医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

話のタネ

2021-02-28 04:17:49 | 薬局

飯のタネはもっと大事にしなきゃ。

 

当社には調剤報酬に関するいろいろな問い合わせが来る。

その問い合わせから算定に関する認識も深まる。

深まるのは当社である。

ただ残念ながら当社が直接算定するわけではない。

直接的な飯のタネではない。

飯のタネにしているのは薬局だということを、もっと真剣に受け止めた方がいいんじゃないのかな。

因みに、当社は厚生局でも支払いサイドでもない。

あくまでも現地の担当官の判断による。

「これでいいでしょうか」「これは算定できますか」との問い合わせには困る。

 

その判断基準であるが基本的に算定要件は文章で示されている。

その範囲内にしかない。

要件を満たしているかどうかの判断基準は、薬剤師の薬学的知見に委ねられている。

もし個別指導などの対象になったとしても、その算定判断は要件が満たされているかどうかの何物でもない。

大事なことは文章になっている算定基準を、どのように理解し、判断したかにかかっている。

自信をもって「私は、この算定要件(文章)から算定可能と判断しました」と言い切ることだ。

 

その算定要件であるが在宅服薬管理を行っていると介護保険の「居宅療養管理指導費」の算定もある。

先日の問い合わせは、介護認定を受けている利用者にもかかわらず調剤報酬の「在宅患者訪問薬剤管理指導料」で請求したら返還になったって話があった。

この問題の最低限の認識違いは、介護保険が優先するってことにある。

逆に考えると介護認定を受けていない患者には調剤報酬で請求する。

介護認定を受けている利用者には介護報酬での請求となる。

 

この問題は数年前に厚生労働省から注意が出ていた。

かなり多いようだ。

間違ったとはいえ調剤報酬には当てはまらない請求なので「不当請求」と表現されていた。

その時にまぎらわしいのが在宅服薬指導を始めた段階では、介護認定を受けていなかったが、途中から認定を受けた場合である。

これを踏まえて、本来なら調剤報酬には必要ない「重要事項の説明」「契約書」を患者からあらかじめもらうとの指導があった。

これを行うことで途中からの介護認定でも報酬の請求もスムーズに行える。

 

先ほどの介護認定を受けているにもかかわらず調剤報酬で請求し返還を求められたとしても、返還分は医療保険へ行い、再度介護報酬で請求が可能となる。

利用者への在宅服薬管理の事実は無くならない。

 

さらに介護認定者の担当ケアマネジャーが、ケアプランに入れてくれないのでどうしたらいいのかとの質問もあった。

ここも「居宅療養管理指導費」の必要の是非は医師が決めることでケアマネジャーの判断ではない。

さらに「居宅療養管理指導費」はケアプランの「支給限度額」の枠外となっている。

ケアマネジャーは薬局が関与していることを知る必要はあるが算定要件ではない。

飯のタネはもっと真剣に理解が必要だ。

 

昨日は雪が降ったりやんだり。

雪がやんだ時に雪かきをしたので4回くらいしたのかな。

神様の恵みに感謝する。

そして、この筋肉痛は我が身の成果である。

 

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三方良し

2021-02-27 04:40:54 | 薬局

必要なのは定例化された会議にある。

 

ガバナンス強化には指示、命令を現場に徹底させることが大事になる。

徹底させるには監督も必要になる。

監督と言うとちょっと違和感があるが法律的にはそうなるようだ。

本部からの指示、命令が現場で実践されているかどうかの検証が監督に相当すると思う。

指示、命令は本部から出される。

本部のトップは社長である。

そこで社長は出来るだけ定期的に現場への輪店が必要になる。

ただ現場において、本部からの指示、命令にそぐわない場合は、前日の「運営会議」で担当部長に自らの確認を促す。

社長が現場で指摘することはしない。

これは先日の「薬局経営の知恵袋」でお話しした組織の「人モデル」のルールに従う。

こんなことから本部から現場へのメッセージを伝える。

 

