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かぶれの世界(新)

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高齢化の時計(8)

2011-11-07 22:59:27 | 日記・エッセイ・コラム

このシリーズは本当にネタが尽きない。今回は私の病気に対する家族や妹達の反応だ。

微妙な笑いはグッド・サインではなかった。通風で歩けないと予約日に行けないと先週病院に電話で断りを入れると、先生が出てきて検査結果はほぼ間違いなくガンだと教えてくれた。通風の症状が軽くなった今日病院に行き詳細の説明を受け、次の治療の為ガンセンターに紹介状を書いてくれた。

MRI検査で結果が異常なしになると、何故根拠の無い期待をしたのか。私なりの理由はある。検査技師は私に検査の感想を聞かれて、彼女は微笑で「何も無い」と答えた。そこに私は多くの意味を見出そうとし、希望を膨らました。実際は感想が無かっただけのことか。シーザの言葉をもじると「人は好ましい結果のみ期待する」、第2次世界大戦の日本軍部みたいだ。

先週ずっと大阪に住む妹が実家にいた。外の人から見ると我々兄弟の関係は異常なくらいクールだろう。用が無ければ何年でも連絡しない。たまにあっても話をしてもかみ合わないことが多い。決して疎遠なないが、兄弟だからといってベタベタした関係はお互いに嫌だった。

今回も、私が通風と頻尿に苦しんでいる間も表向き気遣いの言葉は無かった。数回食事を作ってくれたのと、一度洗濯物を取り込んでくれた程度だろう。だが、今回の私はベタベタしても良いから優しい言葉で気遣いを示し、通風と頻尿で苦しむ私をもう少し手助けして欲しい気分だった。私自身なるべく普通と同じ態度で接したから、彼女は今回特別だと感じ取らなかったかもしれない。

私達は非常によく似ている。堅実で質素な生活を追求する。本を沢山読み、自然を愛でる。自説を曲げない頑固なところがある。結果として、仲のよい兄弟ではない。彼女の夫は凄く気にかけてくれ、彼のチャンネルを使って色々と調べては私に貴重な情報をくれた。このギャップに共通性があった。

今回病気をして、この私の性格は私の家族がしっかり引き継いでいることを痛感した。前立腺肥大症から、通風やガンに展開する状況をその都度家族にメールで知らせた。反応があったのは娘の夫君と長男の細君だ。直接血の繋がった子供達からは一度メールで返事が来ただけだ。寂しいと責めるより、彼等はやっぱり私の子だと実感した。

だが彼等が私を気にかけてくれているのは分かっている。昨晩、娘が暇だったからと電話をくれた。その話をすると笑い声が聞えた。私が米国に単身赴任している時にも、当時高校生だった娘が時々一人で陣中見舞いに来てくれたのを思い出した。賑やかなクリスマス・パーティが終り友人が帰った翌日、娘を空港に送り家に戻った時の寂しさも思い出した。アレは堪らなかった。

今度の病気は単なる風邪では無い。それでも静かな反応しか返ってこないのは、寂しくもありホッとするところもある。微妙だ。これは代々伝えられる遺伝子であれば良いも悪いもない。そういうことだ。妹に聞くと姪夫婦も夫君の家庭に比べそういう傾向があるという。語呂合わせで我ら「クール・ファミリー」といって、私は一人でニヤリとした。■

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どたばたギリシャ新喜劇

2011-11-05 17:48:02 | 国際・政治

映画祭で有名な南仏カンヌで開催されたG20首脳会議を舞台に、世界を揺るがすギリシャの債務危機を巡るどたばた劇が展開された。全世界が注目したG20は8-9割が欧州問題に費やされるという異例の展開になったと報じられている。

だが、G20が打ち出した包括的な支援策を受け入れるか国民投票で問うと、突如パパンドレウ首相が言い出したものだからG20首脳は全員のけぞり、世界の市場は暴落した。自慢するわけでは無いが、先日投稿した記事「異説・誰がユーロを救うのか」(10/18)で、「欧州を救うのはギリシャ国民」だと逆説的に指摘したのが危うく本当になるところだった。

