JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

16Ωイヤフォン

2011年11月19日 | ゲルマラジオ


 同調回路、検波回路、受話回路、この単純明快なゲルマラジオゆえに、一つ一つの部品の良し悪しが受信性能を大きく左右する、このことは何度か書きました。

 部品は、コイル、バリコン、ダイオード、トランス、イヤフォン、および配線のための線材。これだけです。核心となるのがコイルであることは言うまでもありません。16本のフェライトバーにリッツ線を巻いた極太コイルを中心に、部品にこだわって作ってみたのが前作のプレミアムゲルマラジオでした。気持ち良いほど分離に優れ、いつまでも聴いていたくなります。音が小さいのは仕方がないとしても、分離の良くないラジオというのは聴く気になりませんね。
 

 トランスはマグネチックイヤフォンを鳴らすためなので、クリスタルイヤフォンなら不要です。自分だけかもしれませんが、クリスタルイヤフォンだと耳穴にうまく納まらず、手で押さえないと落ちてしまうのです。それに耳穴が痛くなって、長くは聴いていられません。ということで、トランスを使って、両耳タイプのマグネチックイヤフォンを鳴らすことにこだわっております。


 先日、100円ショップで売り場を眺めていたら、インピーダンス16Ωのイヤフォンが1種類だけあるのに気づきました。商品の裏面に

 <スピーカー規格>
 出力音圧 107+-5db
 インピーダンス16Ω  とありました。




 陳列してある他の6種類を確認したところ、今使っているイヤフォンも含め、すべて32Ωとなっていました。トランスが20kΩ:8Ωということを考えると、少しでもインピーダンスの近い16Ωの方が効率よく鳴ってくれるのでは?


 さっそく購入して試してみた結果は・・・・すごいです! なんと倍近い音量で聞こえてきました。低音が効いて音質も悪くありません。急に感度が良くなったような感じで、実際、これまで聞こえなかった東北放送が、かすかに聞き取れるようになりました。イヤフォンを変えただけですが、思わぬサプライズ。それにしてもこの音、大きさと言い、音質と言い、これが外部アンテナなしの無電源ラジオとは思えない程です。





 鉱石ラジオ全盛のころは、マグネチック式の両耳ヘッドフォンで聴くスタイルだったようです。インピーダンスが10k~40kΩと高く、そのままラジオに接続して聞けたわけです。山の大先輩の話では、昔はクリスタルイヤフォンではなく、確かに、マグネチック式だった、分解したこともある、舶来品で音も良かった、とのことでした。『ぼくらの鉱石ラジオ』には、当時のハイインピーダンスヘッドフォンが写真で紹介されています。たいへん高価なもので、ラジオ本体より高かったのだそうです。今はもう、わずかに残った年代物中古品を探すしかありません。いったいどんな音を奏でてくれたのでしょうか?ほんと、ゲルマラジオって興味が尽きません。





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