もう1つ大事なのが現場からの報告である。

業務上の数量的な報告もある。

人の手配やシフトの問題もある。

人間関係のごちゃごちゃなどの特に困った問題も上がってくる。

それらは先ほどの「運営会議」に上げってきて議題になる。

これらにも「あなたならどうする」で「よしやれ」となる。

現場のことは現場に近い責任者の考えに任せる。

 

コンプライアンス上だと、あってはいけないが付け替えでの調整や薬歴の未記載などもある。

その他にも薬の盗難や金銭の持ち出しにも気を配る必要がある。

さらに調剤過誤を隠す、自分で知らないうちに対処する。

なども大きな問題につながる。

大事なことは隠さない文化を作ることにある。

 

そこで現場での情報を引き出す仕組みが大事になる。

特に調剤過誤などは隠す文化をなくすことから始めなくてはいけない。

残念ながら過誤を起こしてしまった場合は、速やかに上司に報告する。

その際に上司は、まず「ありがとう」と受けるようにした。

なぜ「ありがとう」かと言うと、隠さない気持ちに対して、敬意をもっての「ありがとう」である。

隠すことによる、後々の対応を考えると「ありがとう」となる。

そして、個人を責めるのではなく、早急な最善の対処こそが大事になる。

 

2回にわたって概略を書いてきたが指示、命令そして監督するために欠かせないのが「定例化した打ち合わせ会議」となる。

へたくそな文章では伝わりづらいと思う。

 

今は便利な時代になった。

オンラインによるコミュニケーションが可能である。

この仕組みを最大限に活用する必要がある。

さらに、コンプライアンスを維持するには研修も欠かせない。

何が良くて、何がダメなのか。

なぜそれをやる必要があるのか。

患者は何を求めているのか。

自分たちには競合があり、そことの戦い方はどうしたらいいのか。

井に中の蛙にならないために、広く世間を知る必要もある。

それが研修である。

 

利益を税金で持っていかれるも良し。

強い企業体質を作るための「定例化した打ち合わせ会議」システムを構築するも良し。

社員が一丸となって同じ価値観を持てるように研修をするも良し。

 

昨日の札幌は吹雪だった。

今は雪もおさまっている。

外では3時過ぎから除雪車が入ってうず高く積まれた雪山を作っていった。

30cmは積もったのかな。

明るくなり始めたころに自宅周辺の雪かきをしよう。

これも神様が運動不足を補うために与えてくれた恵だと感謝する。

 

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忘れちゃいけない

2021-02-26 04:40:30 | 薬局

8月は認定薬局制度だけじゃない。

 

医薬品医療機器等法(薬機法)の改正による8月からの一部施行は、「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」の認定薬局制度だけではない。

企業におけるガバナンスの強化も大きな変革が求められる。

ここも忘れてはいけない。

そして、この機会に規模の大小にかかわらず、自社のコンプライアンスにおけるガバナンスの在り方を見直す必要がある。

 

などと書くと難しいような気がするが、要は事業の継続を考えた運営方法を見直すことが必要となる。

39日の「薬局経営の知恵袋」は、ガバナンスの強化から”笛吹けば踊る組織を作る”をテーマに考えている。

 

先ずは「コンプライアンス」って何だ?

「服薬コンプライアンス」って言葉がある。

こちらは処方箋通り(指示通り)薬を服用するといった意味のようだ。

一般的に「コンプライアンス」は「法令順守」と訳されている。

そこで「ガバナンス」とは、コンプライアンス違反に相当する行為や事件を発生させないために、規則や倫理を作って内部管理体制を整えることとなる。

一般的には「企業統治」などと言われている。

 

最近の話では小林化工のようにコンプライアンス違反があっても、だれも止めない、だれも気にならないでは困る。

企業ぐるみでと言うか社長の承認の下で平然と不当行為が行われていた。

116日の業務停止は軽い処置だと感じている。

”ならぬものはならぬものです“と凛とした対応ができる体制が必要になる。

薬剤師が扱う薬は人の命にかかわっている。

 

