医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

賢い漁師

2024-08-30 04:56:12 | 薬局
賢い漁師は獲る漁業から育てる漁業へと発想を切り替える。

患者数は減少傾向にある。
薬局数は増加傾向にある。
当然のこととして1店舗当たりの処方箋応需枚数は減ることになる。
ただありがたいことに未だ分業率は100%ではない。
日本薬剤師会の今年2月の資料によると分業率は82.2%らしい。
わずかながら伸びている。
そして17.8%も伸びしろがある。
などと喜ばしていながら、伸びているのはドラッグストアの処方箋かもしれない。

患者数が減少傾向でも処方箋枚数は若干伸びているので、今のところ市場はまだ安定している。
処方箋が出ていないのは大手病院グループなどかもしれない。
ここもそろそろ院内での対応に無理があるように思う。
薬の流通への関与が今の時代に合わなくなってきている。
何よりも地方の薬剤師確保に苦戦しているはずだ。
本部からの移動指示で回しているようだが、それにも限界がある。
これらが院外になるとダムが決壊するように一過性の喜びがあるかもしれない。

ウエルシアとツルハの統合が2027年末までだそうだ。
ちょっと遅いように思うので若干早まるのではないだろうか。
この統合で気になるのが調剤売上である。
ウエルシアHDが2,568億円、ツルハが1,259億円で合わせると3,827億円となる。
両社の調剤売上の伸びは10%前後なので破竹の勢いと言える。

次に9月2日にスギHDが阪神調剤を運営するI&Hを吸収する。
スギHDの調剤売上は1,587億円でありI&Hは上場していないので不明ではあるが約1,000億円はあると言われている。
合わせると2,600億円になる。

現時点で調剤の雄はアインHDが3,575億円、日本調剤が3,028億円となっている。
続くクオールは1,650億円となる。
こうなると3番手にウエルシア+ツルハが4番手にスギ+I&Hとなる。
いつの間にかドラッグストアが頭角を現してきた。
ただ、ドラッグストアはこれだけではなさそうだ、
先日もブログに書いたがウエルシア+ツルハにはクスリのアオキ(461億円)が控えているかもしれない。
スギ+I&Hには謎のクラフトとの連携もある。

ざっと並べてみたが、この先どうなるのか分からない。
大手調剤チェーンの統廃合もあり得る。

そこで大事なことは、思い出して欲しいがウォルマートの副社長が言ったとされる”網目の違い”である。
中小薬局はより細かい網目を使う話だ。
何をしなければならないのかを考えて欲しい。

網目が小さいと網を作るのも大変、修理も頻繁で面倒だ。
その面倒が大事な気がする。
コメント (7)
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