ありの一穴は規制緩和で広がる一決になる。
知らない内に、知らないことが増えていく。
昨年5月18日に規制改革実施計画に基づいて「へき地等において特例的に医師が常駐しないオンライン診療のための診療所の開設について」の課長通知が出されている。
「医療資源が限られており、受診機会が十分に確保されない場合等のへき地等において、特例的に、医師が常駐しないオンライン診療のための診療所の開設を認める」としている。
あくまでも「へき地等」となっているが、これに機を見たのか総務省が動き出している。
総務省と言うと郵便局である。
昨今の郵便事業の停滞から総務省としては何らかの生き残り策を考える必要がある。
2020年度末の全国の郵便局数は2万4,311局あり、その内訳をみると、直営の郵便局(分室及び閉鎖中の郵便局を含む)が2万148局、簡易郵便局(閉鎖中の簡易郵便局を含む)が4,163局となっている。
そこで新たな生き残り策として考え出されているのが郵便局のオンライン診療所化である。
すでに石川県七尾市で実証実験が始まっている。
クリニックに事前予約をし、郵便局に健康保険証を提出する。
あらかじめ設置された受診専用室に入りオンライン診療が受けられる。
オンラインの操作などは郵便局員が支援する。
薬はクリニックから患者に“ゆうパック”として届けられる。
他にはクリニックが薬局にFAXで処方内容を送付して、オンライン服薬指導が行われる。
薬は“ゆうパック”で自宅に届く仕組みもある。
今後は電子処方箋になると、より便利性が高まる。
本来はへき地等医療への対応であるが、郵便局が動き出すと、他の民間企業もオンライン診療が可能になる可能性が高い。
まだ認められてはいないが規制改革実施計画にはデイサービスなどにも認める動きがある。
全国のデイサービス事業者数は2022年時点で約2万5千軒ある。
高齢者を抱える家族にとっての通院介助はかなりの負担になっている。
それがデイサービスに行ったついでに受診が出来て、尚且つ薬まで持って帰って来るのはありがたいサービスになる。
郵便局でのオンライン診療が緩和されるとプライマリーな治療が可能となる。
しかも科目も専門医の受診が出来る。
俺も、俺もと新規参入が始まるかもしれない。
患者の受診の在り方が変わりつつある。
薬局も処方箋の受け方や届け方も変わる。