JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

調整機能付? バネ線エレメント

2011年01月06日 | J型アンテナ
 J型アンテナのエレメント。トップヘビーを解消するため、帯鋼を使ったことは以前に書いたとおりです。その後、使用中に何度か、相手局からモービルですか?と聞かれることがありました。帯鋼が風でしなりすぎて、Sが変動するようなのです。見た目で確認しても、風が強まると帯鋼部分が90度近くしなった状態になることも珍しくありません。受信の方はさほど影響なく、こちらは気にならないのですが・・・。

 ホームに帰ってから、直立した状態と、揺れてしなった状態でどのようにSが変わるのか、電界強度計で実験してみました。いつもの通り、トリフィールドメーターからの距離1.5m、出力0.8W。直立状態でメーターの針は2.8。次にアンテナを揺すって、帯鋼エレメントを激しくしならせてみたところ、針は2.0から4.0の間を行ったり来たりしています。予想通りですが、相手局からすれば、モービル局と間違えられても仕方ありませんね。了解度にも影響が出そうな感じです。

 そんなわけで、トップヘビーにならず、かつ「しなり」の少ない材料はないものか、とホームセンターで物色して回ったところ、「ステンレスばね線」なるものが目に留まりました。30cmの長さに切ってあり、プラスティックケースに入れて販売されておりました。太さは0.3mmから2.5mmまで7~8種類あります。細いのは10本入りで、太いのは5本入り、価格はどれも560円。細いとしなるし、太いと重くなるということで、直径1.2mm10本入りを購入。



 これを2本使って、J型アンテナのトップエレメントにしてみました。エレメントの長さは50センチほどに加工する必要があります。ステンレスなので、切るという作業はほぼ不可能。致し方なく、30cmのバネ線2本を結束バンドで縛り付け、必要な長さを確保することとしました。中間エレメントとの接続のため、長さ2cmの銅パイプを一方に半田付しておきます。


バネ線を重ねて、結束バンド4個で固定
この部分をスライドさせて共振点を調整

中間エレメントへの差し込み部分

バネ線エレメントと帯鋼エレメント


 完成してみると、意外にこの方法は使えるということに気がつきました。結束バンド数本できつ目に固定すると、バネ線同士を微妙にスライドさせることができるのです。どの程度きつ目にするかは、結束バンドの締め具合次第。あまりに簡便で安易な方法と言えなくもありませんが、これで希望の周波数にジャストフィットさせることが可能では?

 山岳移動に限ったことではありませんが、移動地ごとに地形も違えば、樹木もあったり無かったりで、電界環境は異なります。アンテナの微調整はその都度現地でおこなうに越したことはありません。その際、いちいち工具を使うのも面倒ですね。この方法なら、エレメント長を3cm程度まで素手で調整できます。




《使用感》
 さっそくニューイヤーパーティの1月3日、実践投入してみました。この日は、穏やかで無風状態。これなら帯鋼エレメントでも問題ないのですが、あえて、ステンレスばね線エレメントで20局クリアをめざしました。運用地は亘理郡山元町の鷹討山。山頂にアンテナ設置後、アナライザーAA-200で測ってみると共振点144.200あたり、低めに出ました。やはりホーム室内とは違いますね。調整部分でエレメントを短くし、若干、共振点を上に持ってきました。145.000近辺でSWR1.1。



 さすがにバンド内にぎやかです。なんとか空き周波数を見つけてCQを出してみました。宮城県内ほぼ全域と福島、岩手、山形各局より応答いただき、20局を早々にクリア。2時間半ほど運用を続けて45局に年始の挨拶をいただきました。1回の山移動としてはこれまで最高の局数。何人かの方とは自作アンテナ談義を楽しみ、後味の良いスタートを切ることができました。調整機構付のバネ線エレメント、悪くありません。

 今回は、太さ1.2mmを2本使いましたが、下を太く、上にいくにしたがって細くして数本組み合わせるなど、ロッドアンテナ的応用もできるのでは? ただ、これは手元に設営して数時間の運用だから可能な方法で、固定やモービル用には耐えられません。また何かに使ってみます。


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