薬機法の中で薬局開設者には法令順守に対して、それぞれの役職の権限の明確化や指示・命令及び監督などを行うことが求められている。

さらに業務を監督するための必要な情報収集、処置なども掲げられている。

他にもいろいろあるが混乱するのでここまでにする。

そこで問題は指示・命令がきちんと遂行されているのかを監督するために何をするのか。

現場からの情報収集があって処置がある。

情報収集はどうするのか。

ここが大事じゃないかと考えている。

 

結論は「定例化した打ち合わせ会議」の有無にあると思う。

「定例化した打ち合わせ会議」をやっているだろうか。

 

私が社長だった時は毎週月曜日に「運営会議」を行っていた。

メンバーは管理部門(専務担当)、調剤事業部長、在宅事業部長、そして私の4人である。

1週間の現場の状況や問題、課題を各部署から報告を受ける。

問題、課題にはその場で対応策を決める。

先伸ばしには意味がない。

その決め方の基本は、責任者に「あなたならどうする」と答えを問う。

それがいいと思えば「よしやれ」となり、ちょっと疑問がある時は、決して否定はしないが、自分が納得いかない部分を質問に代えて聞く。

その質問のやり取りからやるべき方法が深まる。

そこで「よしやれ」となる。

「よしやれ」と言ったからには全責任は社長の私にある

 

ごめんなさい。

紙面の関係でここまでとなった。

ここからがいいとこなんだが…。

 

今日はこれから札幌に帰る。

地下鉄に待ったはない。

 

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偉いはなし

2021-02-25 04:11:45 | 薬局

支える力が足りない。

 

厚生労働省は22日に人口動態統計速報を発表した。

それによると2020年の出生数は前年比2.9%減の872,683人だそうだ。

これは5年連続の減少で過去最高となった。

コロナ禍で出産を控えたとの話もあるが、出産までに十月十日かかると言われている。

新型コロナウイルスの感染拡大が大きな問題となり始めたのは昨年の2月ころからである。

となると、その影響の本番は今年になるような気がする。

 

その大きな要因として婚姻数も大幅に減少している。

前年に比べて537,583組で12.7%減らしい。

ここはさすがに新型コロナウイルスの影響がもろかぶりだ。

結婚式が出来ないのはかわいそうな気がする。

 

さて、そこで問題は先ほど触れた今年の出生数がどうなるのか。

さらに、今後の出生数は増えるのかにある。

かなり難しい気がする。

そして昨年生まれた子供たちが20歳になるのは2040年である。

2040年は団塊ジュニア世代(197174年生)が65歳に突入するタイミングになる。

団塊ジュニアは毎年210万人前後の出生数を誇る。

この猛威が4年間続く。

 

これだけではない。

私も含めて75歳以上の人口は2040年に2,239万人もお残りになっていらっしゃる。(敬語)

中でも85歳以上は1,024万人もご健在ときた。

この人口に団塊ジュニアの65歳以上は含まれていない。

 

60歳まで、まったく何も体調の変化などなかった私だったが、還暦を迎えたとたんに高血圧が見つかった。

何となく慢性的に頭痛がしていたので、いつもの二日酔いかと思っていた。

何気なくクリニックにあった血圧計で測ると上が150mmHgをはるかに超えていた。

まさにサイレントキラーである。

さらに、今はまさかの夜間頻尿に悩まされている。

ノコギリヤシが欲しい年になったようだ。

 

ちょっと古いが2017年度の75歳以上の年間平均医療費は92.1万円で、65歳以下は18.7万円となっている。

これを支えられるだろうか。

 

2020年の国内医療用医薬品の薬局市場は36,467億円(前年2.5%ダウン)となっている。

その薬局市場は35.2%で意外に少ない。

最も大きな市場は病院で45.4%を占めている。

製品的には「キイトルーダ」「オプジーボ」「アバスチン」などの抗がん剤が上位を占めている。

何となく2018年の財政制度等審議会に出された「新たな財政健全化計画等に関する建議」にある「大きなリスクは共助、小さなリスクは自助」を思い出した。

命に係わる医療はますます高額になり保険の出番が増える。

あまり命を奪うほどでもない医療はセルフメディケーションで対応させると言っている。

既に、国の政策は2040年に向けて動き出している。

 

