日本裁判官ネットワークブログ
日本裁判官ネットワークのブログです。
ホームページhttp://www.j-j-n.com/も御覧下さい。
 



 バカにされたと感じると,すぐに手が出る少年がいた。今回も,同級生に殴りかかり,少しの怪我を負わせた。
 「コケにされると悔しい,誰でもそうだよ,だけど,負けるが勝ち,という言葉もあるじゃないか。」と語りかけた。が,
 「それ,どういう意味ですか?」という顔。
 「それはネ,えーとネ・・・,喧嘩で負けた方が勝っているんだよ・・・」なんだかよく分からない説明をしてしまう。
 ことわざが通じない。
 職場で長続きしない少年に,「石の上にも3年」なんて,いい言葉だと思うのだが。
 少し前,スピードを出し過ぎて事故を起こした少年に,慎重な運転を諭そうとして,「石橋を叩いて渡る,というではないか」と喋ったら,どうもピンと来てない様子。
 後で書記官に聞くと,「暴走族風の単車の二人乗りが,木刀で,石橋の欄干をコーン,コーンと叩きながら走っている,そんなイメージを持ったんじゃないですか」という。アチャー。

 そこで,老ジャッジは,現代の少年たちにも,分かりやすいことわざを考えた。
「どんな職場にも3年」
    (分かりやすいが,インパクトに乏しい)
「男は黙って負けるがいい」
    (ビールの宣伝じゃない!)
「石橋を渡るときでも,先日の地震でひびが入ってるかもしんないから,スピードを落として走ろうね」
    (長すぎる!!)
               (蕪勢)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )