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琉球人遺骨返還求め京大を提訴へ 子孫ら「26体を盗掘」

2018-11-29 | ウチナー・沖縄
京都新聞 【 2018年11月28日 09時10分 】
 昭和初期に京都帝国大(現京都大)の人類学者が沖縄県今帰仁(なきじん)村にある地元の首長を葬った「百按司(ももじゃな)墓」から研究目的で持ち去った琉球人遺骨の返還を求めて、首長の子孫や沖縄県出身の大学教授らが、京都大を相手取り、来月4日に京都地裁で遺骨の返還訴訟を起こすことが27日、分かった。大学を相手にした遺骨返還訴訟は、アイヌ民族の訴訟に続き全国2例目で、琉球人遺骨を対象にした訴訟は初めて。
 先住民の遺骨を巡っては各地で返還の動きが出ている。違法に収集されたとも指摘されている遺骨の扱いを長年曖昧にしてきた大学の責任が、司法の場で問われることになる。
 訴状などによると、返還を求める遺骨は、1929(昭和4)年に京都帝国大医学部解剖学教室助教授だった金関(かなせき)丈夫氏(1897~1983年)によって百按司墓から持ち出された少なくとも26体(男性15体、女性11体)の骨。墓内に琉球式の風葬で葬られていたとみられるが、金関氏が墓を管理する親族らの許可を得ずに、盗掘したとしている。遺骨は、現在も京大が人骨標本の研究材料として、何ら権限なく占有していると主張している。
 原告となるのは、15世紀に琉球王朝を開き、同墓に埋葬されたとされる第一尚氏の子孫2人と、沖縄県出身で琉球民族遺骨返還研究会代表の松島泰勝・龍谷大教授ら計5人。子孫たちは墓の所有権を有する民法上の「祭祀(さいし)承継者」にあたり、持ち出された遺骨を管理する立場にあると主張。沖縄県出身の原告3人は、国際人権法などに基づく先住民族「琉球民族」の立場で、憲法13条が保障する自己決定権や民族的・宗教的アイデンティティーが侵害されたとして、返還を求める。
 今帰仁村教育委員会によると、同墓は16世紀以前に成立していたとみられ、琉球の葬制を知る上で最古級の文化財とされる。同教委は2004年、同墓の文化財調査の一環で、墓から持ち出されたとみられる人骨26体が京都大総合博物館で保管されていることを確認している。
 京都大は、京都新聞の取材に「総合博物館の所蔵品の全てを把握していない」と遺骨が今も保管されているかは明言せず、「今帰仁村教委から協議の要請を受け、対応について検討中」としている。
https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20181128000026

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琉球王朝の子孫ら、京都大に遺骨の返還求め提訴へ

2018-11-29 | ウチナー・沖縄
朝日新聞 11/28(水) 16:01配信
 旧京都帝国大(現京都大)の人類学者が1929年、沖縄県今帰仁村(なきじんそん)の墓から少なくとも26人の遺骨を研究目的で持ち去ったとして、琉球王家の子孫ら5人が12月4日、京大に遺骨の返還を求める訴訟を京都地裁に起こす。原告弁護団は「琉球民族の遺骨返還を求める訴訟は全国で初めて」としている。
 墓は91年に村の指定文化財になった「百按司(ももじゃな)墓」。村教委によると、1406~69年に沖縄を治めた王家「第一尚氏(しょうし)」に関係する人が埋葬された。京都帝大医学部の金関丈夫(かなせきたけお)助教授(1897~1983)が1929年、遺骨の特徴を調べて日本人の成り立ちを探ろうと持ち帰り、村は26人の遺骨が京大総合博物館にあると確認しているという。
 原告は第一尚氏の子孫2人と、琉球民族遺骨返還研究会代表の松島泰勝(やすかつ)・龍谷大教授(地域経済論)ら沖縄出身者3人。遺骨の返還と原告1人あたり10万円の慰謝料を求める。警察や行政の許可は得たが、地域住民の合意は得ていなかったと主張する方針だ。原告側は昨春以降、京都大に遺骨の保管状況を尋ね、返還を求めたが、京都大は「問い合わせや要望には応じかねる」と返答したという。
 松島教授は「琉球人にとって遺骨は死者の霊魂そのもの。信仰を守るため返還が必要」と話す。京都大広報課は「提訴に関してはコメントを差し控える。所蔵品は順次調査をしているが正確な把握に時間を要し、個別の問い合わせに応じるのは難しい」としている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181128-00000049-asahi-soci

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八戸の元教員向谷地さん「縄文語あれこれ」出版 2弾・3弾も構想

2018-11-29 | アイヌ民族関連
八戸経済新聞2018.11.28
 青森県南地方の地名などに残っている「縄文の言葉」を八戸市在住の向谷地芳久さんがまとめ、10月29日、書籍「縄文語あれこれ 気にかかる地名と言葉」として出版した。
 向谷地さんが考古学に興味を持ったのは高校生時代。高校社会科教員として勤務時代は部活動(空手道)の指導に時間を取られ、考古学の知見を書籍にまとめようと思ったのは退職後。「縄文人の心が知りたい」との思いから自ら直接各地に出向きフィールドワークを続け記録を蓄積した。「鮫が捕れたから鮫町」などの間違った情報が流布し続けていることに心を痛めていたことも、書籍発行のモチベーションになったという。
 書籍では地名のみならず生活に関わる言葉を分かりやすく解説。青森県南地方のアイヌ語からの影響も詳しく解説する。
 「年々、自然も生活環境も変わり、それに伴い地名や私たちの生活も変わってきて言葉も変わった。もともとの言葉はどういう言葉だったのか、語源は何だったのか、昔の人たちはどういう気持ちでこの言葉を使っていたのかをまとめてみたら、行きつく先は縄文の言葉だったと気が付いた」と向谷地さん。「まだ半分も記録できていない。10年以内の出版を目指し、第2弾・第3弾を執筆中。多くの人に読んでいただければと思う」と続編の構想もある。
 販売場所は伊吉書院八戸類家店(八戸市南類家1)、同八戸西店(河原木)、カネイリ本店(番町)、同イオン下田店(おいらせ町)、成田本店湊高台店(湊高台2)、是川縄文館(是川)、洗心美術館(長苗代)。1,620円。
https://hachinohe.keizai.biz/headline/954/

