かぶれの世界(新)

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大地震のブライト・サイド

2011-03-17 16:41:39 | ニュース

東日本巨大地震は、カメラの目が届かなかった壊滅的に被災した地域の映像が日々報じられるにつれ、当初流れたショッキングな映像よりも被害は広範で深刻であることが明らかになってきた。経済活動の大半が東京以西にあるため内外共に当初楽観的な見方があったが、原発事故の収拾に手間取り計画停電で首都圏のビジネスが麻痺状態になり、操業を停止する企業が相次いで楽観論は消滅したように感じる。

だが、こういう時こそ前向きに明るい側面を忘れるべきではないと思う。この未曾有の大地震にどう対応するか日本人の力が問われている、それを世界は見ている。悲劇に立ち向かう日本人にある意味敬意を持って見ているように私は感じる。ネットに流れている海外メディアの記事の中に、略奪や暴動などが発生せず、被災者がパニックにならず他人を思いやる姿、各地で立ち上がるボランティアなど、冷静沈着な対応が驚きをもって見られているようだ。

私は東北人独特の強さも感じる。会社務め時代に良く東北地方に出張した。そこで知り合った人達が口は重く中々本音を言ってくれないように南国育ちの私は感じたこともあるが、我慢強く困難に立ち向かい目的を達する姿を何度も繰り返し見た。海外で仕事をすることも多かったが、彼らの朴訥にやるべき事をやるという姿勢は全く違う文化の人達にも信頼され受け入れられていた。

史上かつて無い大地震はこのような日本人の素晴らしさにも光を当て世界に証明したことも忘れるべきではない。それは日本人の資質だけではない。この大地震でもNZのように崩壊したビルは見当たらず、世界一といわれる耐震構造の建築技術を証明した。残念なことに、津波にはどうしようもなく木造民家が破壊された。この事実が無ければもっと高く評価され誇るべきことだった。

あまり話題にならないが、あれほどの大地震で新幹線が全く無傷で誰一人として怪我人が出なかったのは凄いと私は思う。それは奇跡ではなく設計で意図的に折り込まれたものだというから凄い。地震予知システムが感知した数秒前の地震情報を先取りしてブレーキがかかっていた為と見られている。銀行等のオンラインシステムも維持された。誇ってよいことだ。

残念なのは何重にも安全設計がなされたはずの原発が危機から抜け出せないことで、私には予想外だった。全ての安全設計が電気制御されているので、電力供給が止まれば全て機能しなくなるという落とし穴に入ったというのが主因だという。素人の私も直感的には理解できる。だからといって今回の地震の規模を考えると、単純に東京電力を責める気にはなれない。

収束しない原発事故を不安に思う人達の気持ちはよく理解できるが、テレビを始めとする報道が必要以上に不安を煽っていると感じる。地震発生直後の事実を伝えようとする姿勢は悪くなかったが、いつものお茶の間ニュース・バラエティの連中が戻ってきて元の木阿弥になった。世間の批判を受けてかどうかわからないが、この一両日の報道の姿勢は多少変わったと感じる。それでもこの人達は笑いを取る番組専門にしてもらい、ニュース報道には出てくるなといいたい。

もっと気分が悪くなるシーンもあった。それは要領を得ない回答を繰り返す東電幹部を記者が追及するシーンで、今に始まったことでは無いがこいつら何様だと思っているのかと怒りがこみ上げてきた。ネットにはこの記者達を批判する記事が沢山あったのは当然だ。東電の当事者が失敗することもあるだろうが、彼らが最高の仕事をさせるためにどういう報道をすべきか、極端に言えば国を挙げて彼等を支援することこそが最優先の仕事である。見てて胸糞が悪くなった。

最初に戻ると、これこそが日本が未曾有の大惨事に如何に立ち向かうのか世界が見つめていることなのだ。既にいくつかの点で日本の素晴らしさを証明しているし、原発事故が最悪事態になったとしても(その可能性は否定できない)、その中でベストの仕事(ダメージ・ミニマムの戦略になる)をするよう、命がけで仕事をしている人達が誇りを持てるよう支えなければならない。彼らの仕事が万が一失敗しても、国民のために英雄的に力を尽くした事実を忘れてはならない。■

コメント
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