医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

石の上にも3年

2024-09-04 04:40:00 | 薬局
伸び悩み、行き詰まりでもこだわり続ける意味は何か。

厚生労働省は8月29日に7月末までの認定薬局数を公表した。
地域連携薬局がついに前月から27軒減の4,300軒となった。
「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」において、厚生労働省は目標軒数を1万軒から1万5千軒と発言していたように思う。
それが2021年8月からスタートしてちょうど3年が経過している。
その結果が4,300軒で、どうやら先が見えてきた。
この数も厚生労働省はかなり大手調剤チェーンなどに圧力をかけているはずだ。
それでも増えない。
大手調剤チェーンを代表しているかと思われる「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」のメンバーは調剤報酬にこだわる。
発言の都度、検討会メンバーからは嘲笑されているようにも見える。
報酬が付かないとやらないのかと言われそうだ。

今回の減少について、1年ごとの更新の際に要件を満たせなかった薬局が脱落したのではないかとしている。
その要件の中で人員的部分が厳しいようだ。
中でも「継続して1年以上常勤として勤務している薬剤師が半数以上」がある。
継続して1年以上の確保はなかなか難しい。
さらに「地域包括ケアシステムに関する研修を修了した常勤薬剤師が半数以上」としている。
こうなるとギブアップもわかるような気がする。
なぜにここまでハードルを上げるのか。

地域連携薬局の主な機能は入退院時や在宅医療への対応時に他医療提供施設と連携して対応できることにある。
それは個々人の薬剤師が担うのではなく、薬局が担う組織対応じゃないだろうか。
どうも薬局には個別の薬剤師にこだわっているように思う。
地域連携薬局にも関わると思うが、調剤報酬の「かかりつけ薬剤師指導料」も薬局勤務実績が3年以上とか当該薬局での勤務が1年以上、週32時間以上の勤務などあるが無意味だと思う。
いつもその薬剤師がいるわけではない。
患者の情報は薬歴でつながっている。
その薬歴を作成して保管しているのが薬局である。
であるなら薬局が「かかりつけ薬局」でいいじゃないか。
と、前々から思っているが現場の皆さんからの声はない。

何はともあれ厚生労働省は毎月微々たる増え方ではあるが地域連携薬局は公表していた。
今回のように減少傾向になると公表しなくなるかもしれない。
それは健康サポート薬局のように見捨てるかも。

恥をかかない内に認定薬局制度の認定要件を見直して、それなりの数合わせが急がれそうだ。
忘れていたが専門医療機関連携薬局は先月より1件増えて201軒となった。
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私が教えます!

2024-09-03 04:26:33 | 薬局
知らないんだから教えないと出来っこない。

中規模の会社から管理職研修の依頼がある。
管理薬剤師が管理職になるのかどうかは疑問だが、店舗を任せている以上は管理してもらわないと困る。
薬局内で起きたことは基本的に管理薬剤師の責が問われる。
では、なぜ管理が出来ないのかと言うと、管理される組織で管理を学んでこなかったからではないだろうか。

1日に200枚も300枚も、それ以上も扱う薬局は多くはない。
ただ、それくらいの業務量が多いと、それ相応の管理が機能しないと組織は動かない。
せいぜいが100~150枚程度でも大きい方だ。
たいていは50~80枚程度かもしれない。
50~80枚の薬局の薬剤師は3~4人で事務職が3人程度じゃないだろうか。
合わせても6~7人程度になる。
これくらいの人数だと全員に目が届く範囲になる。
ここに管理がどれだけ必要かと言うと、それほどでもないような気がする。
要は、多くの薬剤師が小さな薬局で管理をきちんと学んでこなかったと思われる。
薬剤師は目の前の業務をこなすことが求められてきた。
管理など出来なくても当然かもしれない。

私は「報連相研修」をやっている。
その時に管理とは何かも伝えてきた。
管理者研修の大事なことは聞いて覚えるものではない。
自分の頭で考えて自分なりのやり方をひねり出すことが大事になる。
そのために、管理者研修は講習やセミナーなどでは意味がない。
グループディスカッションなどで仲間と話し合い、気づき、自分を振り返ることが大切になる。
ただ、グループディスカッションになると時間を要する。
少なくとも半日は必要…いや、まる1日は欲しいところだ。
グループでのディスカッションの後は発表があり、それに対するコメントが必要になる。

ところが、薬局の経営者は社員への配慮からなのか遠慮なのか時間外の研修を嫌う。
もちろん忙しい現場があるので業務中は抜け出せない。
だからと言って休みの日に集めるのは不満が出る。
普通の企業なら当たり前の研修が出来ない。
出来ないのか、やらないのかどちらでもいいが、機会を与えずに管理が出来ないと嘆くのはやめよう。
管理が出来ないのは経営者の思いっきり次第じゃないだろうか。
“やればできる”はずだ。

変化の激しい時代を迎えている。
管理者への管理教育が会社を支える。
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そんな予算はよさんか!

