医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

個人から建物へ

2018-05-31 05:15:04 | 薬局
手探りが続く。

4月から始まった「地域支援体制加算」であるが、「調剤基本料1」の場合、ほとんど従前の「基準調剤加算」と要件は変わらない。
追加になった部分は「疑義照会により処方変更がなされた結果、患者の健康被害や医師の意図した薬効が得られないことを防止するに至ったプレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無」が追加になった。
さらに「副作用報告に係る手順書を作成し、報告を実施する体制を有していること」が求められる。
もう1つは、特定の保険医療機関に係る処方箋の集中率85%を超える場合にあって、後発医薬品の使用割合が50%を超える必要がある。
集中率と後発医薬品の使用割合はある面での仕方なさがある。

初めの副作用報告やプレアボイド事例で現場は何となく混乱気味だ。
何か出さないと、せっかくの「地域支援体制加算」がなくなるともがいている。
もがいた結果、とりあえず、なんちゃって副作用報告などが続々と報告されているそうだ。
受ける側のPMDAでは急に増えだした報告書の整理に大慌て。
しかも内容が薄い。
かなりPMDAがご立腹だそうだ。
同様の現象は日本病院機能評価機構にも起きうる。

こうなることは予想できたような気がする。
個々の薬局が直接ではなく、地元の薬剤師会などが受付けて内容の精査をしてから報告にしないと、これからも混乱は続く。
本番はこれからだから。

5月29日に厚生労働省から「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」が出された。
これは薬局内で勉強会の資料として活用できそうだ。
ここにはポリファーマシーの定義から説明がある。
この運用は薬剤師が関与することでかなりいい結果が出そうだ。
それをやるのが“かかりつけ薬剤師”なのかもしれない。

この指針を見ていて現状の「かかりつけ薬剤師制度」の矛盾を感じる。
先ず、薬剤師が特定されているので、当該薬剤師に当たるかどうかである。
在宅に出かけていると患者が来局しても「ごめんなさい」となる。
しかもかかりつけ薬剤師でなければ患者負担が少なく済む。
何だか矛盾している。
今、経済財政諮問会議では高齢者の1割または2割負担を引き上げる方向にある。
そうなると「かかりつけ薬剤師指導料」はかなり面倒になる。
逆に、かかりつけ薬剤師以外の薬剤師から服薬指導を受けた場合には自己負担の上乗せも検討されている。
そこで問題になるのが、かかりつけ薬剤師の要件そのものだ。
本当に3年以上の薬局経験は必要か?
その店舗での勤務実績が1年以上は必要か?

今回の「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」などは学生の段階でしっかり学んで来ると、あえて3年以上や1年以上の実績や経験は要らないんじゃないだろうか。
そして、いつも思う“かかりつけは薬剤師”じゃなくて“かかりつけ薬局”じゃないのかにたどり着く。

今日から札幌に戻る。
まだ涼しいんだろうなぁ~。
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いい感じ

2018-05-30 05:15:34 | 薬局
勝機はあるのか。

小さな薬局の売り物件が電話で来る。
何とも胡散臭い感じがする。
あまり詳しい情報はない。
買うかどうかを迷う若手経営者が多い。

残念ながら、かつての様に処方箋枚数が100枚前後出る医療機関などない。
あったとしても既に大手調剤チェーンが場所を押さえている。
そうなると、これからのビジネスモデルはどうなるのか。

売り物件には売るだけの要因がある。
儲かる、やり易い物件は売りには出ない。
処方元の医師がかなりの高齢で、いつどうなるのかわからない。
後継者はいそうだが地元には帰ってこない。
M&Aを手がける業者から言わせると60歳を過ぎた処方元の評価はゼロだそうだ。
いつどうなるかわからない。
資産の評価だけでの売買になるらしい。
にもかかわらず売る側は「今、何枚の処方箋が出ているんだから」と値を釣り上げようとする。
結局、売れ残る。

