援、労災などの一部ですから。


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世界の常識!

2008-09-17 04:51:42 | 薬局
アメリカでの調剤は処方箋に基づきバラ包装の小分けスタイルが主流となっている。
小分けの容器は、カメラのフィルム(こんなのがあったって覚えていますか?)が入っていた入れ物の大きさで、押しながら回すとふたが取れる仕組みになっている。
これは子供がいたずらして誤飲しない工夫だそうだ。
その手数料はディスペンス・フィーと言って$4程度になっている。
いわゆる調剤料に相当する。
もちろん調剤基本料も服用歴管理指導料も付かない。
これは公的保険のメディケア(65歳以上の高齢者医療保険)、メディケイド(貧困者医療保険)の場合で、民間保険ではもっと安価となる。
処方箋による収益は薬の販売価格による差益となる。
一般的にはAWP(アベレージ・ホールセラー・プライス)を基準に販売している。
しかし、最近ではメディケアにおけるパートDの価格AMP(アベレージ・マニファクチャ・プライス)に変わりつつあり、これはAWPよりかなり安価となっている。
この薬の価格は大きな変化の中で変わりつつある。
それは、また後ほど。

メールオーダーについて聞いてみる。
処方箋を送ってもらい調剤をして薬を送る仕組みである。
ここはかなりグレーゾーンだそうだ。
ご存知のようにアメリカでは慢性疾患についてリフィール処方箋が一般的である。
リフィール処方箋は、そこに記載されている内容が1回分として処方される。
その他にリフィールの欄に回数を書き込むころがあり、そこに回数を記載する。
例えば5と記載すると、処方箋本来の分と残りの回数の合計回数が処方可能回数となる。
従って、この場合は6回分となる。
さて、メールオーダーだがリフィール処方箋を受け取った場合、本人の希望があろうとなかろうと、全回数分の薬剤が届けられることがある。
既に、本人が亡くなっていても継続されて薬が届けられる。
グレーゾーンと言うのは、そこら辺の管理が曖昧だと言うことらしい。
保険会社とのトラブルも多いようだ。

ヨーロッパもアメリカも日本のように調剤技術料はない。
服用歴管理指導料のなるものもない。
世界の常識は日本の非常識と言うが、世の中少しずつ常識に近づくようになっている。


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私はいくら?

2008-09-16 08:25:57 | 薬局
オーバーザカウンター(OTC)の他にビハインザカウンター(BTC)なるものがあるらしい。
それは説明を要さないOTCのようだ。
と思ったが、どうもそうでもないようである。
結局、理解できていない。
タイミングが合わず、直接確認できなかったのが残念である。
取りあえず、この薬剤が増える傾向にある。
以前は妊娠して72時間以内に飲む避妊薬には、医師の処方箋が必要であったが、18歳以上は必要がなくなった。
もちろん17歳以下には医師の処方箋が必要となっている。
これもビハインザカウンターになった薬剤だそうだ。
この他に消化器系のタガメット、ザンタック、オメプラールなどは一般の棚に並んでいる。
ご存知のように一般の棚とはシャンプー、リンスが並んでいるような棚のことである。
さすがに循環器用剤、糖尿病薬、高脂血症などは未だに処方薬として残っている。
日本で言えばスイッチOTCと言ったところだろうか。
この部分が増えている。
これも来年のリスク分類を占うポイントになりそうだ。
既に、生活習慣病薬はスイッチしてもいいのでは…の議論が出ている。
これらがOTCとして販売されるのは良いが、アメリカのようにBTCだと薬剤師の出番はなくなる。
お客さんが自分の判断で勝手にレジへとなる。

薬剤師の資格は2年ごとの更新制となっている。
これは医師にも当てはまる。
単位制になっており一定の単位の取得が必要となる。
単位は講義に参加するまたは雑誌などのテストに応えることで取得できる。
日本でも薬剤師会でそんなことをやっていることを思い出す。
ありがたいことに、日本には更新制がないので、私の免許も生き延びている。
またアメリカは訴訟社会である。
眠気を生じる薬剤で患者が事故を起こした場合、説明不足で薬剤師は罰せられる。
処方薬について、薬剤師の責任は重い。

薬剤師不足はアメリカでも同じで、時給約$60にもなっている。
また新人もベテランも給与に格差が少なく、これも問題になっている。
経験が重視されないため女性の職業として、産休空けなどのブランクがあっても高給で迎えられる。
したがって、薬学生は女性に人気である。

資格の価値は年齢差や経験ではなくなっているようだ。
自分も年とともに価値がなくなる年齢になったことを感じた。
私のお値段はいくらでしょうか?
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