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ことわざ考 その10

2015年06月28日 | ブログ
高慢は出世の行き止まり

 「自惚れと瘡気の無い者はない」といわれる。西洋では「ロバでさえ自分のいななき声がいいと思っている」というらしい。ロバのいななきではないが、多少の自惚れくらいは可愛げがあって却って良い場合もあろうが、まさに高慢となって、周囲を見下すのは顰蹙ものである。

 仕事でも、習い事でも多少腕に覚えが出てくるとおかしくなってくる輩がいる。おかしくなるレベルで大体その人物の器が知れるものでもある。天狗になれば、周囲の鼻つまみとなり、誰も何も教えてくれなくなる。それ以上の成長が見込めなくなる。まさに「高慢は出世の行き止まり」なのである。

 「鷹のない国では雀が鷹をする」とか「貂(てん)無き山に兎ほこる」などとも言うが、本来鷹や貂でなければならない上司が、無難を旨とする組織では、雀踊りの鷹気分を見て見ぬ振りして、思い上がり者を放任するからけじめが付かず無駄が減らない。

 国家だってそうだ。隣国の思い上がり振りなどその最たるものだが、国内の「原発反対」、「米軍基地反対」、「安保法制反対」と左翼系マスコミに扇動されて、この国の存在を危うくさせている机上の空論平和主義者の思い上がりには虚しくなる。自分達は正しいと思っているから質が悪い。はっきり言って、物事を総合的に捉える視点が全くできていない。物事を各論ごとに○×でしか評価しない習性がある。誰だって戦争などしたくないし、平和のありがたみは言われなくても分かる。ただ、隣国があんたの国の領土・領海は、実はうちの国の固有の領土で、核心的利益だと言っている現状を無視して、憲法論議の神学論争で、政府の備えを批判することは、結果として敵国に阿るだけだということが分かっていない。学者馬鹿、ここに至れりである。

 「川立ちは川で果てる」、「泳ぎ上手は川で死ぬ」、「河童の川流れ」、「粋(すい)が川へはまる」など、上手な者のほうが、却って失敗することが多いということわざは数ある。人は得意分野で失敗するものだから用心しなさいとの警句でもある。失敗の陰に慢心はないだろうか。憲法学者は憲法解釈で馬脚を現す。

 民主主義だ、民意は辺野古に基地を作らせないと言っている。それなら普天間が残るだけになってしまう。沖縄はまるで植民地だ。琉球王国の昔に還り、中国とも日本とも交易を行い、基地のない島で平和に暮らしたい。気持ちは分からぬでもないが、米軍を追い出せば、代わって人民解放軍が来るだけの話しではないのか。沖縄県の知事やマスコミは辺野古反対を政府に訴えるなら、中国にも尖閣諸島対応の新基地建設や、南シナ海の埋め立て、尖閣諸島周辺の領海侵犯などに都度激しく抗議すべきではないのか。それが通るなら、沖縄の米軍基地縮小が可能となろうに。

 民主主義という御旗を掲げ、民意こそが国家を動かすとの傲慢(衆愚政治)が、蛮族の侵攻を許し、成熟した文明は滅んでゆくことは歴史が教えている。まさに民衆の高慢は国家の行き止まりでもある。




 本稿は、農学博士/折井英治編、暮らしの中の「ことわざ辞典」株式会社集英社、昭和56年4月第二版第35刷 を参考にしています。
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