知らなかったが橋本オリパラ組織委員会会長は6人も子供がいたようだ。

これそこ表彰ものだ。

もっと凄いのは橋下徹弁護士だ。

7人もいた。

安心して”産めよ増やせよ“の世の中にしないと国が持たない。

 

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見えると邪魔になる

2021-02-24 04:15:16 | 薬局

何だか自己満足かもしれないが自己満足にしたる。

 

ある会社の幹部研修を行った。

参加者はエリアマネジャー(EM)が〇人と代表を含む取締役〇人の合計〇人である。

テーマは「地域連携薬局から何を考えるべきか」とした。

時間は3時間費やした。

会場は広めで、ソーシャルディスタンスの確保の中で、ディスカッションが出来る状態で行った。

もちろんマスクは必須である。

東京からは当社社長もZoomにて参加している。

 

この研修を始める前に参加者には事前課題をお願いしていた。

専用の様式に記載して、全員で共有できる様にコピーで配布とする。

 

「薬機法改正に伴う『地域連携薬局』に関する担当店舗について考えを聞かせてください」として、施設基準及び人員基準の現状を確認した。

次に「地域連携薬局」として求められている実績の現状とそれを確保する方策を聞く。

さらに毎年更新が必要になるためにEMとして、どのような運営上の問題や課題があるのかを問う。

上記が事前課題で、研修参加に必要な最低限の予備知識を携えての参加である。

 

はじめの1時間弱は、東京からZoomにて認定薬局制度に関する基礎知識の講義形式となる。

事前課題から認識のずれなどは、ここで修正を図る。

次は、私が進行役となりEMを中心に具体的な内容の質問に移る。

構造設備では高齢者や障害者に対する各店舗の現状や、どこまでの対応が必要かなど幅広い。

厚生労働省のこれから出てくるQ&Aに、問題意識を持ってもらいと考えたやり取りとなる。

人員基準での常勤体制や健康サポート薬局研修の修了者の配置など、EMが担当する店舗を想定しながら問題や課題が飛び出す。

それに応えながら、どんな準備が必要かをEMの中から導き出す。

ここで大事なことは本部の取締役は静観しながら、本部としての現場への支援を考えてもらう。

こんなやり取りを約1時間続けた。

 

休憩をはさんでまとめに入る。

浮き上がってきた問題や課題に対して現場での対応と本部からの支援を分ける。

ここがごちゃ混ぜになると成果が出ないことが多い。

さらに、話し合いから出てきた発展的な意見を育てる。

もっとEM同士の話し合いの場を持とう。

今回参加の〇人専用の報連相ツールであるライン上のドロップボックスを作る。

本部会議の定例化を図る。

今はZoomが活用できるので移動時間の節約も可能となる。

 

この話し合いではEMと本部との報連相が出来ていないことも発覚する。

にわかに私から「報告とは」と確認を促す。

 

ここまではかなり私的には満足な内容だったと思う。

問題は、これからがどうなるかである。

せっかくいい意見が出ても、それを生かせるかどうかはトップにかかっている。

EMの気持ちに応えるように経営者も努力が必要になる。

経営者は大地に伸びる木の根である。

根は見えないものだ。

そして経営者はアンサングがちょうどいい。

 

終わった後の食事は超豪華で久方ぶりの満足感にひたる。

 

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卒業させない、出来ない

2021-02-23 04:40:05 | 薬局

薬剤師国家試験が終わった!

 

20日、21日と薬剤師国家試験が終わった。

どんな結果が出たのか気になる。

そして、昨年710日から始まった「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」は薬剤師に何を求めているのかも気になる。

今までの議事録がホームページ上に掲載されている。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12285.html

確認しておく必要はある。

とは思うが良くは書かれていないので避けてもいい。

 

因みに、私もブログにURLの添付が出来るようになった。

そんなことと思うことなかれ。

これだけでも年金間近な私には大きな成長である。(余談)

 

その検討会でも大きな問題となっているのがストレート合格率の低さである。

最も低いのは16.9%となっている。

ありえない数字だ。

2020年度の国家試験の結果では私立大57学部ある中で50%以下が20校にも及ぶ。

ストレート合格率の低い大学の入学時におけるハードルは低く、偏差値も当然のこととして低い傾向にある。

入れるだけ入れてお金だけもらって自己責任となる。

これでいいのだろうか。

大学の責任は問われなくていいのか。

大学の運営のために子供たちが犠牲になっているような気がする。

 

当社に関係する学生は昨年の段階で国家試験浪人となっていた。

浪人というより、その前段階の卒業延期だ。

さらに今年も国家試験を受験するに至らない卒業延期になった。

既にストレートから8年が経過している。

卒業延期だからさらなる1年が必要になるのか。

彼に残された道は何だろうか。

因みに、彼が積み重ねた奨学金の借金が1,200万円もあるそうだ。

このままだと高卒のままで働かざるを得なくなる。

しかも高卒新規よりも扱いに困る26歳である。

さらなる国家試験への挑戦になるか。

 

私の知り合いの会社に国家試験5回目にして合格した薬剤師がいる。

よくやったとしか言えない。

そんな苦節薬剤師もいなくはない。

しかし現実は厳しく、薬剤師の需給環境は大きく変化している。

東京都や大阪府などの都心部では初任給の引き下げは顕著となっている。

1,200万円の奨学金の返済は厳しいのが現実である。

 

路頭に迷う子供たちを作る結果にだけはしたくない。

大人の責任じゃないだろうか。

 

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零売師

2021-02-22 05:45:04 | 薬局

ちょっと「時を戻そう」と思う。

 

215日のブログに内閣府が行った「薬局利用に関する世論調査」について書いた。

紙面の関係から割愛したがちょっと気になることがあるので追記したい。

まず驚いたのは健康サポート薬局について「よく知っていた」と答えた者の割合が1.5%、「言葉だけは知っていた」と答えた者の割合が6.5%、「知らなかった」と答えた者の割合が91.4%となっている現実である。

初めに見た時は1.5%が15%に見えた。

が、よく見ると点が付いている。

201610月から本格的に始まっている。

4年以上が経過しているにもかかわらず認知されていないも同然の1.5%である。

このわずかな1.5%の「よく知っている」人に健康サポート薬局に相談したことがあるかと聞くと62.1%がないと答えている。

健康サポート薬局に対しあまり認識のない人に相談するかどうかを聞くと、やはり6割がしないそうだ。

なぜそうなったのか。

たまたま健康サポート薬局として取り上げているが、一般的な薬局に対しても同様な結果が出るのではないだろうか。

 

これは私の勝手な分析だが、薬局が地域の人にちょっとした健康相談などを受ける体制がなく、気が付かないうちに身近な存在ではなくなったことに原因があるように思う。

その大きな要因は「処方箋以外の医療用医薬品」から手を引いたことに起因するのではないだろうか。

「ちょっと熱が出た」、「少し腰が痛い」、「何となくだるい」、「朝から頭が痛い」、「胃の調子が悪くむかむかする」などに薬局は対処してくれるだろうか。

薬局に行っても「処方箋がないと薬は出せません」となるのではないか。

または「知り合いの医療機関を紹介します」と親身な相談など避けていないだろうか。

地域の人はそんな答えなど要らない。

「ちょっと様子見に、このお薬をお試しください」が欲しい。

そこに「処方箋以外の医療用医薬品」の存在が光る。

 

そんなジレンマをいつも感じていた。

売っていいのか、ダメなのかである。

この「処方箋以外の医薬品」の扱いについては何度も書いている。

そんな矢先に「日本零売薬局協会」が立ち上がっていた。

積極的に「処方箋以外の医療用医薬品」の販売を促した挑戦をしている。

その関係でJRの駅中に零売を前面に押し出した薬局が出来た。

全国的には何軒かが「処方箋以外の医療用医薬品」の零売を行っている薬局がある。

面白い挑戦だとして21日の「アリとハチ」としてブログにも紹介している。

 