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川俣町旧避難区域の学校で文化祭 8年ぶり、福島

2018-11-29 | アイヌ民族関連
上毛新聞 [2018/10/27]
 東京電力福島第1原発事故による避難指示が解除された福島県川俣町の山木屋地区で、今春再開した山木屋小学校と中学校が27日、文化祭を開いた。地区での開催は8年ぶり。
 会場の体育館には住民ら約60人が集まった。英語弁論の部で地域伝統の和太鼓を紹介した中学3年の高野大祐さん(14)は「練習を続け、失われた山木屋の7年間を取り戻せるようチャレンジしていきます」と話すと、拍手が湧いた。小学生5人は北海道でアイヌ民族の伝統文化を学んだことなどを寸劇を交えて発表した。
 山木屋地区は町で唯一の避難指示区域となり、昨年3月末に指示が解除された。
https://jomo-news.co.jp/news/domestic/society/88552

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IR「優先候補は苫小牧」 推進派に配慮/根強い反対論 知事は判断回避も

2018-11-28 | アイヌ民族関連
北海道新聞 11/27 09:13 更新

 道は26日の道議会で、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)について、苫小牧市を優先候補地とする考え方の素案を示し、誘致に前向きな姿勢をにじませた。高橋はるみ知事は反対世論を意識し、来春までの任期内に誘致の是非を判断しないとの見方が強まるが、素案では推進派に配慮したとみられる。今後は全国の状況も絡み、道が結論を出すまでに時間がかかる可能性もある。
 「半歩前進した。これから道が進める意見集約に注目したい」。苫小牧市の岩倉博文市長は26日、道の素案提示を歓迎した。これに対し、後志管内留寿都村は「苫小牧と情報を共有し、諦めずに2番手を目指す」(企画観光課)、釧路市は小規模な「地方型IR」の誘致に「苫小牧と連携して引き続き取り組む」(産業振興部)としている。
 知事はIR誘致に前向きとされるが、北海道新聞社の10月下旬の全道世論調査では誘致反対が65%を占めた。道議会の与党内にも根強い慎重論があり、これまで態度を明らかにしていない。道の有識者懇談会の議論を踏まえ、誘致の是非を判断する意向を示す。
 議論をまとめる懇談会の次回会合は年明けごろの見通し。知事は来夏の参院選道選挙区の自民党候補の一人に目されており、「選挙への影響も考えて任期内には判断できない」(自民党道議)との観測が広がる。
 一方、苫小牧市の経済団体や道議会自民党の推進派などは道に議論の進展を求め続けている。道が素案で苫小牧の優位性に言及したのも「賛否を決めていない中、ぎりぎりの表現で議論が前に進んでいるよう見せたかったのでは」(野党道議)との見方が出ている。
 IRと国際博覧会のセット誘致を目指してきた大阪府と大阪市は、2025年万博の大阪開催の決定を受けて勢いづく。IRの24年開業に向けて準備を急ぐ方針だ。
 政府内では全国3カ所のIR認可枠のうち、ひとまず大阪だけを1次認可する案も浮上。認可が2段階になれば、2次認可の時期は遅れるとみられ、道庁内からは「判断まで時間の猶予が生まれる」(幹部)との声も出ている。(内藤景太)
 <ことば IR>Integrated Resortの略称で、カジノを中核に展示場やホテル、会議場、劇場、商業施設などを併設する統合型のリゾート施設。開設するのは民間会社だが、都道府県が申請し、最終的に政府が全国で最大3カ所を認可する。大阪、長崎、和歌山、横浜などが候補地とされ、道内では苫小牧市、後志管内留寿都村、釧路市の3自治体が誘致に名乗りを上げている。
■有識者懇議事録、道がHPで公表
 道は、IRに関する有識者懇談会の議事録を道のホームページ(HP)で公表している。これまでの3回の会合では優先すべき候補地やギャンブル依存症対策などについて議論している。議事録には発言者の名前も記載されており、議論の詳細を閲覧できる。HPのアドレスはhttp://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/ir/experts_meeting.htm
■海外企業、アイヌ民族と協働構想も 苫小牧でPR過熱
 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)を誘致している苫小牧市で、海外IR運営企業の売り込みが活発になってきた。開発構想を公表した6社の中には「アイヌ民族との協働」を掲げる社もあり、PRは熱を帯びる。一方、苫小牧市は市民に対し、海外企業の計画内容の詳細を説明していない。市民理解が進まず、知事の誘致判断の時期も見通せないにもかかわらず、先行する海外企業の動きが際立っている。
先住民族が運営 9月下旬の日高管内新ひだか町。アイヌ民族の英雄、シャクシャイン法要祭の会場に米フロリダ州の先住民セミノール族が初めて参加し、アイヌ民族の団体幹部に文化や歴史について質問をした。懇談はわずか10分。アイヌ民族関係者は「単なる文化交流」と思っていた。
 だが、3週間後の10月15日、苫小牧市で開かれた海外IR企業の構想発表で、米娯楽企業の日本法人ハードロック・ジャパン社の担当者は「弊社の親会社に関係するセミノール族の首長が先月、アイヌ民族の方と文化交流し仲良くなった」と地元企業関係者ら約150人を前にアピールした。
 米娯楽企業大手ハードロック・インターナショナルの親会社は、セミノール族がルーツのリゾート運営会社「ザ・セミノール・トライブ・オブ・フロリダ」。この日の構想発表に参加した米4社のうち、ハードロック社を含む3社はいずれも先住民が経営に携わる「インディアンカジノ」だ。
 国内外のIR事情に詳しい大阪商業大の美原融教授は「米国では先住民が自治区を持つ居留地で、賭博行為を合法化し先住民がカジノを運営する事例が多い」と話す。インディアンカジノは全米で大小合わせ500カ所あり、一般的な商業カジノとほぼ同数に上る。
 構想発表は8月も開かれ、10月と合わせ6社が参加した。このうちインディアンカジノ系の3社はいずれもアイヌ民族との協働を口にした。出席した地元企業関係者は「IRとは関係ないアイヌ民族を持ち出すとは。売り込みに貪欲だ」と驚いた。
進む事務所開設 各社は苫小牧での事務所開設も進める。カナダのIR投資会社クレアベスト社が今年1月に事務所を開設。ハードロック社は来年1月の開設を目指す。他2社も事務所を設ける予定だ。
市民からは疑問 一方、市民の多くはIRへの関心が薄く、慎重な意見も根強い。
 「IRはカジノさえなければ誘致してもよい」「苫小牧の街中に人が来てくれるのか」「ギャンブル依存症対策はどうなっている」。誘致を目指す苫小牧市が市民の理解を得るため、10月下旬に開いた市民説明会では、IRへの疑問が相次いだ。
 市は説明会を市内17カ所で順次開き、6月に公表した「苫小牧国際リゾート構想」を提示した。新千歳空港に近い植苗地区を候補地とする構想は、苫小牧にふさわしい整備内容をまとめ、IR企業に実現を求めるのが狙い。ただ、市国際リゾート戦略室は「まずはIRそのものを理解してもらうのが説明会の目的」と言い、IR企業の動向や事業計画には積極的に触れていない。
 過熱気味の海外企業の動向が市民に十分伝わらない現状に、「カジノ(賭博場)誘致に反対する苫小牧市民の会」の篠原昌彦共同代表は「利益の多くが海外企業に持っていかれ、苫小牧経済には残らないのではないか。市は海外企業の動きをすべて市民に説明する責任がある」と指摘した。(山田一輝、田鍋里奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/251989

