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審判について

2008年01月13日 | あすなろ
      
 中東に有利な判定があったとして国際ハンドボール連盟が北京五輪アジア予選を東京でやり直す異例の決定をした。「中東の笛」といわれる偏頗な審判がなされたと指摘されている。
ハンドボールだけでなく、サッカー、バスケットボール等多くのスポーツ競技においては、審判が反則をとるかどうかで試合の流れが変わり、たちまち勝敗に影響する上、不服申立もできないから、審判は絶対者である。
 柔道でも、国際試合において、日本選手が一本勝ちしたはずなのに逆に負けの判定をされてしまったと思われる場面を一度ならず見た。
 
 不服申立の点では、国技である相撲において、行司の判定に対し、「物言い」という不服申立により審判役が合議して判断するのが興味深い。
 
 審判に対し誤審をしないための訓練や研鑽がなされているようであるが、一瞬の場面では、見る角度等によって判定を誤ってしまうこともあるだろう。
 先回のワールドカップでは、多くの中から選ばれて日本人の審判が出場した。檜舞台の審判に選出されるまでの過程を収録した報道番組を見たが、選手以上の過酷なトレーニングを積まなければ一流の審判にはなれないことを知った。
試合の流れをつかみ、選手以上に走りまわって、たえずボールを中心とする現場に自己を位置させ、選手の動きを正確に把握できる角度に目線をおいておかねばならない。

 テニスの試合では、セルフジャッジが主流になってきた。
 自己のコート側のボールについての判定は自らがすることになるが、スポーツマンシップに則り、疑わしきは自らに不利益に判定することになる。第三者審判の方が自己に有利になる場合もある。
 
 裁判の場合、我が国においては廉潔性に信頼をおくことができ、手続保障があって、原則として不服申立ができ誤審が是正される途が確保されている点で、前記のスポーツ審判の場合とは似て非なるものがある。
 廉潔性の伝統を揺るがすことなく、自らも汗を出して正しい位置に目線を保ち、健全な裁判官シップに則った仕事をして行きたいものと思う。
 (あすなろ)