骨が太くなると放心する…?
と、バカな出だしから入ってしまった。
25日に経済財政諮問会議が開催され、そこに「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2021」の案が示されている。
案なので見出しの部分だけだしかない。
関係する部分では「団塊の世代の後期高齢者入りを見据えた基盤強化・全世代型社会保障改革」がある。
2022年から3年間は75歳以上の高齢者が急増する。
それを今さら「見据えた基盤強化」とは見え据えたうそのようだ。
基盤強化は既に始まっている。
今回は何と言ってもコロナ感染対策が絡んでくるので本質が見えづらい。
そこで参考になるのが財務省の諮問会議である財政制度等審議会になる。
薬局にとって調剤報酬改定は大いに気になる部分だが、それにも勝るのが薬価改定である。
何といっても調剤医療費の8割を占めている。
基本的に今年から薬価は毎年改定になる。
その理由は「市場実勢価格が下落しているにもかかわらず、保険からの償還価格が据え置かれれば、患者負担、保険料負担、公費負担がいたずらに高止まりする」としている。
価格交渉があだになっている。
当初の薬価中間改定は乖離幅の大きい品目に限るような話だったが、今回は途中からもっと幅広く、社会保障費の調整分の引き下げとなったようだ。
結果として若干気を使ったようだが改定対象品目は7割に収まった。
これでは物足りないと財務省はクレームしている。
求めているのは「完全実施を早期に実現すべき」と厳しい。
因みに、このブログで何度も言っているが、薬価の引き下げの影響は基本的に薬局だけである。
従って、医療機関は建前上の反対姿勢を示すが、裏では薬価の引き下げた財源を自分たちに引き込むことを狙っている。
さらに、現在の調整幅2%を根拠がなく約20年間も据え置きだとしている。
調整幅とは市場実勢価格に上乗せしている部分で、いわゆる下駄をはかせてもらっている。
ここが小さくなるとより薬価が引き下がる。
過去の乖離率はここ数年ほぼ8%である。
この8%に調整幅に2%が上乗せされて6%の薬価引き下げとなる。
もし調整幅がなくなると乖離率の8%そのままの引き下げとなる。
他にも医薬品の保険給付範囲の見直しも出ている。
これは何度も登場するので、そろそろ現実味を帯びてくる時期かもしれない。
1つはOTC類似薬の保険給付から外す。
実際には外されたわけではないが栄養補給目的のビタミン剤、うがい薬、70枚超えの湿布剤などがある。
候補に上がっているのは花粉症治療薬、保湿剤がある。
花粉症治療薬は2019年8月に健康保険組合連合会から出された「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究Ⅳ 」の中に「花粉症治療薬の保険適用範囲の見直しにより、全国推計では年間最大約600億円の薬剤費削減効果が見込まれる」と提言されている。
もう1つは「薬剤の種類に応じた患者負担の設定」がある。
現状のすべてが1割から3割負担を、薬剤によっては5割負担や全額負担もあり得るとなる。
これらの仕組みは既にある「保険外併用療養費制度」を少し改定するだけで可能である。
関係ないと思うかもしれないが、そんなことが水面下でうごめいている。
水面から出だすと動きは早い。