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認知訴訟が急増の予感

2008年06月05日 | チェックメイト
昨日の国籍法違憲の最高裁大法廷判決を受けて、人事訴訟を担当する裁判官としては、今度は認知訴訟が激増することを覚悟しておかなければならないと思います。
なぜならば、これまでは外国人母・子側から日本人父に生後認知を求める訴訟を起こして勝訴しても、せいぜい養育費の請求が可能になるくらいでしたが、今後は強制認知の確定判決に基づいて届出さえすれば、父母の婚姻を要せずに日本国籍を取得することができるからです。いずれ法改正がされて、父母の婚姻以外の何らかの要件が新たに課される可能性はありますが、現時点では確実に日本国籍を取得することができる状態です。
それは良いことだと思いますし、DNA鑑定の飛躍的な発達によって、被告がこれに応じさえすれば、生物学的に父子である確率は「0%」か「99.9999…%」のいずれかで結果が出ますから、判断は極めて容易です(判決理由をたった1行で書くことさえ可能です)。
しかし、認知訴訟で被告が出頭しないとか、DNA鑑定に応じないなどという事例が頻発することが予想され、これをどうするかという問題がクローズアップされてきそうです。法改正の際には、この点の立法的手当も是非検討してほしいと思います。
(チェックメイト)