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(仮説)コロナ危機が変えた政治風景

2020-04-18 11:09:06 | 国際・政治
伝染病(コロナ危機)は世界の政治体制に強烈なインパクトを与えている。歴史は繰り返す。典型的な例が世界中から注目されている米大統領選だろう。初期対応が遅れたと非難があってもトランプ大統領の露出度が多く、それを十分意識して支持者に向け都市封鎖早期解除等の発言を続けている。それが又非難の対象になり複雑な展開を見せている。

状況は国毎に異なるが共通するルールがある。国のトップの一挙手一投足が常にマスコミの注目を浴び結果的に支持を得る。一方野党は注目されない。注目を引くためにトップの揚げ足取りをして逆に顰蹙を買う。非常時に主義主張がどうのこうの、民主主義かどうか、右翼か左翼か等は関係ない。だが、一旦それに慣れてしまったら危機後の世界がどう変化するか私は注目する。

米国で大統領と並び最も注目を浴びているのはクオモNY知事だろう。毎日テレビに出演して危機状況を延々と説明し、医療関係者を讃え不足リソース支援や市民に社会的距離をとるよう訴える。だが、NYのコロナ対応は世界で最も失敗した。カリフォルニアは早期対応でNYの様な惨事を免れたが、上手くやったはずの知事は注目されてない。世論とはこういうものかとつくづく思う。

欧州では、近く引退されるはずだったメルケル独首相が再び注目を浴び、難民問題で支持を得た極右政党AfD(ドイツのための選択肢)の力不足が露にされ支持を失いつつあるという。一方で、EUの理念とは程遠いハンガリーなど東欧の独裁政権は、まさに独裁的にコロナ対応を強行して国民の高い支持を得ている。今回、東欧からコロナ危機が伝えられないのだ。

それでは日本はどうだろうか。感染死亡者数を最小にした日本は、世界的にコロナ危機に最も上手く対応して来たと私は評価する。以前に指摘したように専門家を重視した政策と日本人特有の資質と習慣が、世界標準から見ると極めて緩い要請と併せた対応がこれまで機能して来た結果と言える。

日本は世界的に極めて特殊な取り組みで、世界各国と比較すると大成功しているが、各種世論調査では安倍首相は必ずしも評価されてないようだ。私の推測では、コロナ死者を最小にするという大目標には触れず、大目標を実行する為の個別対応策のちぐはぐさを取り上げて連日報じている為だと思う。だが、上記の法則通り注目されてない野党も支持を減らしている。世論とはそういうものだ。

コロナ危機が収まる頃(多分来年)には世界の政治体制が大きく変化しているだろう。これについて、私が直ぐに思い出すのは英国だ。第二次世界大戦で非常時のトップとして英国はチャーチル首相を選び、戦争が終わるとさっさとクビにした。冷たい国民だと思われるかも知れないが、英国民は戦時リーダーとして最適な首相を選んだ、復興時は別だと考える極めて現実的な判断を下した。

安倍首相は両方の役割の間を揺れ動き、マスコミを通して見る国民の目には中途半端に見えた、というのが私の印象だ。目線をあげると、コロナ危機後に世界の多くのリーダーは代替わりしているだろう。夫々の国は新しい世界秩序の中で浮き沈みを経験する。コロナ危機が終わり復興モードに入ると米中の覇権争いが激化し、新たな危機が到来する恐れが十分あると私は予測する。この新時代に日本はどう対処するのか、目が離せない。■

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