薬局が身近な存在ではなくなった大きな要因として零売を捨てたことにあるように思う。

薬局には処方箋がないと入れない雰囲気を薬局自らが作ってしまった。

待合室から見える調剤室内には薬がたくさんある。

ところが売り物じゃない。

まさに”近くて遠い存在”にしてしまった。

 

ただし零売だけでビジネスが成り立つかどうかには疑問がある。

ただ、これからの「地域連携薬局」には軽度の医療を支える零売のあり方は大事じゃないかと思う。

医者は怖い存在かもしれない。

だからアリの一穴がハチの一刺しになることに期待する。

 

因みに、処方箋医薬品等の取扱いについて」と厚生労働省医薬食品局長通知が出ている。

ご参考に! 

https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/ippanyou/pdf/sankou_03.pdf

 

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くもの手

2021-02-21 05:44:36 | 薬局

自分が埋もれそうになった時、手を差し伸べてくれる人がいますか。

 

私は50歳の時に長年勤めた会社を辞めた。

長年と言っても28年間だ。

そして独立した。

はじめの3年ほどは札幌で腕試しをするが世の中は甘くはない。

いろいろ挑戦したがどれも損ばかりで悩める日々が続いた。

そんな時に何人かの人が声をかけてくれた。

私には何の鎧も武器ない。

ただの人なのに。

 

54歳の時に単身で東京に出てくる。

当てなどない。

昔で言うところの”一旗揚げる”つもりだ。

小さいころから親父に言われ続けた「何でもいいから日本一になれ」を心に刻んで。

右も左も方向音痴の私は必死に動いた。

動くことが生きている証だった。

そんな時に声をかけてくれた人が仕事をくれた。

ほとんど忘れかけていた人が声をかけてくれて顧問先を紹介してくれた。

昔のつてで連絡してみると快く面会してくれた。

飲みにも連れて行ってもらった。

そして今がある。

 

今の自分は人に支えられて生きている。

いや、生かされている。

そんな当たり前のことを実感させられている。

人生って手を差し伸べてくれる人をどれだけ作れるかじゃないだろうか。

そして、本当に困った時に自分が手を差し伸べることが出来るかかもしれない。

胸に手を当てて考えて欲しい。

 

ふと思うことがある。

自分は埋もれそうな人に手を差し伸べることが出来るのかと。

差し伸べないといけないと意識する。

自分がそうしてもらったように。

今度は自分の番だ。

 

今日も生かされている自分に感謝する。

そして、周りの人に感謝する。

 

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びみょに損得

2021-02-20 05:42:50 | 薬局

微妙な対応に患者が逃げる。

 

知り合いの母親がいつもの血圧の薬をもらうためにクリニックに出かける。

ひとりで行けばいいのにと思いつつ車で送り迎えを頼まれる。

診察を終えて処方箋を持って出てきた。

クリニックの前には調剤薬局が口を開けて待ち構えている。

にもかかわらず30mほど離れた薬局にわざわざ薬をもらいに行った。

なぜかと聞くと「以前、あの薬局に行った時に私の薬がなかった」そうだ。

それ以来、あの薬局には私の薬がないと思い込んでいるらしい。

70歳後半の女性である。

 

私の家内は定期的に皮膚科に通っている。

たまたま札幌に私が戻っていたので付き合うことになった。

診察は長年通っているせいか早い。

処方箋を同じビル内にある薬局に差し出す。

呼ばれたので私も金魚の糞のようについていく。

「申し訳ございませんが〇〇〇の在庫が不足しております」「後ほど郵送にて送らせていただきたいのですがよろしいでしょうか」と、ちょっと私好みの女性が対応した。

もちろんOKである。

翌日の朝早く(8時半ころ)ゆうパックにて薬が届く。

もちろん送料などない。

いつも飲んでいる薬で緊急性もない。

在庫もまだあるので余裕である。

この薬局は自宅から車で15分ほどかかる。

自宅近くにも薬局はあるが、近くだと「後から取りに来ます」となりそうだ。

 

