医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

猫の手借りる

2017-09-06 05:15:44 | 薬局
適正って適当ではない。

薬局の経営を大きく左右するのが人件費である。
薬剤師が1人いるか、いないかで店舗の利益が600~700万円も違ってくる。
単純に給与が年間で500万円としても、これに法定福利厚生費は加わると、何だかんだと15%ほど追加になる。
先ほどの500万円の給与が575万に化けてしまう。
因みに、法定福利費とは、健康保険料、厚生年金保険料、児童手当拠出金、雇用保険料、労働保険料となる。

さらに最近では事務職の採用も厳しい。
募集してもなかなか応募がない。
ある程度の安定補充となると、それなりの給与も必要になる。
確かに、以前にも書いたが一人暮らしが出来る程度の給与がないと、アルバイトでもしないと生活がおぼつかない。

そこで問題は、1つの店舗に薬剤師及び事務職が何人必要かの目安を基準として増減を考える事である。
働かせ過ぎはどこかで破綻する。
余裕があり過ぎると赤字になる。

私が薬局を経営していた時の人数目安は、処方せん枚数で考えていた。
薬剤師は受付処方せんが25枚を目安に、その処方内容の濃淡からプラスマイナスをする。
例えば、診療所の処方せんなら30枚に薬剤師1人、事務職は50枚に1人といった感じだ。
もちろん眼科、整形外科などは40枚に薬剤師1人でも余裕だ。
大学病院や官公立病院などの処方せんの単価は1万円を超える。
この場合はやはり25枚または20枚に薬剤師1人となる。
ただ事務職については大きな病院などでの差はあまりつけなかったような気がする。
これによって店舗ごとに薬剤師と事務職員の人数をある程度決める。
あとは実際の運営に問題がないか現場とのやり取りで考えていく。

ある会社では「時間生産性」から人員の数を検討している。
これはその店舗に働く職員全員の総労働時間と粗利益から計算される。
計算式は「粗利÷総労働時間」だそうだ。
ここから割り出された数値がいくらだったら人員が不足、充足の判断基準とする。
判断基準はその会社の企業秘密でお教え出来ないが、これも一つの考え方じゃないだろうか。
この考え方を採用している経営者もいる。
例のミドリ虫経営…じゃなくアメーバーに由来するらしい。

私が示した処方せん枚数から適正人数の目安を考える方法は、ある面では業務主体の方法かもしれない。
また、時間効率から考える手法は利益を重視した方法かもしれない。
どちらにしても店舗ごとに配置人数の目安は必要である。

ある会社の会議に出ていた。
○○店の店長から業務が多忙で薬歴の記載が貯まっているので何とかして欲しいとの要望が出ていた。
その店舗の「時間生産性」は、その会社の基準以下だった。
この場合、薬剤師の補充ではなく業務の見直しを検討してみるように指示が出る。
もちろん人員の補充も検討する。
どちらにしても根拠なき議論は無意味だ。

厳しい時代が待ち構えている。
薬局経営にも科学的手法が必要になる。

月曜から札幌に戻っていた。
朝夕は涼しいと言うよりちょっと肌寒い。
秋を感じさせる。

と思いつつ東京に戻る。





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