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米中首脳会談予測の評価

2006-04-22 11:01:26 | 国際・政治

結果は予想されたとおりだった。私が「大胆予想」と粋がる理由など全く無い初めから分かりきった結果だったといえる。両トップの国内基盤の弱さを考えると「総論賛成、各論に深入りせず」しか選択は無かった。後から解釈の違いが出て繰る恐れはある。しかし結果はどうあれ、いまや中国はアジアの大国から米国に次ぐ世界のスーパーパワーであることが世界に示された。

一応私の予測と報道された内容を突合せ中国の視点で星取表を纏めておく。

1.「責任ある大国」として世界の問題に対処する: ◎総論一致

1)イラン・北朝鮮に中国は具体的コミットせず:  ◎6カ国に柔軟化求める

2)非民主独裁国家との取引は中国が譲歩:    Xコミットせず

米国はエネルギーの共同活動を提案合意:  -議論されず

3)中国軍事力強化の透明化:        X表向き議論されず

一つの中国と台湾の現状固定を確認する:◎平和的統一を明言

4)東アジアの安定、対日外交関係の改善:   - 議論されず

2.中国市場の開放:              ◎積極的な開放姿勢

 中国市場開放総論合意:            ◎内需拡大を約束

 金融機関のM&A、条件を緩める:       △市場開放を推進

 中国は知的財産保護を数値で約束:  ○具体的数値はなし

3.人民元切上げを約束、数値コミットせず: ◎改革継続を約束

4.人権問題など民主化推進を受け付けず:  △国情に合わせ推進

私の最大の関心は中国が民主化の行方だが、今回中国の国情に合わせるという条件付であっても「政治体制改革と社会民主主義を進める」と明言したことに注目したい。その裏で依然国内の人権侵害や海外の独裁国支援をしているのだが、それでも中国トップの発言は十分意味がある。

会談の結果両首脳の立場に変化の目は無かったようだ。会談の結果はブッシュ大統領の支持率を左右するものではなかった。議会は満足せず今後も監視を強めるが、保護貿易派が急伸することもなさそうだ。

一方会見前のヤジはあったもののそんな事で胡錦濤主席の面子が潰れるような物ではなかった。しかし、国内での彼の政治的立場を強化するところまで行ったのかどうかは、今後争点になっている金融改革などで約束したことがどう実行されるかを見ればある程度分かると予測する。■

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