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米宣教師を殺したセンチネルは地球最後の「石器人」

2018-11-28 | 先住民族関連
American Missionary Body Still on Remote Island: Police
ニューズウイーク2018年11月27日(火)16時30分デービッド・ブレナン

地球上で最後の石器時代を生きるといわれるセンチネル族 BBC News
<接近が厳しく制限されているインドの離島で殺害された米国人の遺体は先住民保護のため収容断念となる可能性も>
インドの北センチネル島で先住民に殺害された米国人宣教師ジョン・アレン・チャウの遺体は、今も収容できていない。最古の推定では6万年も前からこの島で暮らしてきたといわれる「貴重な」先住民、センチネル族を傷つけかねないからだ。
AP通信によれば、11月21日にチャウが殺害されたとの見解を発表したインド当局は、アンダマン・ニコバル諸島に属するこの離島に船舶を派遣。同島で暮らす先住民、センチネル族と衝突することなく、チャウの遺体を収容する計画を作ろうとした。
今も石器時代の暮らしを続ける地球上で最後のコミュニティーとされるこの先住民は、外部との接触に強い抵抗を示している。遺体収容のためとはいえ不用意に近づけば、互いにさらなる犠牲者が出かねないことをインド当局は懸念している。
アンダマン・ニコバル諸島を管轄する警察のトップであるデペンドラ・パタックは、センチネル族は「宝だ」として「島に乗り込んで我々のやり方を押しつけることはできない」と説明した。「彼らに害を及ぼすようなことはしたくない」
チャウは11月半ば、地元の漁師にカネを払って手助けして貰い、上陸が禁止されている同島を訪れて殺害された。彼が最後に書いた複数の手紙には、島の住民にキリスト教を布教したいという思いと、地元漁師の船を拠点にして複数回、島に上陸したことが記されていた。
遺体が埋められるのを漁師が目撃
またこれらの手紙には、センチネル族との緊迫したやりとりがあったことも書かれていた。ある時はセンチネル族の若者がチャウに向けて放った矢が、彼が持っていた聖書を射抜いたという。
それでもチャウは11月16日に再び北センチネル島に接近し、漁師たちに「船には戻らない」と告げて島に上陸した。翌朝、漁師たちは先住民がチャウの遺体を引きずって運び、海岸に埋めるところを見たという。その後、チャウが島に接近するのを手引きした罪で7人の漁師が逮捕された。
11月23日と24日には警察や当局者がボートで同島に接近し、双眼鏡でセンチネル族の様子を観察。パタックによれば、彼らは弓矢で武装していたものの、過去に接触が試みられた際のように火をつけた弓矢を放ってくることはなかったという。「我々は離れた場所から彼らを観察し、彼らも我々を観察していた」とパタックは説明した。
当局者たちは今もチャウの遺体の収容を諦めていないが、センチネル族は過去にも島を訪れた外部の人間を殺害しており、それらの遺体はいまだに収容されていない。
2006年には、船で眠っていた2人の漁師が北センチネル島に漂着。センチネル族はこの2人を殺害し、その遺体を海岸に埋めた。遺体収容のためにヘリコプターで接近したが、弓矢で追い払われたという。
インド政府は、先住民を病気や搾取から守るために島の周囲およそ4.8キロを立ち入り禁止にするなど、北センチネル島への接近を厳しく制限している。このため同島に暮らす先住民の正確な数は分かっていない。
「島で何が起こったのか、センチネル族が何をしたのかを注意深く調べている」とパタックは説明した。「複数の人類学者の協力を得て、どのような善意の意思表示ができるかを検討している」
さらに彼はこう続けた。「先住民側から、彼らの生活に支障をきたすことなく接触する方法が提案されなければ、遺体収容は難しい。彼らと対立するつもりはない」
当局者や人類学者たちは過去に何度か、センチネル族にココナッツやバナナの贈り物を届けて限定的な接触を試みている。センチネル族は贈り物を喜んで受け取ったこともあったものの、それ以上の交流は頑として拒んできた。
デリー大学の教授で人類学者のP.C.ジョシはAP通信に対して、チャウがどのような状況で死亡したのかを知るためには、遺体を収容することが重要だと語った。だが加害者を「訴追することはできず」、また北センチネル島は高温多湿なため、早くしなければ遺体の腐敗が進み、収容も分析も「無益な試み」になるだろうとも指摘した。
(翻訳:森美歩)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/11/post-11344.php