折角取り纏めたG20共同宣言のはしごを外され、サルコジ大統領とかメルケル首相は激怒してパパンドレウ首相を呼び出し、ユーロに留まるのか出るのかはっきりしろと迫ったという。絶体絶命と思われたパパンドレウは野党と取引し、たった3日で国民投票は撤回された。人気の無い支援策を受け入れた後の自らの立場を強める為の賭けのように私は感じた。とんだ茶番劇だった。

この茶番劇は凄く分かりやすい。簡単に漫画が描けそうだ。身勝手な子供達に泣き叫ばれるパパンドレウ、彼の襟首を掴んで我慢させろと迫るサルコジとメルケル、その後ろから二人の背中を押しているオバマ、騒動を見守る後ろ手にニンジンの胡錦濤、遠巻きに心配そうに見守る金融・市場関係者。私は絵心が無いが、言葉だけでシーンが生き生きと見えてくる。

どたばた劇の重要な役割を果たすギリシャ国民は観客から馬鹿にされている。彼らの多くは、ギリシャが債務不履行になれば世界経済が大変なことになるのは分かっているが、今まで国民に嘘をついてきた政府が許せないから反対すると発言する姿をテレビニュースは報じていた。嘘をついて得た金を使ったのは彼等だ、その頃の生活が出来ないと文句言っている。やっぱり彼等は状況を理解して無い、私は同情する気にはなれなかった。

蛇足だが、彼等の言い分を聞いているとTPPに強硬に反対する農民の姿が重なって見えた。国が巨額な借金をしてギリシャ国民や我ら農民に配られたお金は当然の権利だ、原資となった国の借金は知らなかった、それを先ずはっきりさせてからでなければ議論に乗れない、みたいな。こんな新喜劇は見たくない。■

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高齢化の時計(7)

2011-11-02 17:37:34 | 健康・病気

悪い事は続けて起こる。月曜日に泌尿器科で紹介され市内の医師会病院に行きMRI検査を受けた。その時右足の親指の付け根に痛みを感じ、少しビッコをひきながら行った。その時はそれ程大事になるとは思わなかったのだが、その日の夜から痛みが酷くなりまともに歩けなくなった。

症状から通風が再発したのは間違いなかった。信じられない気持ちだった。というのも、前回紹介したように尿酸値は正常(6.2)で、水分摂取不足でもなかった。だが、今回の痛みは今までの経験を含め最大級だった。ベッドの中で患部が布団に触るだけで激痛が走り、目が覚める繰り返し。

前立腺肥大症の治療中の私には、ベッドからトイレまでの距離がこれほど長く感じたことはない。朝まで難行が何回も続く。朝方は疲れ切って2-3時間は熟睡でき睡眠時間を確保できた。尿酸値が正常なのに通風になった事はない、処方薬を飲んでいるので血液成分に変化が起きたのだろうか。グラビット錠に副作用がないかネットで調べたが、それらしいものは見つからなかった。

昨日は妹を連れて母を見舞いに行き、友人と昼食をする予定だったがキャンセルした。二日目の夜も状況は変わらず、親指の付け根の赤い腫れが幾分大きくなった気がする。かなりやばい状況だ。経験ではこの程度の痛みは5日続く。じっと我慢するしかない。

検査結果はまだ聞いていない。医師会病院では検査だけで、所見は泌尿器科医から聞くことになっている。それは分かっていたので、検査技師に「検査結果の感想聞かせて欲しい、何か見つかったか」と擦り寄って聞くと、返事はなく微妙に笑った。昼食相手にキャンセルを電話で伝えた時、彼女は「それって良いサインじゃないの」と言った。確かにそうだ、ガンにはなりたくない。微妙な笑いを頼りに今週を過ごすことになりそうだ。

医師会病院のある通りはメインの国道から平行に走る2本目の道路で、産科から眼科まであらゆる種類の個人医院が建ち並んでいる。3軒おきに医院がある感じだ。多すぎではないのかと看護婦に話を向けると、この土地は霧が深く呼吸器系の患者が多いのと食生活習慣が関係しているという。何度も聞かれた質問のようによどみなく返事が返ってきた。それに交通の便が良い。

妹夫婦が通風に悩む私を外食に連れ出してくれ戻ってこの記事を書いている。医療関係に詳しい義弟の情報を聞き、これから先の治療の助言を聞いた。私が通風で足を引き釣りながら歩く情けない姿を見てニヤニヤ笑った、憎たらしい彼の助言は大変参考になった。■

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