2024-09-02 04:11:58 | 薬局
たかが一穴と侮っていると穴取られることになる。

28日に厚生労働省からの2025年度の予算概算要求が出された。
薬局・薬剤師関係では、厳しいと言いながらも前年より3億9,300万円の上乗せの7億8,700万円が提示された。

その1番に新規として2億100万円の「電子処方箋の更なる全国的な普及拡大」がある。
いかに力が入っているかが分かる。
こんなのは予算がどうこうの問題じゃないと思うけど仕方がない。
次に「電子版お薬手帳の活用推進」であるが前年の半分の700万円の減額になっている。
そろそろ電子お薬手帳の時代ではなさそうな気がする。
オンライン資格確認と電子処方箋が解決してくれる。

3つ目に「薬局機能の高度化推進」がある。
ここで気になるのが「対物業務の効率化のための鑑査支援装置の活用等について調査・検討を行う」の部分である。
ここには1,900万円の増額で6,500万円が示されている。
あるメディアでは調剤業務の一部外部委託に関する調査も実施するとある。
その調査の中に遠隔による調剤監査の是非も検討するようだ。
調剤業務の一部外部委託では監査が問題になっていた。
最終監査が処方箋応需薬局でやるためには調剤済みを戻さなければならない。
それが遠隔調剤監査でもいいとなると、物流の手間とコストが省ける。
厚生労働省もやる気満々だ。

調剤センターみたいな薬局で処方箋情報を受けて、機械化された調剤機器によって出来上がった調剤済みを遠隔調剤監査で完了とし、直接調剤センターから配送させる。
こんな仕組みになると処方箋受けるだけの薬局が増えそうだ。
何となくドラッグストアに有利に感じてしまう。
ポイントも付く!

慢性疾患の薬は緊急性がない。
後から自宅に届くに越したことはない。
そのためにはローコスト化が必須となる。
ラストワンマイルの集約化も大切になる。

大学病院や地域医療支援病院などの面に広がりやすい処方箋は最も狙われると思う。
”アリの一穴“は広がりやすい。
より患者にとっての利便性を訴えると国民は賛同してくれる。
でも、それでいいのだろうか。
錠剤などの刻印などは遠隔で見分けられるのか。
一包化の錠剤数は遠隔で判別できるのか。

先日もある大手で調剤過誤が明るみに出た。
調剤した薬剤師と管理薬剤師の責任が問われている。
外部委託では責任はだれが問われるのか。

もっと慎重であって欲しい気がする。
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恐怖のQR

2024-09-01 04:04:20 | 薬局
時代について行けない自分を思い知らされる。 

先日、浅草橋で家内と一緒に飲みに出た。
浅草橋には気の利いた店が少ない。
ちょっといいなぁと思う店は何度も行くので飽きている。
今回は趣向を変えて焼き肉にしようと決めた。

部屋から近い店に入った。
席について店の人が「ご注文はこちらから」とQRコードを示された。
家内と私をお互いに顔を見合う。
やったことがない。
何時もは一緒の誰かが注文してくれる。
仕方がないから私が注文した。

テーブルにはおしぼりと焼き肉のたれが運ばれてきた。
炭火のしちりんも用意された。
そして待つ。
いつまで経っても”とりあえずビール“が届かない。
しばらくして外国人の店員に「注文は飛んでなかったでしょうか」と聞いてみた。
カウンターの奥に入って行き、戻って来て「注文は入っていません」と返事があった。
あらら!

QRコードが使えない。
思わず席を立って「ごめんなさい、また来ます」と逃げるように店を出た。
ドアを閉める時に、小さな声で「二度と来ない」とつぶやいていた。
どうしようもない迷惑おやじだとささやかに反省している。

それから浅草橋のガード下を徘徊する。
同じ体験はしたくない恐怖にかられる。
次に入った焼き肉屋が同じようなQRコードからの注文だったら…。
何となくQRコードがなさそうな店をやっと探した。
テーブルについて注文を出すまでドキドキする。
「生ビール2つお願いします」の注文に「生中2つ」の声が聞こえた。
あぁ~良かった。

土曜日はドラッグストアショーに行ってきた。
参加入場にはQRコードからの登録が必要だと入り口で止められた。
仕方がないのでスマホで挑戦するがなかなか思うように記入できない。
やっとの思いで入口に行くとプリントアウトがないとダメと言われる。
始めから言えよとイラ!
プリントの窓口が6番と言われ会場の端まで行く。
そこでプリントをお願いしますと言うと「名刺2枚でいいです」と、ナニコレ!
はっきり言って3回ほど帰ろうかと思ったが、一緒の人に”我慢、我慢”と押しとどめられた。
中に入ると何かとSNSへと登録だとか、ここでもQRコードが出てきた。
対応できず!

何となく今の時代には生きていけないむなしさを感じた。
思わず、もう札幌に帰ろうかなぁ・・・。
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