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キューバ人医師の派遣打ち切り 500市以上で医師不在の可能性

2018-11-28 | 先住民族関連
サンパウロ新聞 2018年11月27日 35
 キューバ政府が連邦政府の医師派遣プログラム「マイス・メジコス」からの離脱を決定したことによる影響について全国自治体連合(CNM)が行った調査で、同プログラムへのキューバ人医師派遣の打ち切りにより、極度の貧困状態にある国内の500以上の自治体で医師が不在となる可能性が指摘された。UOLニュースサイトが23日付で伝えた。
 調査結果によれば、極度の貧困状態にあるとされる577の自治体で、同プログラムに参加したキューバ人医師のみが活動している。そのほとんどは北部および北東部の自治体で、世帯1人あたりの収入が77レアル未満の住民が30%以上を占めている。これらの自治体では、キューバ人医師の帰国により、合計で1348人の医師を失うことになるという。
 同連合は、国内の1479市でキューバ人医師のみがこのプログラムで派遣されており、これらの都市の80%は人口2万人以下の小規模都市で脆弱な地域に位置していると指摘している。
 キューバ政府の決定に伴い、既にキューバ人医師達は全国の医療施設での活動を停止し、キューバへの帰国が始まっている。12月上旬までに全てのキューバ人医師がブラジルを離れる予定だという。
 ブラジル政府はキューバ人医師の代わりを務める医師を雇用するため、21日からブラジル人医師、または国内で有効な医師免許を有する医師による登録受付を開始している。
 CNMによると、最も大きな影響を受けた自治体は北東部セアラー州地方部のグランジャ市(人口約5万5000人)で、12人のキューバ人医師がこのプログラムから派遣されていたという。北東部マラニャン州のコエーリョ・ネト市(人口約4万6000人)では10人のキューバ人医師が帰国する予定だという。
 バイーア州では、このプログラムから派遣されたキューバ人医師のみが活動していた80以上の市が、同プログラムによる医師を失う事になるという。同州保健局審議会によれば、同州内では317市がこのプログラムによる医師派遣を受けており、854人のキューバ人医師が活動している。
 キューバ政府による同国人医師派遣打ち切りの決定は、先住民族にも大きな影響を及ぼしている。
 汎米保健機構によると、先住民達の村では計300人のキューバ人医師が活動している。この数は、先住民グループの保健医療で活動する医師の75%を占める。19州にまたがるこれらの離れた地域で働く事を希望する医師達を見つける事は困難だという。
 北部アマゾナス州は、これらの先住民特別衛生地区が78カ所と最も多く、以下、マット・グロッソ州が35カ所、パラー州とロライマ州がそれぞれ26カ所などとなっている。
http://saopauloshimbun.com/キューバ人医師の派遣打ち切り%E3%80%80%EF%BC%95%EF%BC%90%EF%BC%90市以上で/

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米国環境NGO RAN声明:東京五輪「持続可能性に配慮した木材の調達基準」改定

2018-11-28 | 先住民族関連
〜SDGs目標、2020年まで「森林破壊ゼロ」達成には不十分〜
CNET Japan (2018/11/12)
レインフォレスト・アクション・ネットワーク 2018年11月27日 19時00分 [ レインフォレスト・アクション・ネットワークのプレスリリース一覧 ]