手放す理由には薬剤師の確保が難しい地域もある。
募集しても来ない所には来ないものだ。
いつ辞めるのかと気を揉むのは精神衛生上悪い。

調剤報酬の行方も見えづらい。
どうも国は中小薬局に優しい様に見えるが切り捨ても感じられる。
中小薬局を守る組織団体が脆弱化しているかの様に感じる。
制度疲労が起きている。
これ以上の継続は難しい。
今までのビジネスモデルから抜け出さないと、厳しい時代がすぐそこまで来ている。

ある地域で居宅介護支援事業所を薬局の人と回ってみた。
「薬の勉強会をしませんか」との営業活動である。
今回の介護報酬改定でケアマネジャーはヘルパーなどから利用者の状態などの情報を、医師や薬剤師に報告することが義務付けられている。
それに伴う勉強会である。
反応は上々でいい感触を得た。
目的は自薬局の近くにいる在宅服薬指導を必要とする利用者の発掘にある。
たくさんを求めているのではない。
1人の薬剤師が1人の在宅経験ができる利用者がいればいい。
今、研修やセミナーで1人の薬剤師が1人の在宅を担当することをお勧めしている。
そして、定期的に薬局内か社内で事例発表会を行う。
どの様な工夫で、どんな効果があったのか。
服薬指導だけでなく療養生活への提案などを、お互いの経験を共有できるのはいい勉強になる。

こんな活動から個人宅への在宅実績を積んでいく。
その結果、これから求められる「地域支援体制加算」などのベースが大事なんじゃないだろうか。
焦って店舗の数を増やすより、今ある薬局の質を高める。

話がずれちゃった。

先週の水曜日から大阪、広島、福岡、宮崎、鹿児島と出張が続いた。
今日は東京に戻る。
でも、明日からは札幌に飛ぶ。
洗濯物の山だ。




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疲労感

2018-05-29 06:18:34 | 薬局
このままでは勝てないかも。

薬剤師が薬剤師らしく仕事を行うためには、少なくとも薬局の経営が上手くいっていることが前提にある。
これはあくまでも薬局の薬剤師に限りだ。
ところが全国にある薬局の46.6%が一人薬剤師である現状から、一人薬剤師は世の中の変化をどこから収集できるのだろうか。
先日、ご紹介した介護事業者の倒産要因の1番は変化に対する準備不足だった。
まさに時代の変化を読む必要性を感じる。
では、その変化は誰が教えてくれるのか。
あくまでも自己責任で済ませられるのか。
その変化を知らせるのが業界団体じゃないだろうか。

日本保険薬局協会では定期的に地方でもブロック会を開催している。
そこに招かれる講師は厚生労働省の調剤報酬に深く関わった役人である。
正直なところ当社が呼んでも「民間のセミナー等には講演出来ません」と断られる。
日本保険薬局協会は公的な組織なのか、団体なのか。
日本チェーンドラッグストア協会でもお役人は講師として登壇している。
彼らは公務員だからもちろん講師料など取らない。
でも、当社との差は何なんだろうか。
見えざる何かが動いている。

そのブロック会での懇親会も盛大だ。
何と言ってもお金がある組織の団体がおもてなしをする。
そこでの接待役はもちろん大手企業のお偉さんが担当となる。
ここで人間関係を作るための懇親会だ。
ある面では研修会と称した手の良い関係作り、連携かもしれない。
こういう関係が次の変化を先取りできるきっかけになる。
公式な講演では言えないが懇親会では裏話もありだ。

同じ様に研修などを行うが、どうでもいい薬の勉強が主体となる組織もある。
正直なところ薬の勉強などプロ薬剤師には必要ない。
プロは自己研鑽が当たり前だ。
そのプロの技を発揮するために安泰した薬局経営が欠かせない。
日本薬剤師会が薬局経営に関する研修などやるのだろうか。
時代から取り残された骨董品になり下がってはいないだろうか。
常に新品であり、常に新製品でなければ潰れてしまう。

大手の団体は何か組織を上手に使って生き残りの策を模索している。
集まれば自分の事情を話し、政策の批判ばかりする組織など要らない。
時代錯誤だ。

新しい組織の編成も旧態依然の方が住み心地がいいとしたら、この変化の時代にとろ残されるだけだ。
人事刷新は変化への対応じゃなだろうか。
旧態依然を良しとする組織全体に組織疲労を感じる。
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奈良の乱

2018-05-28 06:21:35 | 薬局
1点が10円とは限らない。

高騰する医療費抑制策として、財務省がまとめた中長期的な社会保障改革案を今月の10日に出している。
それによると「地域別診療報酬」の全国的な導入を進めるとしている。
要は、現状の診療報酬の1点を全国一律10円から、地域の医療供給状況に応じて引き下げると言うものである。
既に、介護報酬では導入されており、地域によって人件費などの違いから8区分に分かれている。
東京などは最も高く1単位が11.40円であり、最低でも10円は確保されている。
今回は上げる方向にはなく下げる方向になる。

2008年4月1日に従来の老人保健法を改正し高齢者医療確保法が成立している。
この中に都道府県が医療費適正化計画の目標達成のために、特例として「地域別診療報酬の設定」が認められている。
この制度を活用して奈良県が積極的な採用を検討しだした。
もちろん医師会は猛反対である。

都道府県には医療費に対する目標が課せられている。
それが達成できない場合は何がしかの地方交付金が削減される。
奈良県では医療費の目標が上振れするようなら保険料を上げるか、診療報酬を下げるしか方法はないとしている。
確かに、稼ぎを上げるか節約しかない。
これは大いなる挑戦である。
もし成功すると各都道府県に波紋は広がる。

もちろん1点が10円以下になると医療費的には下がると思われる。
しかし、医療機関の経営はどうなるのだろうか。
病院はかなりのダメージを受ける。
24時間の救命救急などの体制が確保できるのだろうか。
最新の機器などの設備投資もままならない。
患者にとっては負担が減るので歓迎かもしれない。
早くも医師会は反対の姿勢で動き出している。

話は飛ぶが医療費適正化計画には後発医薬品の使用促進も盛り込まれている。
当然のことだが後発医薬品の使用が少ない医療機関には何らかの指導も入る。

さて、今回の”奈良の乱“はどの様な決着が待っているのだろうか。
事と次第によっては薬局も大きく影響を受ける。
何と言っても調剤報酬の1点が10円以下になる。
その割にはあまり騒いでいないのが薬剤師会のように感じる。
あまりに鈍感すぎる
動いているなら"見える化"があるはずだが、現場は何も知らない。

もし奈良県の乱が上手くいくと次は健保組合に飛び火する。
いつまでも1点が10円などあり得ない。
そんな現実を想定して欲しい。

昨日から鹿児島に移動している。
今が一番過ごしやすい季節かもしれない。
ただちょっとへが降っているのが…らしい。

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想像不能

2018-05-27 06:04:20 | 薬局
この国の行く末はどうなるのか。

今問題になっている2025年問題は通過点でしかない。
本番は2042年にあるらしい。
私は86歳を迎えているかもしれない。
もちろん迎えていない確率の方が高い。

2042年は国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、高齢者人口が3,878万人でピークを迎える。
これに対し、勤労世代である20~64歳は2025年に比べて1,345万人も少ない5,214万人だそうだ。
日本の人口は1億613.1万人に減少し、高齢者比率は36.1%になっている。
街を歩いて出会う人のほとんどが65歳以上じゃないだろうか。
どう考えても社会保障制度は維持できない。
年金も医療も介護も、そして高齢者が半分も占める生活保護も破綻する。

お金だけじゃない。
この国の産業はどうなっているだろうか。
高齢者には転勤などない。
転勤がないと、それに伴う家具や白物家電などが売れなくなる。
もちろん高齢者が新築の家など建てない。
食事も多くは要らない。
お酒も一気飲みはしないだろう。
全ての消費が落ち込んで景気は底なしの不景気に落ち込むかもしれない。

それだけじゃない。
日本の主な産業は医療と介護に集中するかもしれない。
ある地方の県庁所在地では仕事が公務員と医療・介護関係しかなくなっているそうだ。
ところが医療も介護も働き手がいない。

さらに時は過ぎて2053年には日本の人口は1億人を切り、9,924万人になる。
その時の高齢者人口は3766.5万人となり38%を占める。
さすがに私が生きていたら97歳である。
死んでいてよかった。

もうそろそろ本気で考えないと大変なことになりそうだ。
カケだのモリだのやっている場合じゃない。
政治が空転している。
それにしても政治家も高級官僚も見え見えのウソのような発言はいかがなものか。
子どもたちは見ている。
真実を暴露すると思われる人は拘留して外に出さない。
拘留されたのは昨年の7月31日だった。
あまりにも長過ぎる。
そしてついに出てきた。
この国はそんな国だったんだろうか。

この国の行くえが気になるが、気にしても仕方がないと知らんふり。

昨日は宮崎だった。
3時間の研修の後は懇親会である。
懇親会から参加の会長の神対応が素晴らしい。
70歳前後だと思うが全員に声かけし、場を盛り上げていた。
フットワークの軽いこと。
私も若い女性に囲まれついつい飲みすぎちゃった。

ふとオヤジを感じさせる。

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安心感の流れを作る

2018-05-26 06:16:36 | 薬局
安心じゃないだろうか。

「かかりつけ薬剤師指導料」の算定に二の足を踏む薬剤師が多い。
なぜだろうか。
”かかりつけ薬剤師”とは何をしてくれるのかを説明して、「要らない」と言われたら「そうですか」で終わる話じゃないか。
よくあるのは「今までと同じサービスをして患者負担だけ増えるのには抵抗がある」などと言い訳をするが、私に言わせると、単に自信がないのと面倒だからやらないんじゃないかと思う。

自信がないのは患者から何か聞かれた時の知識不足もあるかもしれない。
患者は予想もつかない突拍子もないことに疑問を持つものだ。
さらに、患者が本当に聞きたい”治る服薬指導“にも自信がないかもしれない。
例にいつも出すが「塩分控えめの具体的な方法」や「カロリー控えめのカロリーって?」などを、医療に素人の患者に分かりやすく説明できるだろうか。
セミナーではいろいろな薬剤師に尋ねるが分かりやすく答えた人は少ない。

面倒なのは薬歴に何を書いたらいいのか分からない。
服薬指導に時間がかかる。
24時間などとんでもない。
って感じじゃないだろうか。
でも、どうだろうか。
面倒なことだから価値がある。
ただ薬を渡すだけなら薬剤師でなくても出来そうだ。
薬剤師はパチンコの景品交換所の人ではない。

私的には「かかりつけ薬剤師指導料」は薬剤師の職能発揮だと考えている。
社会に認められるチャンスじゃないか。
今は、「薬を渡す人」とか「薬を調合する人」と思われていないだろうか。
本当は「薬のことは何でも相談できる頼もしい人」のはずだ。

先々週の土曜・日曜日と研修を行ってきた。
その会社から研修参加者からのアンケートが送られてきた。
あえてダメ出しの内容を省いてくれたのか、やりがいを感じさせる感想が並んでいた。
ご紹介したいが「うそ臭い」と言われると腹が立つのでやめておく。
ちょっとしたことでやる気になるものだ。

服薬指導時に「かかりつけ薬剤師指導料」について説明に時間が取られるなんて言い訳も聞きたくない。
「かかりつけ薬剤師指導料」に関する説明は薬剤師でなきゃダメとはどこにも書いていない。
処方箋を受け付けた段階で、事務職が必要性を説明しればいい。
必要性を感じてくれた患者のお薬手帳に「興味あり」の印として付箋を貼る。
薬剤師は投薬カウンターで付箋を見つけたら「先ほど説明があったと思いますが…」となり、「ここにあるようなことで困ったことはありませんか」と、新しいフォーマットの≪かかりつけ薬剤師に希望すること≫を探る。
それを≪薬学的観点から必要と判断した理由≫に結び付けると同意書は出来上がる。
「それでは私がかかりつけ薬剤師として対応させていただきます」で完了。

