私のマスコミ批判２０２２（３）

次はテレビドラマについてコメントする。コロナ以前によく見たのは英国の人気ドラマ「刑事モース」などの海外ものが多かったが、昨年は何故か日本のドラマを見ることが多かった。ニュースと違いドラマは気に入らなければ単純に見ないので批判のしようがない。

昨年ハマったテレビドラマはＮＨＫの「鎌倉殿の１３人」だった。信長・秀吉・家康といった人物が登場する戦国時代から徳川幕府・明治維新・太平洋戦争まで、子供の頃から漫画や小説・映画などで歴史ものを目にしていた。だが、鎌倉以前の日本史については義経・弁慶の他に殆ど知識がなくドラマで鎌倉時代が成立した経緯を見た時はとても新鮮で面白かった。

それまで名前を知っていたのは義経と頼朝に尼将軍政子に加えて実朝の暗殺といった程度だった。ドラマ「鎌倉殿の１３人」が始まった時はチャンネルを切り替えて偶然見た程度だった。４月半ばからの暇な田舎暮らしで面白さに気付き徐々にハマって行った。脚本家の三谷幸喜と出演者の組み合わせが細部の面白さを作り出したが、歴史の大筋を捻じ曲げてはいないと思う。

鎌倉時代は武士が朝廷の名を使って力ずくで全国を統治したとされる。ドラマを見て源平の戦いから朝廷と坂東武者が裏で権力争いし、その度に暗殺や戦闘で決着を繰り返し、北条氏が鎌倉に本格的な武家政権を確立した、・・・と私は楽しみながら日本史の勉強をした気分だ。出演者が私より二回り若い子供達の年代の小栗旬や小池栄子が好演したことも親しみを感じた理由かもしれない。

民放の番組が「鎌倉殿の１３人」を引用したと思われるシーンが度々登場したように思う。急に日本中が鎌倉時代の歴史に詳しくなったかもしれない。実は私の先祖も嘘か本当か定かでないが四国にいた戦国大名長宗我部氏の家臣で「源氏の流れ」と記した書き物がある。もしかしたらドラマの中で出て来た無名の兵士の中に先祖がいたかもしれないと想像した。

その他に私が気に入ったドラマは、寂れ行く漁村の再開発をになう「ファーストペンギン」で、保守的な漁業組合から抜け出して新たな挑戦をするシングルマザーの姿を描いたものだ。相続した田畑の扱いに悩む私の姿とドラマを重ね合わせて見るようになった。これも何かのきっかけで見始めた。他にも良く出来たドラマがあったが、気付かなかっただけかもしれない。■