環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都新宿区、以下RAN)は、本日27日、東京2020組織委員会の作業部会で「持続可能性に配慮した木材の調達基準」改定案が26日に提案・了承されたことを受けて、森林の農地等への転換に由来する「転換材」の排除が明記されたことを歓迎するも、合法性以外の基準が適用されない再利用コンクリート型枠の継続利用といった「抜け穴」が残されているなど、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標達成には不十分であるとして、以下の声明を発表しました。
今回の「持続可能性に配慮した木材の調達基準」改定案に、森林の農地等への転換に由来する「転換材」の排除が明記されたことは評価できる。現在、森林減少の主な要因はパーム油などのための農地への転換のため、持続可能性を担保するには転換材の排除は不可欠である。
しかしながら、既存の基準にも「中長期的な計画又は方針に基づき管理経営されている森林に由来する」との記載がある。アブラヤシ農園などの開発のために天然林の大規模な皆伐を伴う森林の土地利用転換はそもそも中長期的な計画に基づいた森林管理とは程遠く、実質的に「転換材」は排除していると考えられる。よって、今回の改定は明示化とは言えるが、大幅な変更とは言えない。一方、持続不可能で権利を尊重していない木材の使用を許す「再利用」コンクリート型枠合板の「抜け穴」が引き続き残ることを提案している。東京2020組織委員会はSDGsへの貢献を約束しているが、このままでは2020年までに「森林破壊ゼロ」を掲げる「目標15: 陸の豊かさも守ろう」への貢献にも支障が出る。
今年5月、有明アリーナの建設現場で、インドネシア企業コリンド社製造の型枠用合板が使用されていることが見つかった。RANの調査では、日本向けに合板を輸出している同社工場の原料の約4割は、樹木を全て伐採する「皆伐」による転換材であることがわかっている。コリンド製型枠合板が見つかったのは有明アリーナのみであるが、新国立競技場のインドネシア産合板も転換材に由来していた可能性が高い。これらの木材は、既存の「持続可能性に配慮した木材調達基準」を満たしておらず、東京2020組織委員会をはじめ、有明アリーナを管轄する東京都、新国立競技場を管轄する日本スポーツ振興センター(JSC)が今後どのように対応するかが課題である。
また、改定案では、サプライヤーについて以下の記載も追加された。
「サプライヤーは、伐採地までのトレーサビリティ確保の観点も含め、可能な範囲で当該木材の原産地や製造事業者に関する指摘等の情報を収集し、その信頼性・客観性等に十分留意しつつ、上記 2 を満たさない木材を生産する事業者から調達するリスクの低減に活用することが推奨される」
調達基準を満たさない「木材」だけでなく、基準を満たさない「企業」からの木材調達をリスクとして捉えるリスク低減措置も言及された。そのような措置が言及されたことは進歩だ。しかしトレーサビリティ確認による合法性に関するリスク低減措置は、EU木材法(EUTR)や米国のレイシー法ではすでに義務化されているため、改訂では「推奨」ではなく「義務」とすべきだった。さらに、リスクに基づいたデューデリジェンス、伐採地の森林まで遡る完全なトレーサビリティ、および木材サプライチェーンの合法性及び持続可能性に関する第三者検証を要求すべきであった。
◆改定では修正されなかった問題点◆
●合法性の証明については、「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」(グリーン購入法)と関連する「木材・木材製品の合法性、 持続可能性の証明のためのガイドライン」に沿って行うという規定が改定案に残っている。これらは証明書類のリスク評価やデューデリジェンスが欠けていると広く批判されており、国際的に認められている基準を大きく下回る。
●「先住民族や地域住民の権利に配慮」する基準に「 自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意」(FPIC)に関する検証が含まれなかったこと。紙やパーム油の調達基準にはFPICは含まれていた。
●認証材向けに3割まで利用可能となっている非認証材について五輪の木材調達基準への適合の評価について含まれなかったこと。
参考:RANプレスリリース「新報告書『守られなかった約束』発表 〜東京五輪木材供給企業コリンドの熱帯林破壊、 違法伐採、人権侵害が明るみに〜」(2018年11月12日)リンク
レインフォレスト・アクション・ネットーク(RAN)
https://japan.cnet.com/release/30282980/

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北斗星(11月27日付)

2018-11-28 | アイヌ民族関連
秋田魁新報2018年11月27日 掲載
 塩を採るためにかき集める海藻を「藻塩草(もしおぐさ)」という。「書き集める」に通じることから古くは和歌集や俳句集の多くに「藻塩草」の名が付いた
▼秋田市の県立博物館で開催中の企画展「キムンカムイとアイヌ」に、にかほ市象潟郷土資料館の「蝦夷(えぞ)方言藻汐(しお)草」が展示されている。キムンカムイはアイヌ語でヒグマを指す。目を引く品の一つが、アイヌ民族が使った単語を18世紀末にまとめた辞典の写本「象潟藻汐草」。原本の約2700語に加え約600語の書き込みがあり、資料価値が高い
▼象潟は北前船の寄港地・塩越湊があった地域。交易や漁で多くの人が北海道に渡った。先の写本は現地でアイヌ語通訳を務めた象潟出身者が残した
▼会場には19世紀前半の作とされ、同市に残るアイヌの衣装も並ぶ。展示に携わった北海道大学アイヌ・先住民研究センターの山崎幸治准教授(43)によると、織りが細かく保存状態は良好。北海道にもない貴重な物だという
▼アイヌの工芸品は国内外にあるが、製作時期が特定できず研究は進んでいない。山崎准教授は「収集年代が分かる象潟の物はデザインや技術の変遷を調べる手がかりになる」と話す
▼にかほのほか能代、男鹿、秋田、由利本荘の計5市は日本遺産「北前船寄港地・船主集落」に認定されている。アイヌの文物をはじめ、北前船の交易の遺産は本県の歴史をひもとく上でも興味深い。互いに連携して見せ方を工夫すれば、観光振興にもつながるのではないか。
https://www.sakigake.jp/news/article/20181127AK0010/

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会場は爆笑の渦に/みゃ~く方言大会

2018-11-28 | アイヌ民族関連
宮古毎日新聞 2018年11月27日(火) 8:58
多くの市民が訪れ、宮古方言を心ゆくまで楽しんだ=25日、マティダ市民劇場
歴代チャンプ8人が集結
 「鳴りとぅゆんみゃ~く方言大会歴代チャンピオン大会」(主催・宮古島市文化協会)が25日、マティダ市民劇場で行われた。第1回大会優勝者の砂川徹雄さんをはじめ、8人の歴代チャンピオンが登壇し、流ちょうな宮古方言と卓越した話術で会場を爆笑の渦に巻き込んだ。
 発表者は砂川さんのほか、▽下地政吉さん(第25回大会)▽池間安子さん(第24回大会)▽池田健吉さん(第15回大会)▽阪井秀和さん(第2回大会)▽砂川辰夫さん(第14回大会)▽セリック・ケナンさん(第22回大会)▽長間三夫さん(第20回大会)。
 池間安子さんは還暦を迎え、真っ赤な衣装で登場した。5人の孫との会話をユーモアたっぷりに伝え、観客を爆笑させた。
 会場は、この日も多くの市民で埋め尽くされた。歴代チャンピオンが話す巧みな宮古方言を心ゆくまで堪能していた。
 今大会は、24日に開催された危機的な状況にある言語・方言サミット宮古島大会の関連イベントとして行われた。
 最後には宮古方言で歌うシンガーソングライターの下地イサムさんによるコンサートも行われた。
 また、ゲストスピーカーとしてアイヌ語話者の関根摩耶さんと、南サーミ語話者のトーベ・ブルスタッドさんも出演した。
http://www.miyakomainichi.com/2018/11/114537/

