日本裁判官ネットワークブログ
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菊炭  


 裁判官の人生にとって転勤はつきものです。3~4年に一度,全国各地の任地に赴きます。これについては,ブログでも,メンバーが度々触れてきたことですが,この転勤の「副産物」の一つに,各地の歴史や産物等に触れることがあります。そして,それに触れていると,自分の管轄地域のことがよく理解できたりすることがあります。
 私は,先日,縁があって,所属の神戸地裁伊丹支部の管轄区域にある川西市の名物に,「菊炭」があるという話を聞きました。これは,クヌギの木を使った木炭の切り口に,菊の花のように美しい割れ目があるものです。興味があって,仕事が終わった後,生産農家の今西農園(http://andalpha.com/imanisi/index.htm)というところに,現物を買いに行ってきたのですが,その現物を手に取ると実に美しいものでした。観賞用にも使われるのでしょう。これは,お茶炭として有名なもののようで,私には,単なる産物ではなく,芸術品の一つのような気がしました。そして,その歴史を調べていると,北摂地域と木炭の関係がかなり古いものであることがよくわかり,また,この地域の他の産業(銀銅の精錬業)と深い結びつきがあったこともよく理解できました。そして,川西市には,木炭と関係する地名が,今でも残っているのです(今西農園は「黒川」というところにあります。)。ちょっとしたご縁で,管轄地域のことが理解できるのはとても嬉しいものです。
 ただ,歴史や産物等に興味を持って地図をながめていると,「あれ,この地名は,例の交通事故の件の現場付近の地名だなあ」などと気づくことがあり,悲しい裁判官の性(さが)と思うこともよくあります。(瑞祥) 

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