どうかな?
患者は安心だと思うけど。

水曜日からいつもの「薬局経営研究会」があり、大阪、広島、博多と移動してきた。
参加者の皆さんは積極的で色々な質問が出てくる。
ここに参加している人は大丈夫と根拠のない安心感を感じている。

安心感、安心感!
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英語も使えます

2018-05-25 05:32:19 | 薬局
いないのではなく探していない。

先週は第101回HSEセミナーがあった。
その中で介護事業を行う経営者から薬局に向けたメッセージがある。
在宅の患者はたくさんいる。
そこに気付いていないだけである。
何と言っても、ここ20~30年は75歳以上の高齢者が増え続ける。
いつも言っているが健康寿命は75歳を超えていない。
厚生労働省によると、平成28年の男性の健康寿命は72.14歳で、平均寿命の80.98歳と8.84年の差がある。
女性は健康寿命(74.79歳)と平均寿命(87.14歳)の差は12.35年もある。
政府は平均寿命との差を縮小させたい考えである。
身近に在宅がある。

個人宅へのアプローチは何と言ってもケアマネジャーがいる居宅介護支援事業所である。
ただし、地域包括ケアセンターにもケアマネジャーはいるが、ここは軽度の介護者への対応がほとんどで在宅の需要は限りなく少ない。
さらに医療度が高い在宅療養には訪問看護ステーションがある。
ただ、ここは訪問看護の時間稼ぎで服薬管理まで行うことがある。
薬剤師のやる服薬管理は「私たちがやります」となることが多い。
逆に、薬剤師がバイタルを取るようになってライバル視すらしている傾向がある。
お互いに”餅は餅屋”の棲み分けが大事かもしれない。

さて、居宅介護支援事業所へのアプローチであるが、今までも何度も書いているので省く。
実は最も有効な方法がある。
それは要介護認定者の紹介である。
既に、要介護認定者には専任のケアマネジャーが付いている。
これを覆すと敵になる。
新しい認定候補者を紹介するのだ。
先ほどの介護事業者から言わせると「薬局は既に持っている」だそうだ。
処方箋を持ってくる患者が要介護者候補になると言う。
本人は気づいていないが療養生活に不安や不便を感じていないだろうか。
何と言っても健康寿命は75歳を超えてはいない。
処方箋を持参する“患者”から、介護保険を利用する”利用者”として見方を変えてみてはどうだろうか。
押しつけではない。
困っていることへの提案だ。

その他にも“ヤクルトさん“も高齢者宅への訪問が多い。
ここも大事な情報源となる。
但し、紹介料を取られる可能性もある。
さらに地域の民生委員も有力な情報ツールになる。
毎月100人からの高齢者宅を訪問するらしい。

要は、何事も“give and take”である。

今日は給与日じゃないか。
しかも"Premium Friday"じゃないか!





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うなぎのぼるな

2018-05-24 05:45:41 | 薬局
知らない内に重い負担。

厚生労働省が21日に2018~20年の65歳以上の介護保険料が平均で月5,869円になると発表した。
介護保険が始まった当初は月2,911円だった。
それに比べると何と2倍になった。
介護保険料は自治体ごとに3年に1度見直しをしている。
最も低いのは北海道の音威子府村で3,000円である。
その理由は村内に介護施設がなく施設サービスの給付がないからだそうだ。
良いのか悪いのか何とも言えない。
逆に最も負担が重いのは福島県の葛尾(かつらお)村で9,800円である。
こちらは東日本大震災の影響で、単身で暮らす高齢者を中心に介護サービスの需要が高まったそうだ。
農村地区の年金は基礎年金が主体で月に7万円前後じゃないだろうか。
そこからの9,800円の負担は重い。
東京電力の原発被害は形を変えて地域住民に襲いかかっている。