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武四郎「生涯語る」小説…月刊誌連載一冊に

2018-11-27 | アイヌ民族関連
読売新聞 2018年11月25日
「昔話聞くように楽しんで」
 「北海道」の名付け親として知られる松阪市出身の探検家・松浦武四郎(1818~88年)の生涯を描いた小説「がいなもん 松浦武四郎一代」(小学館)を、歴史小説家の河治和香さん(東京)が執筆した。今年は武四郎の生誕200年、北海道命名150年の記念の年。河治さんは「武四郎の人間味あふれる人柄を知ってほしい」と話している。
 「がいなもん」は武四郎の出身地、伊勢地方の方言で「すごい、とんでもない」という意味。武四郎は数え年の16歳で家を飛び出し、国内を放浪。後に6回にわたって蝦夷えぞ地を調査し、アイヌの人たちの協力を得て数々の地名を記録している。
 小説は、晩年の武四郎と交流のあった江戸時代の絵師・河鍋暁斎かわなべきょうさいの娘に、武四郎が思い出話をする形で進む。河治さんは「嫌みをいう老人の設定だが、近所にいるおじいちゃんの昔話を聞くように気軽に楽しんでもらいたい」と話す。
 都内の大森貝塚を発掘した動物学者エドワード・モース博士に、お気に入りの首飾りを自慢した一面や、当時の松前藩から迫害されていたアイヌの窮状を告発した義人としての姿も。河治さんは「アイヌ民族が本当に滅びると思っての行動。アイヌは文字を持たないため、記録する使命感があった」と解説する。
 小学館の月刊誌「きらら」で昨年4月号から1年間、連載した小説に加筆するなどした。四六判320ページ、1836円(税込み)。(赤塚堅)
https://www.yomiuri.co.jp/local/mie/news/20181126-OYTNT50183.html

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経済危機のベネズエラ、金採掘で荒れる自然遺産

2018-11-27 | 先住民族関連
ダイヤモンドオンライン 2018.11.26
Photo:PIXTA
インフレ率が100万%を超えるなか、国立公園のツアーガイドでは先住民は生活できない
 【カナイマ国立公園(ベネズエラ)】絶壁の上に平らな台地が広がる「テーブルマウンテン」や世界最大の落差を誇る滝「エンジェルフォール」で知られるベネズエラのカナイマ国立公園。先住民のペモン族は長らく、この国立公園の世話役を自認してきた。
 しかし、国の経済危機によってツアーガイドとしての生活が成り立たなくなった彼らは今、金鉱を求めて地面を掘り起こさざるを得ない状況に追い込まれている。こうして広がる露天掘りの金鉱が、深刻な自然破壊を引き起こしている。
 「われわれペモン族は常にエコロジストであり、この土地の守護者だった」。近くの集落のリーダー的存在であるアブラハン・サンドバル氏(33)はこう話す。「だが状況が変わり、われわれは自分たちの居住地の破壊者になってしまった」
9月に住民が掘った穴はフットボール競技場2つ分を超えるほどの広さだった。
 ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、落ち込む石油収入を穴埋めし、同国史上最悪の経済危機を解決する手だてとして、金採掘に期待を寄せている。深刻な食糧不足で数百万人が国外に脱出する中、マドゥロ大統領はカナイマ国立公園の南北に広がる4万3000平方フィート(約4000平方メートル)を、金やその他の鉱物資源の採掘地として指定した。
 マドゥロ氏は最近の演説で「次のクリスマスの最も注目すべき、魅力的で人気の高い贈り物は、金の鑑定書になるだろう。(中略)金は価値が増すことはあっても絶対に減らない」と語った。
 同国の今年のインフレ率は130万%を超える見通しだ。公園内の集落に住むペモン族にとって金は、ほぼ無価値となった通貨ボリバルの代わりとなるものだ。集落の食料雑貨店では、店主がカウンターで金のかけらを計量し、1ポンドのコメに対して4ドル相当、1ガロンのガソリンに対し7ドル相当を徴収する。この地域ではダイヤモンドや鉱石コルタンの採掘も行われている。コルタンは精製すると、携帯電話に使われる希少金属(レアメタル)のタンタルが得られる。
 米財務省は最近、米企業にベネズエラの金採掘への参入を禁じる制裁措置を発動した。金採掘で得られる資金は、マドゥロ氏や側近らが同国最後の富を略奪し、窮地にある政権を浮揚させるのに役立つというのがその理由だ。
 国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産に指定されているカナイマ国立公園内で採掘を行うと違法になる。同公園は滝だけでなく、かつて南米とアフリカが1つの大陸だった証拠を示す地質学的に重要な岩石層でも知られる。珍しい植物や、オオアリクイやバクといった希少動物が生息するほか、5億年前からの侵食の痕が残る独特の形状のテーブルマウンテンは、ディズニーのアニメ作品「カールじいさんの空飛ぶ家」(2009年)の舞台のモデルにもなった。
 だが、新たな経済的現実が引き起こした「ゴールドラッシュ」は、国立公園に取り返しのつかない被害を与えると環境活動家は指摘する。鉱物採取用に掘られた穴には、汚染物質を含む青緑色の水が大量にたまっている。園内の河川では、金採取者がわずかな金でも抽出できるよう、すくった泥に水銀を混ぜている。彼らはこうした作業を通常は夜間に行うという。軍が率いるレンジャーの目を避けるためだ。
 「予想されるのは、この破壊行為が今後さらに激しくなるだろうことだ」。ベネズエラの環境保護団体「SOSオリノコ」は、最近ユネスコに提出した報告書の中でこう述べた。同団体はユネスコに対し、シリアの古都アレッポやイエメンのサナア旧市街と同じく、カナイマ国立公園を「危機にさらされている世界遺産」に登録するよう求めている。
 SOSオリノコは衛星画像を使った報告書で、公園内から周縁部にかけて30カ所を超える採掘場が確認されたとしている。
 一方で、ゴールドラッシュは、犯罪組織やコロンビアの反政府左翼ゲリラなども引き寄せている。こうした集団の縄張り争いで10月には17人が犠牲となった。今月発生した衝突ではベネズエラ軍の兵士3人も死亡した。
 ベネズエラ当局は公式声明で、カナイマ国立公園での採掘は禁止されており、指定した採掘地に限定すると強調している。だが、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が先月現地を訪ねた際、ペモン族のリーダーらは政府が金採掘に代わる選択肢を提供していないとし、大半の住民は今後も金鉱石探しを続けるつもりだと述べた。
https://diamond.jp/articles/-/186515

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五輪・パラへ、アイヌ文化発信

2018-11-27 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2018年11月26日09時43分
釧路でイベント

 アイヌ文化の多様性を伝えるイベント「カムイモシリ・アイヌモシリ」が24日、釧路市内で始まった。東京五輪・パラリンピックへ向けて、国が進める日本文化の発信事業の一つ。
 アイヌ文化は、同じテーマでも道内の地域ごとに、舞踊や音楽、工芸作品などの表現が異なるという。ステージでは阿寒(釧路)や旭川、二風谷(平取)の歌い手や踊り手が合同で、3地域の舞踊を披露した。
 監督を務めた秋辺日出男さんは公演後、「アイヌ語の『イランカラテ』は、五輪に来日する遠来の客を迎えるのにふさわしい言葉。歓迎イベントでアイヌ舞踊を大人数で踊れるなら、指導できるサブリーダーを育てておきたい」と狙いを明かした。
 会場では、アイヌの工芸品などの展示や、木製楽器・ムックリづくり体験、アイヌ伝統料理のコーナーも店開きした。25日まで。 (宮永敏明)
https://digital.asahi.com/articles/CMTW1811260100008.html?_requesturl=articles%2FCMTW1811260100008.html&rm=143

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『レッド・デッド・リデンプション2』はなぜ「現代の西部劇」なのか 映画的側面から読み解く

