JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

モバイル電源使用記430MHz

2011年06月14日 | 移動運用装備



 めったに出ることのない430MHzではありますが、ソーラーモバイルチャージャーの使用実験を兼ねて運用してみました。前回の145MHzとの違いも感じましたので、レポートしてみます。

 運用場所 蔵王連峰 屏風岳 標高1817m
 リグ   ヤエスFT-7800 
 出力   10W
 アンテナ スイスクワッド(シングル)
 電源   ソーラーパネル付きモバイルチャージャーSOLAR20000
      16V設定

 久しぶりに南蔵王の最高峰、屏風岳からの運用。先週と違って風もなく、絶好の登山日和。午前7時前にエコーラインの登山口に駐車し、ひたすら山頂をめざすこと90分、8時30分頃、屏風岳に到着しました。電源自体はリチウムなので700gと軽量ですが、モービル機が1kg以上あり、付属品を含めると約2kg。これに三脚、アンテナが加わり、けっこう肩にくい込みます。


尾根道は峰桜が満開、シャクナゲもちらほら咲き始めていました


 さて、山頂にてさっそく準備開始。バッテリーは前回同様16V設定。145MHzの時と違って電源ノイズはまったくありません。三脚にスイスクワッドを設置して、南にビームを向けてみました。標高1800mだけあって、ローカルの信号はよく聞こえます。430でCQを出すのはしばらくぶりで、応答があるかのかどうかも心配でしたが、宮城、福島各局に呼んでいただきました。

 いったん途切れてアンテナを北に向けたところ、岩手県滝沢村のCQが聞こえてきました。か細い信号で慎重にスイスクワッドを合わせてコールサインを確認。こちらには42で入感。呼んでみたところ、相手局からは52のレポート。コールサインを2度聞き返されたので、たぶん、同程度の信号で届いていたのだと思います。交信距離約200km。この日の最長記録でした。


430スイスクワッド

リグFT-7800

ただ今発電中・・・


 その後、再度CQ。8局目の交信が終わったところで、バッテリーの残量100%のランプが消え75%と表示されました。運用開始から70分。145MHzに比べると消耗の早さを実感します。1.5倍以上消費? 天気は晴れ、ソーラーパネルもフル発電のはずですが・・・。

 さらに問題なのは、リグの熱さが尋常でないのです。熱くて触れない状態。145MHではこんなことはありませんでした。貴重な電力が、熱に使われているということになるのでは? 冬ならカイロ代わりになるかもしれませんが、この時期、まったく無駄というほかありませんね。そうでなくとも暑いのに・・・。

 それから4局と交信し、このまま発熱させてはマズイのでは?との疑念が頭をもたげて、10時40分、430MHzでの運用を終了しました。交信局数は12局。約2時間の運用。バッテリー残量表示は75%。

 運用中に電圧が不安定になるということはなかったのですが、こんなに熱を出したのでは、リグがかわいそうです。かといって、この電源、12V設定にすると最大2Aまでの仕様となっており、この場合5Wが限界。ということで、430MHzで16V設定、10W運用は厳しいです。5Wなら快適、かつ長時間の運用が可能と思います。

 〈SOLAR20000の仕様〉
  ・6V、9V、12V     →最大2A
  ・16V、19V、22V、24V →最大4A
 
 ちなみに、同じワールド無線で、ソーラーパネルのない「モバイルチャージャーiHD20000」という商品がありますが、問い合わせたところ、こちらは最大19Vで1.5Aとのこと。無線に使えるのかは???です。

 まとめてみると
 1)430MHzでは電源ノイズはない
 2)16V設定で10W出力は可能であるがリグの発熱が著しい
 3)バッテリーの持ちは145Mhzの3分の2程度



 交信中、ちょうど山梨コンテストが実施され富士山からビームを向けてくれるらしいとの情報をいただきました。バッテリー実験終了後、アンテナを慎重に回してみたものの、残念ながらそれらしい信号をとらえることはできませんでした。この山頂も含めて蔵王全体が1エリアとの相性はよくないようです。簡素なアンテナなので無理もないといえば、それまでですが、吾妻連峰が壁になっているような印象があります。

 この日は、HFハイバンドから6mまでフルオープンだったそうです。430に関しては、特段、信号の伸びは感じられませんでした。



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2 コメント

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ソーラーモバイルチャージャー (JA7RTG)
2011-06-15 06:57:14
ソーラーモバイルチャージャーのレポート拝見しました。有効活用できそうですね!!!それにしても、ソーラーモバイルチャージャー、アンテナ、FT-7800、それに、水と食料を担いで屏風岳まで90分ですか。すごい体力ですね。私なら、、アンテナ、FT-7800だけでもギブアップしそうです。
ちなみに、この前の日曜日、私は、屏風岳の麓、南蔵王青少年旅行村、みやぎ蔵王白石スキー場の少し上の方をさまよっていました。QSOできなくて残念。それにしても、南蔵王青少年旅行村から不忘山、南屏風岳に至るコースがあるんですね。登山口から「よくぞここからあそこ(南屏風岳)まで登る人もいるもんだ」、と只々関心してきました。TCXさんは、このコース登られたことありますか?南蔵王山麓日七ヶ宿町には、良さそうな里山たくさんありそうですね。無線には適さないでしょうけど、蛤山、高千森山等、今度登ってみたいと思います。
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JA7RTG様 (jo7tcx)
2011-06-15 17:44:32

コメントありがとうございます。

体力はないのですが、この装備で試してみたいという一心で?なんとか登りました。人間、目的があるとがんばれますね。

ただ、実際の運用では、電源とかマイクとかコード類がごちゃごちゃしてやりにくいです。ちょっとした動作でも、家で予行演習した通りにはいきませんね。自分にはいつものハンディ機が身の丈にあっているなと感じました。

南蔵王青少年旅行村から登るコースというのは、まだ歩いたことはないです。白石スキー場からは水引入道を経由して南屏風岳、不忘山と回って白石スキー場に戻る、というルート(または逆回り)があります。健脚向きでこちらも踏破したことはないです。白石スキー場から不忘山または水引入道までは何度も登りました。上から2枚目の写真、スイスクワッドの下に写っている山が水引入道です。この山頂から仰ぎ見る屏風岳は圧巻ですよ。蛤山は以前誘われたことがありますが、都合がつかず、そのままになっています。蔵王周辺でも歩いていないルートはまだまだありますね。

日曜日はタイミングが合わなかったようで残念です。こちらは正午前に下山を始めて、芝草平でゆっくり写真を撮って帰りました。チングルマが見頃でした。

またお願いします。
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