医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

やばい手口

2017-09-18 05:01:58 | 薬局
6つ目以降はお預けに!

16日の朝日新聞の記事を紹介したい。
見出しは昨日のブログで既に紹介済みだ。
「東証1部上場の医薬品流通支援会社の子会社でチェーン薬局を展開する『シー・アール・メディカル』(本社・名古屋市)が、健康保険制度を悪用し、医療用医薬品を社員に配っていたことがわかった」から始まる。
あえて新聞の記事そのままで表現した。
さらに「社員から『欲しい薬』の注文を取り、病院で診察を受けていないのに保険を使って、自己負担分の3割の値段で医薬品を渡していた」と続く。
業務上のつながりがあった医師などが処方せんを出すなどの協力もあったようだ。
因みに、誤解を招きそうなので付け加えると、どうやら診察なしで処方せんの発行だけの依頼である。
それにしても上記の表現からするとかなりやばい。

17日には日経新聞にも掲載され、「社員13人分の保険証コピーを提出し」と、その手口が開かされている。
「病院は診察したように装い計約80枚を作成、同社が運営する薬局が処方せんに基づき保湿剤や鎮痛剤などをだしていた」と「装い」はいただけない。
結果として約36万円の保険請求があったそうだ。

この仕組みを仕切っていたのが同社の取締役の事業部長と書かれている。
この事業部長は月1回程度の頻度で、社員に「欲しい薬はないか」と注文を取っていたそうだ。
それを知り合いの医師に診察なしで処方せんだけ発行してもらい、自社の薬局で調剤して保険請求していた。
これは明らかに組織的と言うか…事業部長の個人の資質の問題なのか。
この事業部長は9月1日付で取締役を辞任している。

協力していた医師からのコメントでは「事業部長からお願いされ、まったく診察していない人に処方せんを出すことに悩んだが、薬局の社員は忙しいだろうと思ってやってしまった」と軽率だったことを反省しているそうだ。
この反省も意味がない。
忙しいのは薬局の社員だけではない。
私も忙しいので何とかして欲しいくらいだ。
薬は自分だけではなく家族の分まで注文があり、湿布剤や鎮痛剤などが多かったそうだ。
家族が忙しいかどうかなど医師に分かるはずもない。
詳しい事情は分からないので基本的には新聞記事に基づいて紹介した。

どう思いますか。
ダメでしょ。
これは診療報酬の不正請求になるんじゃないだろうか。
そしてこれが中医協でのやり玉に上げられそうな気がする。
医師もかかわっているからお互い様かな。

付け替え請求や今回の記事は何なんだろうか。
それでなくても十分儲かっている会社ばかりだ。
薬が欲しいなら保険請求ではなく、せめて「処方せん以外の医薬品」として零売くらいにしなきゃ。
どうも”正直者がバカを見る”仕組みでは困る。






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4 コメント

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難しいですね! (駒形和哉)
2017-09-19 02:13:39
中医協の場で、医科の診療報酬に物申すと、その反発はかなりの”やぶ蛇”になりそうです。
それよりもいろいろ規制緩和される事象に戦略的な対応が優先じゃないでしょうか。
今回の郵送も遠隔診療も、将来における脅威になりかねません。
また、診療所内における調剤が出来る定義も明確化が必要ですね。
返信する
有難うございます。 (Unknown)
2017-09-18 18:24:14
確かにその話聞いたことはあります。
有難うございます!

中医協で基本的に言われっぱなしの薬剤師が、何か一つでも私たちのフィーを確保するために無診察処方を突っつくことが交渉のカードにならないかな?と思っていたのですが、やぶ蛇かもしれませんね。
返信する
安心してください! (駒形和哉)
2017-09-18 17:42:39
と言っていいかどうか…?

何かこの話を聞いたような気がして調べてみました。
基本的には「無診療処方」は医師法違反になるようです。
「医師法」の第二十条に「医師は、自ら診察しないで処方せんを交付してはならない」とあります。
ただ、2010年の診療報酬改定で「投薬は本来直接本人を診察した上で適切な薬剤を投与すべきであるが、やむを得ない事情で看護に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した場合においても、再診料は算定できるが、外来管理加算は算定できない」となった様です。

返信する
お早うございます☀ (Unknown)
2017-09-18 08:24:33
この問題、無診察処方に対しては何か次期の診療報酬改定で影響が出てくるでしょうか?患者さんから病院での医療費明細書を見せてもらうと再診料や医学管理料なども算定されているケースをお見受けします。別の話ですが、『「欲しい薬があったら何でもあげるから言ってね」とお医者さんから言われたよ~』
『薬は30日分だけど診察は半年に1回で、ほとんどは受付で処方せんを貰ってくるだけだよ』とあっけらかんと話をされる患者さんもいます。

話がずれましたが、例えば定期処方の無診察処方が取り締まられると、30日分の処方せんを3回受け付けていたものを、リフィルなのが分割調剤なのか分かりませんが90日分を1回だけの受け付けになるのでは、技術料が取れずに割りを食うのは薬局になるでしょう。大事にならないか心配です。
返信する

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