2018-11-27 | 先住民族関連
リアルサウンド 11/26(月) 17:34配信

 開拓時代が終わるアメリカの無法者として、荒野を馬で駆け銃を撃ち合うなど、西部劇の主人公になりきって遊べる大ヒットゲーム、待望の続編『レッド・デッド・リデンプション2』。前作からコンセプトやゲームシステムに大きな変更はなく、より複雑で詳細に作り込まれた、ワイルドな西部の世界がまるごと楽しめるのが魅力だ。
 ここでは、そんな『レッド・デッド・リデンプション2』を、操作性やゲームバランスではなく、「西部劇」としてどうなのかという視点で、映画史やゲームの描写を例に挙げながら、本作のより深い楽しみ方を提案していきたい。
 ゲームを開始するとすぐに始まるのは、強盗計画に失敗した、主人公アーサー・モーガンとギャング団、その妻子たちが、雪山を超えて新天地に逃亡しようと難儀するエピソードである。「西部劇」といえば、多くの人々がイメージするのは、タンブルウィード(草のかたまり)が転がる荒野や、サボテンが散見される砂漠地帯や岩場などの乾いた景色であろう。しかしここでは、いきなりロッキー山脈と思われる雪景色の高地が舞台となり、吹雪や寒さが主人公たちを襲うという、意外性を狙った試みがみられる。
 最近では、クエンティン・タランティーノ監督の映画『ヘイトフル・エイト』(2015年)が、同様の舞台で西部劇の世界を描き、強い印象を残した。このような映画の元祖といえるのは、幌馬車隊が厳しい自然のなか様々な苦難を越えて西部へ西部へと進んでいく、ジェームズ・クルーズ監督のサイレント映画『幌馬車』(1923年)である。
 『幌馬車』は冒頭、このような字幕とともに始まる。「アメリカの血は、開拓者の血である。未踏の自然から輝かしい文明を切り拓いた、獅子の心を持った男たち、そして女たちの血である」…『幌馬車』や、大陸横断鉄道を敷設する『アイアン・ホース』(1924年)など、単なる娯楽映画だと考えられていた西部劇は、やがてアメリカの建国につながっていく「開拓精神」が重ねられることで、力強いダイナミズムやカタルシスが与えられることになった。これこそが、それ以降の西部劇の「核」となる部分となっていく。
 『レッド・デッド・リデンプション』シリーズに描かれる世界のベースにあるのが西部劇映画だということは言うまでもない。本作の冒頭で『幌馬車』で描かれたような厳しい山越えをフィーチャーしているのには、西部劇の根本精神に立ち戻り、新たに一から、本質的に「西部劇」をゲームのなかで作り上げようという、強い意図が感じられるのだ。
 そもそも「西部劇」とは多くの場合、開拓時代のなかで、警察の手が足りず強盗などの犯罪が横行したり、拳銃による決闘などが行われていたアメリカを舞台に描いた映画ジャンルのことだ。アメリカやイタリア映画、TV番組で、ジョン・ウェインやヘンリー・フォンダ、クリント・イーストウッドなどの西部劇スターが生まれ、スーパマンなどの新しいヒーローが現れるまで、アメリカはもちろん日本を含めて、西部の英雄は子どもたちのあこがれの存在だった。
 だがそんな西部劇も、時代とともに姿を消していき、現代で以前のような意味での西部劇映画が作られることはほとんどなくなった。それは、現代のグローバルな価値観のなかでは描かれる思想が時代遅れであり、倫理に反する部分もあまりにも多いからだ。アメリカの歴史をそのまま描いてしまうと、「開拓精神」などと言って胸を張ることができなくなってしまう。『駅馬車』(1939年)などで先住民が野蛮な襲撃者として登場するなど、男女差別や人種差別が激しい描写を、現代の文化のなかでヒーローとして表現したり、カタルシスを発生させることは難しい。『マンディンゴ』(1975年)や『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012年)のように奴隷制度による悪魔的描写や、奴隷制終了後も継続する階級的なシステムの上であぐらをかいていた白人たちを描いた作品は、白人が作り白人が消費してきたアメリカ映画史のなかでは例外的である。
 「開拓」とは、違う言い方をすれば「侵略」や「破壊」となる。アメリカ先住民、奴隷や被差別者としての黒人、そして白人であっても虐げられてきた女性たちからすれば、ヨーロッパから入植してきた白人、そして男性たちは簒奪者であり虐殺者であり搾取者であり差別者であり虐待者なのだ。
 『真昼の決闘』(1952年)や『大いなる西部』(1958年)は、そんな残忍で野蛮な西部の荒れた世界のなかで、比較的現代的な公平性を持っている主人公が孤独な戦いを余儀なくされる、ある意味でディストピア的要素を持った西部劇である。これらの作品は西部劇の世界を否定することで、娯楽映画として成立しているといえよう。そのような時代の流れに対し、あくまで西部劇の世界や開拓精神をおおらかで価値のあるものだと主張し、時代を逆行させるカウンターとして撮られたのが、『真昼の決闘』同様のシチュエーションを異なったアプローチで表現した、ハワード・ホークス監督の『リオ・ブラボー』(1959年)だった。ここでは保守的なジャンルである西部劇にも、リベラルと保守の区分けができることを意味している。
 では、『レッド・デッド・リデンプション2』はどうなのだろうか。それは、本作のメーカーであるロックスター・ゲームスの代表シリーズ『グランド・セフト・オート』を見れば理解できる。この作品は、アメリカの犯罪者の世界を誇張して、偏見あるステレオタイプで悪趣味な描写をプレイヤーに提供している。そしてそんな不謹慎な世界をまるごと俯瞰して笑うことで、暴力や欲望にまみれた社会に皮肉を浴びせるということもできる、二重的な構造になっている。だから『グランド・セフト・オート』は、あるプレイヤーによってはただの「暴力ゲーム」であり、あるプレイヤーにとっては戯画化された暴力への皮肉な批判として機能することになる。
 『レッド・デッド・リデンプション2』の世界では、プレイヤーが操作するアーサーが町や草原などを歩いているだけで、様々なイベントが発生する。銃撃に遭ったり、酒場で乱闘することになったり、娼館でトラブルに巻き込まれたり……。酔っ払った男が馬に蹴られて突然死するのを目撃することもある。さらには黒人奴隷の酸鼻な最期を暗示している部分も見られる。ここでも、プレイヤーは描かれる暴力や野蛮さをそのまま味わうことができるし、そんな様々な暴力が肯定される描写を、「開拓精神」と呼ばれてきたものへの批判として捉えることもできるのだ。このような二重構造を持つことで、あらゆる暴力が存在する「西部劇」が現代的な意味を持つことができる。
 しかし本作はあるキャラクターが宣言する「世界は今日も美しい」という言葉が象徴するように、ハワード・ホークス監督の『赤い河』(1948年)、『リオ・ブラボー』、ジョン・フォード監督の『捜索者』(1956年)同様、それでもなお西部のおおらかさや、大自然のなかでの人間の営みの魅力を肯定しているように見える。
 自由に行動できる広大なオープンワールドのなかで、キャラクターたちの楽しい合唱にひたったり、バルビゾン派の絵画を想起させる詩情に満ちた風景を眺めながら時を過ごし、自身の髭や馬、銃のメンテナンスにひたすら快感を感じることもできる。そして制作者の意図すら超えて、町の入り口付近の地面に刻まれた、圧倒的リアリティによる馬車の轍(わだち)や、馬のひずめの跡を見て、プレイヤーが人生を想うことすら可能なのである。
 このように本作はゲーム作品でありながら、西部劇映画の歴史を一つずつ負い、さらにはその先に行こうとする、真に「現代の西部劇」といえるものになっていると感じられる。だから本作を最大限に楽しもうとするなら、西部劇映画をまず観ることが必要である。そしてこのゲームに懐疑的な西部劇映画のファンもまた、プレイしてみることを強く薦めたい。『レッド・デッド・リデンプション2』は、ゲームファンと映画ファンを媒介するだろう、大きな可能性を持った「西部劇」なのだ。
小野寺系
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181126-00010030-realsound-ent

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“消滅危機の言語”考えるシンポ

2018-11-26 | アイヌ民族関連
NHK 11月25日 12時37分

話す人が減って消滅の危機にある言語や方言について考えるシンポジウムが24日、沖縄県で開かれ、バスの車内アナウンスがアイヌ語で行われている北海道の例が紹介されました。
このシンポジウムは、ユネスコが「消滅の危機にある」としているアイヌ語や沖縄各地のことばなど国内の8つの言語や方言を次の世代に伝え残していこうと、文化庁が開きました。
この中では、バスの車内アナウンスがアイヌ語で行われようになった例が紹介されたほか、アイヌや沖縄各地の代表が著名な短歌やわらべうたの一節をそれぞれのことばで読み上げ、訪れた人たちがことばの違いに驚きながら、聞いていました。
最後に10代の若者たちが登壇し、アイヌの関根摩耶さんが「祖先から伝えられてきた言語や文化がなくなることはすごく悲しいことだと思う。さまざまなことばが認められる社会であってほしい」と訴えました。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20181125/0005913.html?fbclid=IwAR1T_8FTUT9paeQxB71sY7SSBstbDFJHK2uO5bvwuy8PfMAI7vKBX8TAbuA

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