介護給付費は2016年に9兆6,924億円になっている。
これが2025年には21兆円に膨らみ、介護保険料も平均で8,200円程度になると予想されている。
介護給付費が2倍以上になるのに介護保険料の整合性がない。
この予想はうそ臭い。
そして、この負担に見合うだけの年金は期待できない。

ご存知のように介護保険には65歳以上の第1号被保険者と、40歳から64歳までの第2号被保険者に区分されている。
財源の半分は税金などで賄われており、残りの半分が保険料となる。
第1号被保険者の保険料は介護給付費全体の20%ほどを占めている。
それを各自治体の介護サービスの需給状況から割り出されている。
従って、介護サービスの需要が多い地域では保険料負担も多くなる。

ここで忘れてはいけないのが第2号被保険者の保険料である。
第1号被保険者の保険料負担が約20%なら残りの約30%は第2号被保険者で賄うことになる。
65歳以上の保険料の上昇は同じく40歳から64歳までの負担につながる。
介護サービスなどほとんど利用しないのに将来のために。
ただ、将来に回すほどの余裕がないので常に自転車操業となっている。

その第2号被保険者の介護保険料であるが人数から収入連動に変わっている。
保険料の割当額は加入する第2号被保険者の人数(加入者割)で決めていたが、第2号被保険者の収入の総額(総報酬割)に負担を変えていくことになった。
これを「総報酬制」と言う。
「総報酬制」は昨年8月から実施されており、収入が多い社員がいる大会社への負担を大きくしている。
保険者ごとに給与と賞与の合計から割合を計算して保険料が決まる。

どちらにしても知らない内に給与から引かれる保険料はうなぎ上りである。
何となく給与から引くと分からないが、消費税のように自覚できると反対する。
騙されてるような気もしないでもない。

そう言えば今年のうなぎはどうなる?

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早くも22年先

2018-05-23 05:24:05 | 薬局
既に2040年が始まっている。

2020年の診療報酬及び薬価への影響が大きい経済財政諮問会議で、厚生労働省から2040年の社会保障給付費の推計が出された。
ここで注意が必要だが社会保障費と社会保障給付費は異なる。
一般的に社会保障費とは国の歳出を表し国庫の事になる。
社会保障給付費とは国からのお金(税金等)と国民の保険料などから実際に支払われるお金である。
この中に自己負担分は含まれない。
その社会保障給付費が2018年度予算では121.3兆円もある。
ところが2040年の推計では1.6倍の188.2~190兆円に膨れ上がる。
これを誰が支えるのか。
社会保障給付費の約6割が保険料で賄われ、4割が税金などの国庫からの支出となっている。
また、2018年度の社会保障関係予算では年金が35.4%、医療が35.2%、介護が9.4%、少子化対策で6.5%、生活扶助を含めた社会福祉費等が13.5%となっている。
因みに、年金も医療も介護も生活扶助も高齢者の増加にパラレル(並行)である。

前回の推計は2012年に民主党政権時代に出されている。
その大きな前提は「団塊の世代」が全員75歳以上になる2025年までであった。
それを踏まえて、消費増税10%を掲げたがあえなく失脚した。
でも、10%でも足りないくらい国の財政はひっ迫している。
それなのに2度も引き伸ばした現政権の功罪は大きい。

今回の推計では「団塊ジュニア」(7971~74年生)が高齢者入りをし、最も高齢化率が高い35.3%を予測している。
この時の高齢者数は3,921万人で、働く人口(15~64歳)は6,978万人になる。
単純に6,978を3,921で割ると働き手が1.78人で高齢者1人を支えることになる。
私は「お世話になります」(84歳)でお願いします。

2040年には2018年度の年金が1.3倍、医療費は1.7倍、介護費は2.4倍になる。
ここで年金の増加が少ない事に気が付いて欲しい。
老後生活は自分で守るしかない。
先ほどの「お世話になります」は撤回だ。

