JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

FM無電源ラジオ試作

2014年09月06日 | ゲルマラジオ


 Web上ではFM放送を受信するゲルマラジオがいくつも紹介されており、いつか挑戦してみたいと思っていました。我が家から受信できそうなのは、NHK仙台FMとFM仙台(DateFM)の2局。どちらも送信所は大年寺山(テレビ塔)で、距離にして1km弱。ただし、テレビ塔は見えないので、完全見通しではありません。

 
 NHK仙台FM     82.5MHz  出力5kw
 FM仙台(DateFM)  77.1 MHz  出力5kw

 無電源で受信できる可能性は十分あるのでは?ということで、試しに作ってみました。まずはコイル。2μH前後あればよさそうなので、太さの違う線材で5種類ほど作製。中波と違って簡素なコイルです。インダクタンスはどれも1.5μH程。この他の材料は下記の通り。

 バリコン 20pF(aitendo)
 ダイオード 最終的に1SS106 ショットキーダイオード
 トランス  KT-32(サンスイST-32相当品)


大小の自作FMコイル

小容量バリコン


 せっかくのFM放送なので、今回も、トランスを使ってステレオイヤフォンを鳴らすつもり。基本的な回路は通常のゲルマラジオと同じです。違うのはコイルとバリコン。さっそくミノムシクリップで配線。据え置きラジオのロッドアンテナにミノムシクリップで接続し、慎重にバリコンを回してみました。最大限の集中力をもって聞いてみましたが、何も聞こえず。配線を見直したり、コイルを換えたりして何度か聞いてみるも結果は同じ。いつものゲルマラジオとは様子が違うようです。悩んだ末、ダイオードをショットキーに変えてみたところ、まずまずの音量で鳴ってくれました。でも、これって本当にFM放送なの?一抹の不安が・・・。RF-U700Aで確認したところ、まぎれもなくFM仙台でした。使ったのは1SS106なので、ゲルマラジオではありません。ショットキー無電源FMラジオ。


1SS106

 予想していたとおり、NHK仙台FMとFM仙台が混じって聞こえます。なにしろ二つの送信所はほぼ同じ位置にあり、出力も同じ。バリコンのどこを回しても混信は消えません。アンテナとコイルの間に直列にバリコンを入れてみたところ、多少改善されました。またロッドアンテナの傾きを変えると、そこそこ緩和されます。FM放送というのは音楽が中心なので、クラシックとポップスが混じって聞こえたりして、良く言えば新鮮な感じもしますが、できれば勘弁してほしいです。大小のコイル、これらもすべて試してみました。ほとんど聞こえ方に変わりはありませんでしたが、大きく巻いた方が若干感度は良いようです。きちんと同調しているのかどうかはよくわかりません。かなり大ざっぱです。我が家のような強電界においては、こんな簡素な無電源ラジオでも聞こえてしまうようです。



コイル直径5cm3回巻

黄色のミノムシクリップはアンテナ線



 そんな実験の後、いつものようにバラック風に組み上げてみました。ところが完成して聞いてみると、ミノムシクリップでの実験ではけっこうな音量で鳴っていたのに、虫の鳴くような音量でしか聞こえなくなってしまったのです。たぶん、ミノムシクリップのリード線がアンテナ代わりになっていたのでは?と推察しています。またFM仙台よりもNHK仙台FMの方が強く入るようになりました。回路は同じ、板に配置しただけなのに、けっこう変わるものです。室内ではかすかにしか聞こえなくなってしまいましたが、ベランダの一か所では、アンテナなしで鳴ってくれます。



 大年寺山の送信所(テレビ塔)は仙台市内や周辺どこからでも良く見えます。つまり見通し。VHFなので無電源の簡素なラジオでも広範囲で受信可能では?と考えられます。泉ヶ岳や蔵王からも見通しのはず。改良を重ねて、そのうち山頂で受信実験してみようかと思います。





コメント (6)
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