なんとか分離もうまくいったFM無電源ラジオ3号機。回路図を書いてみて、ふと、前にも同じような回路にお目にかかったことがあるような・・・。
ゲルマラジオにのめりこむきっかけとなったマルツの「鉱石ラジオキットHG770」。震災の後、無電源というところに惹かれて作ってみました。小学生の時に「科学と学習」の付録で作って以来、数十年ぶりに聞いたゲルマラジオからのかすかな音声。このキットで少年の感動がフラッシュバックしてしまいました。そもそもゲルマラジオに電解コンデンサーなんてどうして使うのだろう?などと思いながら作った記憶があります。この回路・・・そう、このキットだったのです。
ジャンク箱を探してみると、その時の基板やセラミックイヤフォン、説明書一式が出てきました。あらためて回路図をみると、出力回路と直列に電解コンデンサー10μF、そして並列に33pF。抵抗器2MΩの他は、FM3号機とほとんど同じで驚いてしまいました。ゲルマラジオにしては部品点数の多い面白い回路で、FM3号機の分離の良さなどを考えると、捨てたものでもないかな、という気がしてきました。
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元基板(型番HG770)
ということで、この基板をそのまま使って、セラミックイヤフォンではなく、オーディオ用イヤフォンを使えるように改良してみることにしました。
<変更点>
・トランス KT32(ST32相当品)追加 1.2kΩ:8Ω
・バーアンテナ 直径1cm×長さ7.5cmに変更
・バリコン トリマーから一般的なポリバリコンに変更
・イヤフォンジャック ステレオタイプに変更
・アンテナ端子 追加
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ゆったり目の基板なので、多少大きなバーアンテナを上部に、もともとあったバーアンテナの位置にトランス、トリマーとイヤフォンジャックを取り外し、同じ場所にポリバリコン、ステレオジャックをそれぞれ配置、配線し完了。
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改良後
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たった7.5cmのバーアンテナなので、この状態では何も聞こえるはずもありません。わかってはいても、窓辺で慎重にバリコンを回してみました。やはり何も聞こえず。それではと、ミニループアンテナを近づけると・・・。聞こえてきました。NHK仙台第一がちょうどよい音量。さらに回すと、かすかに仙台第二放送。やはりこの回路、分離は良好です。ミニループから20cm範囲であれば十分な音量で受信できます。それ以上離すと不可。またラジオのアンテナ端子にループの一方を接続しても良く聞こえます。最大音量はどちらも同等。音もST32相当品にしては悪くない印象。聞いていて疲れない音ではあります。
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ループに近づけただけで外部アンテナ代わりに(上)直接接続でもOK(下)
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いくつかの無電源ラジオを作り、試行錯誤の繰り返し。そして、はじめに作ったゲルマラジオに引き寄せられるように原点回帰。もともと単純明快な無電源ラジオ、回路など知れたものと考えていましたが、海外の製作例など見るといろんな作り方があるものです。実際、ちょっとしたことで聞こえ方に大きく影響することが多く、そこがまた無電源ラジオの奥深さでもあり、面白さかと思います。
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