日本裁判官ネットワークブログ

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個人情報について

2008年01月06日 | あすなろ
あっという間に年末、年始が過ぎた。

判決起案、決定書起案をするために借出手続きをして重い記録を持ち帰っていたが、そのうちの約半分はそのまま裁判所に再運搬する羽目となる。
そのしわ寄せによる過密スケジュールを覚悟しなければならない。
 
この間、届いた500通余りの年賀状から、送り主の住所、電話番号、家族の変化、近況等の情報を住所録に書き込んで整理しているが、この個人情報の管理には注意を要する。

 一昔前は、裁判所関係者に年賀状等を送付する際には、発行される名簿を見て住所を記載していた。
しかし、最近は、不測の事態を懸念して、当該名簿には裁判所の住所しか記載しない人が多くなったため、自己の持つ住所録によらなければ住所が判明しない状況になってきた。職員同士で個人的な連絡をとるには不便な面がある。
 
 学校関係でも誘拐事件等不測の事態を懸念して、生徒の住所録あるいは連絡票の作成をしなくなって久しい。保護者相互で連絡が取り合えないのみならず、学校側から生徒の保護者に対して連絡をとることも困難になっていると聞く。
そのために、保護者相互、学校保護者間の交流が妨げられているとしたら改善を要する。

 個人情報保護法が制定されてから、本来伝えられるべき個人情報までもことさらに秘密にされたり、法の射程範囲を超えて過剰に個人情報の規制がなされ、窮屈になってしまった面があるように思われる。
 
 その一方で、簡単に個人情報がハッカーや取引等によって流出しているようである。
 私のところへも、どこから私の住所や電話番号を知ったのか、先物取引の勧誘や、不動産投資の勧誘が再々ある。
あまり気分はよくないが、勧誘の実態を体感することができて仕事上の参考にはなる。
(あすなろ)

今年の予定(司法)

2008年01月06日 | 瑞祥
 お正月なので,目だったニュースもありませんでしたので,今日は,今年の司法の予定について書き込みをします。ただ,参考になる新聞をみても,司法に関しては,行政や外交ほど目立った予定の掲載はなかったですね。例えば,朝日新聞では,「2008年 主な日程予定」(1月1日号)として,1月から12月まで,合計で110項目を超える数の掲載していますが,そのうち司法関係は次の4項目でした。
1月8日  福岡市の3児死亡飲酒運転事故で判決(福岡地裁)
2月26日 あっせん収賄などの罪に問われた鈴木宗男衆議院議員に対する控訴審判決(東京高裁)
4月22日 山口県光市の母子殺害事件差戻控訴審判決(広島高裁)
6月11日 G8サミット司法・内相会合(~13日 東京)
 司法の場合,次の期日は前の期日で定めることが多いので,先を見通した日程が組めないのが実情でしょうね。民事の計画審理や刑事の公判前整理手続が定着すれば様変わりするかもしれません。
 ところで,新聞にはあまり触れられていませんでしたが,今のところ,司法における今年の一番の予定は,来年5月までに始まる裁判員裁判の候補者名簿の作成が,今年中に始まることではないでしょうか。最高裁のHPによると,12月ころまでに,「選挙権のある人の中から,翌年の裁判員候補者となる人を毎年くじで選び,裁判所ごとに裁判員候補者名簿を作ります。この名簿に載った方には,その旨を通知します。」とのことです。報道によると,10月には,通知がなされ,殺到することが予想される問い合わせに対して,11月~12月にかけて,コールセンターを設けるようです。今年は,これが一番のニュースになりそうです。併せて,裁判員裁判の準備が昨年と同様進められることになるでしょうが(当ブログの昨年12月29日欄を参照して下さい。),その中でも,取調過程の可視化の動きがもっとも注目されるのではないでしょうか。 (瑞祥)