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トランプ現象は民主主義の重要なシグナルか?

2017-02-27 21:58:17 | ニュース
英国のEU 離脱と米国でトランプ大統領の誕生以来、民主主義の基本的価値観が問われるようになった。従来まともな政治家なら絶対に口にしなかった様なことをトランプ氏は平気で言うが、それでも彼の熱狂的な支持者は揺るがないという現象が続いている。

何だか変だ、こんなことではいけない、私も含め多くの人々はこう思ってきたはずだ。少なくとも私はそういう前提で物事を見て来た。勿論、トランプ大統領が提起した問題の中には既存の常識から外れているが、基本に戻ってよく考えれば必ずしもすべて悪という訳ではない。だが、人事の混乱や大統領令のやり方の異常さばかりを強調し、政策を真剣に吟味しない逆差別的な見方が全くなかったとは言えない。

昨日の日本経済新聞が「トランプ時代、世界経済のリスクは」と題して掲載した、前インド準備銀行総裁で著名な経済学者ラジャンシカゴ経営大学院教授のインタビュー記事は、偏見を持たずもう一度考えてみようと思わせる内容だった。この人は大勢がグリースパン元FRB議長を支持した時一人立ち上がって、全米が注目する舞台でバブル(後のリーマンショック)を予言した信念の人だ。

記事でポピュリズム(大衆迎合主義)の世界的な台頭は民主主義というシステムへの疑念を高めていると聞かれ、「そうは思わない。民主主義にはこれまで無視され続け、修正が必要になった問題に光を当てる作用がある。ポピュリストの勝利が極めて重要なのは、何かが大きく間違っていることを示す唯一のシグナルだからだ」と答えている。

ポピュリズムを端からトランプ大統領を象徴する「悪」と捉えず、それを良い機会にして「民主主義を見直せ」と言っているように聞こえ、私にはとても新鮮だった。言ってる人がラジャンだったからかも知れない。逆説的だが、私も人を見て発言を聞く。 

記事は更に、「(ごく少数の富裕層に富が集中する)『1%問題』は間違った問題設定だ。真の問題はテクノロジーが急激に進歩し、多くの人々の仕事がリスクにさらされていることだ。鉄鋼労働者のように職を失い、新しい職を得られない人たちの怒りだ。米国の労働参加率(働く意思のある人の割合)の低下にもその傾向が現れている」と続けている。マスコミ定番の格差とか富の集中を悪と決めつけないのだ。

その上でラジャン氏は「それでも開かれたグローバルなシステムを維持していれば、新たなテクノロジーに適応する道を見つけられるだろう。危機はシステムを閉じることにある。資本主義がうまく機能するには機会の均等が不可欠だ。だれもがグローバルなシステムに参加できる環境を整えるために支援が必要だ」と続けている。

グルーバリゼーションを否定せず労働者が取り残されないシステムの構築が重要と私は受け取った。たった1か月かそこらなのにもう修復できない程に米国民の分断が深まり、もう後戻りできない程に対立している。だが、トランプ大統領の具体的な政策を方向付けし、共に作り上げるという形で進めることは出来ないだろうか。世界はそれを待っている。(ちょっと真面目な内容過ぎたかも)■

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