これらの対策は給付を減らすか保険料を上げるしかない。
何と言っても社会保障給付費を使う人口は増え続ける。
保険料を上げると国民の生活が厳しくなり消費が冷え込む。
消費が冷え込むと税金が減ってしまう。
いたしかゆしである。
では、給付を減らすとどうなるのか。
給付を減らすと言うより自己負担が増えることになる。
こちらは医療や介護難民が増えて社会問題になる。
さらに社会保障費で賄われる医療費が大幅に削減される。
高額で有効は薬剤や新しい医療技術の保険適用が大きな問題になる。
何かを削るしか策はない。
何を削るのかは”医療への貢献度”ではないだろうか。

今、薬局・薬剤師の求められているのは”医療への貢献度”の「見せる化」かもしれない。 
経済財政諮問会議は「骨太の方針」を6月に出し、2040年に向けた新たな方向性が示される。

既に牽制球が飛んでいる。
受け止められるかな?




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過大が課題だ

2018-05-22 06:12:34 | 薬局
その話題には触れたくない。

4月から新薬価になり、その影響はどうなっているのか考えているだろうか。
何人かの経営者に自薬局の新旧薬価の平均ダウン率はいくらかと聞いてみるが、明確に答えられる人が少ない。
新旧の置き換えが行われていない。
今回の報酬改定で最も大きな影響が出るのが薬価の引き下げにある。
それを知らずして経営が成り立つほど甘くはない。

さらに価格交渉に使う資料も出来ていない。
今回は1月23日に出された「医療用医薬品の流通改善に向けた流通関係者が遵守すべきガイドライン」に基づき価格交渉が行われる。
その適用は本年4月1日からとなっている。
薬局の関係者に医薬品卸から何か説明等があったかどうかを確認するが特に何もないとのことだ。
医薬品卸にとっては命取りになりかねない価格交渉であるが、会社本体としては各MSを通じてガイドラインの徹底と得意先への啓蒙を指示しているはずだが…。
ところが現場では奥歯にモノが挟まった言い回しで、本来の趣旨など伝わっていない。

そのガイドラインには、価格交渉において「医薬品の価値を無視した過大な値引き交渉は、個々の医薬品の価値を反映した銘柄別の薬価収載を行う現行の薬価制度とは相容れない行為である」として戒めている。
この「過大な値引き交渉」とはいくらまでの事なのかが疑問として浮上する。
少なくとも中小薬局は「過大な値引き交渉」を行っていないような気がする。
いくらまでなら良くて、いくら以上なら過大になるのかはっきり明示して欲しい。
また、「安定供給や卸の経営に影響を及ぼすような流通コストを全く考慮しない値引き交渉を慎むこと」と書かれているが医薬品卸は赤字ではない。
「経営に及ぼす影響」にまでなっているのだろうか。

もちろん返品などは禁止でも仕方がない。
なぜなら、一度開封したものや一部抜き取った製品までも返品するかなり悪質な得意先もある。
医薬品卸の返品による廃棄は億単位で生じている。
さらに医薬品卸の負担が大きい「至急配達」の有料化もやればいい。
どこかが始めると、全てが追随するはずなのに”猫の首に鈴を”付ける勇気がない。

これらのガイドラインに抵触すると厚生労働省が相談窓口を設けてウエブサイトに公表するらしい。
公表するのはいいが「過大な値引き交渉」がいくらかを示してくれないと目安が立たない。
いっそのこと薬価から調整幅の2%プラス消費税分の値引で買えと言えばいい。
要は公定価格だ。
そうなると大手調剤チェーンも中小薬局も同じ条件になる。
格差が問題だ。
その格差が経営を支えている。
いろいろな面で格差が収益に貢献して中医協でも問題になっているのではないだろうか。

中小薬局で成り立つ団体はガイドラインのその点を突いて欲しいものだ。


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