かぶれの世界(新)

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新皇帝誕生

2018-03-09 17:50:42 | ニュース
歴史に刻まれる出来事が現在進行中だ。それはトランプ大統領の異例の輸入制限に端を発する貿易戦争の始まりでもなければ、北朝鮮との首脳会談でもない。ポピュリズムの風で揺れる欧州独伊の議会選挙でもない。ましてや井の中の蛙が大騒ぎ中の森友事件でもない。

それは中国が先月25日に新しいシステムに移行し、「習近平新皇帝」が誕生したことだ。つまり彼が望む限り国家主席の座に座り続けることが可能な改憲が実質決まった。絶大な権力を振りかざして中国を大混乱に陥れた毛沢東時代に逆戻りしたと報じられている。

私は昨年12月20日に「2018年中国の覇権は前進する⁉」と題して警告する記事を投稿した。世界は自由で法の支配を基にする民主主義より、中国マネーの方に惹かれる強権国も沢山あり、残念ながら寧ろその趨勢が強まっている。民主主義的価値観から見れば今や中国は逆行の速度を速めている。残念なことに寧ろ欧米が後押ししている感がある。それは「民主主義」というより「民主資本主義」の性格によるものだ。

それを的確に指摘したのがエコノミストの記事だ。「中国を見誤った西側諸国」(エコノミスト3/7日本経済新聞)は、冷戦崩壊後WTOなどの機構に中国を参加させ豊かになれば中国に民主主義が育つと期待したのは幻想だったと今頃気が付いたような記事だった。私の目には、この中国の動きに対抗すべき欧米の民主主義は、今やポピュリズムの癌に侵され寧ろ力が弱まっている。

昨年の記事で私は中国覇権の行方を予測した。少し長いがもう一度引用する。

第二期習近平政権に入り、中国内の言論の自由が一層弾圧される一方で、共産党の企業活動支配がさらに強まる中、本当に想像力を発揮して競争力のある科学技術と経済の発展が可能か問われる。言い換えると自由で民主的な環境が発展に必要かどうかだ。長期的に見ると分からないが、10ー20年のレンジで考えれば、中国はうまくやる可能性があると思う。

この私の仮説の根拠は(0)世界は金で動くという大前提の下で(1)トランプ大統領の迷走が続く、(2)中国経済は少なくとも現状維持する、(3)北朝鮮が暴発しない、(4)EUが破綻せず何とか結束を守る、である。言い換えれば現状世界が維持されれば、中国は徐々に覇権に向かって進むということだ。私が生きている間に結論が出ているだろう。それは私が見たい絵とはかなり違ったものになる可能性は十分ある。

以上の予測は現在のところ概ね当たっている。現状世界(民主主義国が牽引するグローバリゼーション)は中国にとっても住み心地が良いのだ。ちょっと不安なのはEUの動向なのも予測と変わらないが、東欧政府の更なる強権化と南欧の混乱に中国の付け入るスキが大きくなる可能性がある。だが、昨年の私の予測記事では気付かなかったことがある。それはトランプ大統領と習近平主席に類似する性質だ。

二人は共に徹底した「自分第一主義者」だ。ここに来てより明らかになったのは、トランプ大統領は「アメリカ第一」ではなく第二期大統領になれるのなら、自国に為にならずとも何でもやるという身勝手な決意だ。習近平主席もそれが自国の為であろうと無かろうと批判は全て言論を封じる締め付けを徹底した。正に皇帝だ。

トランプ大統領と習近平主席の二人は、個人的には気の合う性格である可能性が高い。これが又、結果的に中国の覇権を前進させる助けになりそうだ。もしかしたら私の生きている間に新しい世界を見る可能性が出て来たというのが今日現在の心境だ。決して見たくない夢だが。■

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