JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

無線LAN導入

2011年01月18日 | 運用スタイルなど
 数日前、我が家にも遅ればせながら無線LAN環境が導入されました。これで、寒くて暗い北側の部屋でのパソコン操作から解放され、家中どこでもインターネットやプリンターが使えるようになりました。スマートフォンやらクラウドやら、そんな昨今、なにを今さらと思われるかもしれません。世の中が有線から無線へ、アナログからデジタルへと変わっていく中、我が家のパソコンは10年もの間なにも変わらず、ただ黙々とできうる仕事を続けてきたのでした。

 これまで使っていたのはMacのG4cube(OS9)という十数年前のパソコンで、電話配線の関係から北側の部屋でしか使えなかったのです。一昔前の集合住宅なので、建物までは光ファイバーですが、各戸へは電話回線で引くというVDSL方式です。この組み合わせなので、光というにはあまりにもお粗末な速度しか出ません。パソコンだけでもなんとかしようと考えてはいたのですが、やるとなればそれなりの費用と手間と時間がかかります。ここ数年はアマチュア無線への投資がかさんだこともあって、手つかずにおりました。ところが、先日来、突然このブログの更新がMacOS9の古いブラウザでは受け付けられなくなり、一大奮起して環境を一新させたという次第です。

 パソコンも安くなり、最新のノートPCが数万円で手に入りました。パソコン界のことは浦島太郎状態ですが、今回購入したのはデルというメーカーのノートパソコンで、はじめから無線LANを内蔵しているタイプです。インテルCorei5-460M、ハードディスク500G、メモリー4G、DVDマルチ、各種カードリーダー・・・まさにてんこ盛り。しかもOfficeインストール済みでこの価格、10年前に比べたら夢のような話です。ロジテックの無線LANルーター(一応最新のセキュリティ付)、無線LAN対応複合プリンタ(HP社のENVY100)も購入し、一気に環境が整いました。

 店の人からは有線LANよりも速度が下がると言われたのですが、パソコンの能力があまりにもケタ違いで、まったくそんな感じはありません。WebページもQSLカードも難なくプリントアウト。邪魔なコードがなく、快速かつ快適、しばし感動してしまいました。


ルーターもずいぶん小型になりました

複合プリンターENVY100 AV機器のようで違和感ありません


 ところで、この無線LAN。出力は10mWで周波数は2.4GHzとか。ルーターという無線設備から常時、電波が放出され、パソコンやプリンターとやり取りしているわけです。10mWと言えば特小トランシーバーと同じ出力、2.4GHzは電子レンジ。これでどの程度の距離まで通信が可能なのでしょうか。さっそくノートPCを持ち歩いて、実験してみました。ちなみにルーターのアンテナは内蔵タイプで、外に出ているわけではありません。

 家の中はベランダを含めて、どこにいても接続が切れることはありませんでした。電波の強弱を示すアンテナマークが画面に出るのですが、最大でレベル5、ベランダだとレベル3程度に下がります。Webの閲覧には何の支障もありません。一般的な家の中で使うには十分なパワーです。ただし、電子レンジと干渉するようで、レンジ使用中は途切れ途切れとなります。このあたり、対策が未確立のまま普及してしまった感は否めませんね。

 次に、玄関を出て、通路を行ったり来たりしてみました。6戸並んでいる同じフロアなら、端から端まで問題なく通信可能です。下の階でも、部分的に可能ですが、ところどころ不能となりました。階下とはコンクリートなので、そこまでの貫通力はなさそうです。でも、反射によっては意外な所で「良好」に通信できてしまったりするのでは?

 よく他人の家の無線LANを勝手に利用するなどという話を聞きますが、この実験からみても十分可能でしょうね。けっこう広範囲に情報をばらまき、かつ、自分のパソコンの中が他人から丸見え、という危険は覚悟しておく必要がありそうです。これがもし超高層マンションの上階で、見晴らしの良い窓際にルーターを置いたとしたら・・・? 10mWとはいえ、どこにどう飛んでいくのか、誰にもわかりません。そこが電波の面白さでもあるわけですが、インフラとして考えた場合はリスク以外の何ものでもありませんね。暗号化技術だけでなく、環境に応じてパワーを絞り込むとか、指向性アンテナで拡散を防ぐとか、バリアを設けるとか、一定の範囲以上に飛び散らない制御システムのようなものが必要なのでは、と思ったりもします。

 いつもは、遠くまで飛ばすことばかり考えておりますが、無用に飛ばさない技術とか電波の振る舞いを上手くコントロールする技術の方がずっと世の中のお役に立つのかもしれません。

 さて我が家の無線LAN、今の段階では、個人情報のやり取りは御法度、使う時以外はパソコンもルーターも電源を切っておくのが無難なようです。便利で快適なものには、リスク(落とし穴)という付録がついて回るようで・・・。


コメント (2)
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