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ロイヤルズの快進撃は奇跡か

2014-10-13 14:16:20 | スポーツ

 MLB野球がポストシーズンに入って、誰もが予想しなかったロイヤルズが快進撃を続ける異変が起こっている。シーズン終盤に入ってヤンキースなどの有力チームが脱落し、何とかワイルドカードに辿り着いたという印象だった。ところが、ワイルドカードの一発勝負で大差を追いつき延長でしぶとく勝ち残って勢いがついた。スーパースターが並ぶラインナップを揃え絶対有利とみられたタイガースに勝ち、エンゼルスに3連勝して地区チャンピオンになり、返す刀でオリオーズに2連勝してリーグチャンピオンに王手直前まで来た。勝った相手は優勝候補だった。

 このロイヤルズの快進撃を見て、レークプラシッド五輪(1980年)で米国のアマチア・ホッケーチームがソ連に勝ったゲームを思い出した。当時の五輪ホッケーの参加資格はアマチアに限られており、国家お抱えで実質プロのソ連は世界最強と言われ五輪4連覇ののホッケーチームだった。それを無名の学生主体の米国チームが粘りに粘り、優勝間違いないと言われたソ連チームを大接戦で制したゲームで全世界を驚かせ、氷上の奇跡と呼ばれて米国民の心を熱くさせ後に映画にもなった。

 片田舎のカンザスシティのロイヤルズは選手が給料の安い無名の選手ばかりで、シーズン中の本塁打数もリーグ最下位だった。プロの世界では個人成績の高々数%の差は莫大な給料の差になってしまう。MLBのロイヤルズとエンゼルスの給料の差は大きいが、当時の学生主体の米国と世界的名選手がいるソ連との実力差程は無い。同じプロ同士の戦いだ。ロイヤルズの快進撃は奇跡と言われると選手も監督も不本意だと思う。それでも、シーズン中のロイヤルズの戦いからは想像もできない事態が起こっている。

 意外にもロイヤルズの躍進をシーズン前から予測していた専門家がいた。元大リーガーの田口氏がNHKBSの深夜番組で、ロイヤルズの優勝を予想した。投高打低のチーム戦力を分析し、青木を補強したことで足りない部分を埋め優勝に値するチームになったと。ロイヤルズの優勝しようという本気度とゼネラルマネージャ(GM)の眼力を讃えるコメントが印象に残っている。メジャーにはこのような勝つために選手を選びスタッフを揃えてチーム作りする優れた専門家がいる。監督に技術的な判断の総てを頼る日本との違いだ。

 だが、ロイヤルズが最終的に勝つかどうかまではまだ分からない。今は勢いに乗っているが、ポストシーズンとはいえ昔に比べれば長丁場だ。ロイヤルズはシーズン中最小本塁打数チームだったが、このところの勝利は本塁打で接戦を制した。ヒーローになったホズマーやムスタカが本塁打を打ち続けることは出来ない。もしその時が来たらシーズン中の勝ちパターンで粘れるかどうかだと私は予測する。ロイヤルズが勝っても奇跡ではなく、勝つべくして勝ったと言われるだろう。■

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