ある経営者と薬局から患者の手に渡るコストについて話をした。

カードでの支払いだと手数料が3.5%ほどかかる。

処方箋の平均単価を約9,000円として、3割負担だと約95円の手数料が必要になる。

今どきなので密を避けるために、処方箋を受け取った段階で薬情による服薬指導を済ませ、後から自宅に送るとしたらどうだろうか。

送料を700円としたらカードの手数料と合わせて約800円程度になる。

先ほどの9,000円の処方箋からの粗利益が約3,000円はあると思う。

となると患者の自宅に送ったとしても2,200円の利益はある。

もし患者が何らかの要因で来なくなると2,200円の機会損失となる。

 

今、薬局にはそんな選択が迫られているような気がする。

そして、”損して得取れ”の選択をして、広く地域に認知された薬局が勝ち組になるのではないだろうか。

ただし、すべての薬局にとは言わない。

先ずは、面での処方箋の獲得が望める立地から始めるのがいい。

ガチガチのマンツーマンでの作戦ではない。

そして、出来るだけ口コミを作る。

待つのではない。

口コミは作るものだ。

 

いろいろ異論はあるかと思うが基本的に受け付けない。

やれとは言っていない。

 

 

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大ほら少年きけん!

2021-02-19 05:11:57 | 薬局

薬局に吹く逆風を感じろ!

 

私の話はいつも厳しい内容が多いかもしれない。

いわゆる”オオカミ少年”ってやつだ。

「羊飼いの少年が、退屈しのぎに「狼が来た!」と嘘をついて騒ぎを起こす。だまされた大人たちは武器を持って出てくるが、徒労に終わる。少年が繰り返し同じ嘘をついたので、本当に狼が現れた時には大人たちは信用せず、誰も助けに来なかった。そして村の羊は全て狼に食べられてしまった」と言うのがウィキペディア(Wikipedia)に出ている。

ここでいう「羊」は「薬局」になるのかもしれない。

そして「羊飼いの少年」である私は職を失う。

 

来週の22日はいつもの「薬局経営の知恵袋」である。

いつも何を話そうかと悩んでいる。

そこで今回は、はじめにも書いたが「薬局に吹く逆風を感じろ!」が私のテーマである。

いつもこのブログに書いているが、世の中は常に「原因と結果の法則」で成り立っている。

思い起こせば2014年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の中に「医薬分業の下での調剤技術料・薬学管理料の妥当性・適正性について検証する」と明確に打ち出されている。

この警告に何を感じただろうか。

さらに「調剤重視から服薬管理・指導重視への転換を検討する」と調剤料を下げて薬学管理料を引き上げると公約している。

ここで言う薬学管理料とは「かかりつけ薬剤師指導料」や「服薬情報等指導料」などになるのかもしれない。

それが「地域連携薬局」の30回の実績へとつながる。

この後から出された「骨太の方針」には2015年から4年間にわたって「患者本位の医薬分業を実現」が継続した。

さすがに2019年には出てこなかった。

それは医薬品医療機器等法(薬機法)の改定を見込んで盛り込み済みだったからと思われる。

この約5年間に薬剤師は何を考え、どんな行動変革があったのだろうか。

結果として、法的にがんじがらめの服薬期間中のフォローや認定薬局制度へとつながる。

 

襲い掛かる魔の手はそれだけではない。

昨年710日から始まった「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」がなぜ必要なのかわからない内に始まった。

その中では明らかに薬剤師の質の低下が問題として議論されている。

薬剤師に何を求めているのか。

質の低下は薬剤師だけではなく薬学系大学のあり方にまで及んでいる。

ストレート合格率の低さも取り上げられている。

確かに、問題性を感じてはいる。

 

さらに、先日内閣府から発表になった「薬局利用に関する世論調査」では薬局も薬剤師の評価も高くない。

特に、健康サポート薬局の認知度は1.5%と存在がなきに等しい。

健康に対する意識は高いが、薬局への相談は4割程度しかない。

何かがおかしい。

そして何かが仕組まれているような気がする。

 

今年の夏くらいから調剤報酬改定の議論が出始める。

それに合わせるように、そろそろ薬局の何らかの不正が発覚しそうで怖い。

 

オオカミは来ません!

安心してください。

 

狼少年ケンより。

 

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