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スパイダーコイル3端子ICラジオ

2014年10月04日 | ラジオ工作


 スパイダーコイル。懐かしい響きです。その昔、「ラジオの製作」とか「初歩のラジオ」に、このコイルを使ったキットが載っていたような記憶があります。科学教材社の広告。この会社、今も現役ですね。時々、レアな部品などの調達でお世話になっております。昔のままのキットも販売しており、一つ購入して作ってみようかとも思ったのですが、なにもキットを買わなくとも・・・ということで、手持ちの材料で科学教材社風ラジオを再現してみることにしました。


0.1mm×40本リッツ線 容量142μH



 スパイダーコイル自体は、以前に作ってそのままにしてあったものです。10cmの巻枠にリッツ線を巻いており、Qは高いと思います。とはいえ、さすがに無電源でこれ単体では何も聞こえません。バーアンテナならまだしも・・・。ということで、今回は3端子ICを使って1.2Vエネループ1本で鳴らしてみることにします。ネットの製作例などを見ると、3端子ICを使った回路が山ほど出ていますので、参考にさせていただきました。

 <材料>
・3端子IC SUMC TA7642 2918Y
・コンデンサ 0.01μF 0.1μF 10μF(電解コンデンサ)
・抵抗  100kΩ 3kΩ
・トランス ST-81 1kΩ:8Ω
・ポリバリコン 260pF
・スパイダーコイル 142μH
・ステレオイヤフォンジャック



 製作例をみると、ほとんどがセラミックイヤフォンを使っているようです。ICたった1個に1.2Vではセラミックイヤフォンが限界なのでしょうか? そんなこともないのでは・・・。今回もトランスを使ってオーディオ用イヤフォンにこだわってみます。一応、手書きの回路図を載せておきます。きわめてシンプルなストレートラジオ。オーディオイヤフォンを鳴らすためトランスの前に10μFを入れてみました。極性なし、+-どちらでも可。抵抗器については種々実験されての貴重なデータを拝見しましたが、手持ちの関係で上記の組み合わせとなりました。




3端子IC TA7642


 蛇の目基板に部品をハンダ付け。と言っても部品点数はわずか6個。ゲルマラジオとほとんど変わりません。ダイオードの代わりにICを使っただけ。これでちゃんと鳴ってくれるの? 基板、コイル、バリコン、トランス、電池ボックスなどをいつもの通りかまぼこ板に配置、配線し、完成。写真で見た科学教材社のキットと比べ、小ぶりな感じに仕上がりました。


完成

L金具にてコイル固定


 さっそくエネループを装着。スイッチはありません。電池を入れればオン。NHK仙台第一が元気よく聞こえきました。けっこうな音量。バリコンを回すと仙台第二が第一と混信気味に聞こえ、さらに回すと東北放送も聞こえてきました。さすがIC、ゲルマラジオとは比べものになりません。ゲルマラジオでは東北放送を聞きわけることはできませんが、これは外部アンテナなし、しかも室内で難なく受信できます。コイルの向きを変えたり、偏波面を変えたりすると、混信も気にならなくなります。こんな簡素なラジオでよく聞こえるものです。




 この3端子IC、高周波増幅が3段入って、AGC内蔵なんだとか。音もいいですね。たぶん、かなりの省エネでもあると思います。懐かしいスパイダーコイルには似つかわしくない性能・・・正直、驚いてしまいました。





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