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日本のコロナ死者数が最小化できた理由(2)

2020-07-23 18:49:43 | ニュース
東京都の昨日のコロナ感染者数がついに大台を突破し、366人になったとニュース速報が入った。東京の感染者数の急増には驚くが、全国的な感染の広がりは心配だ。マスコミが大騒ぎするが重症者及び死者数が非常に少なく、若者を始め多くの人達はそれほど不安に思ってない気がする。

マスコミは何故かコロナ死者数が少ないことに余り触れない。毎日のテレビ放送を見ると、感染者数が増加すると大騒ぎするが、感染者数が減少するとスルーして対策の不手際などに話題を移す。コロナ感染が注目され始めたころから、日本の高齢者の死者数が圧倒的に少ないことを軽視してきた。世界的にも高齢者の感染者は少ないがその中で死者数比率は圧倒的に多いのだ。

専門家が最初から重視し取り組んできた「コロナ死者数を減らす、そのために医療崩壊を防ぐ」という視点からの報道が少なかった。一方で欧米の取り組みより検査データが少なく公表が遅れがちで、海外メディアから批判され、それを引用して日本の対応を非難した。だが、5月後半に日本の死者数が少ないと海外メディアが報じて、日本メディアの風向きが変わった。

日本のコロナ対策が成功していると海外から手のひら返しの評価を受けて、海外の批判を引用して日本の対策を批判する報道は激減した。だが、その後も何故上手く行っているのか突っ込んだ調査報道がない。欧米のコロナ感染死者数が何故多いのか、逆に日本の死者数が何故少ないのか、今迄とは全く反対のアプローチで調査報道する姿勢が今後のコロナ対策に必要だったのだが。

そこまで海外メディアの手助けが必要なのかと思いきや、ついにニューズウィーク日本版7月21日号の記事「知られざる日本のコロナ対策「成功」要因-介護施設」(マルガリータ・エステべス・アベ シラキュース大准教授)の介護施設の調査分析結果が出てきて日本の成功を解説してくれた。

記事は成功要因として、介護施設のコロナ対策の早期取組を厚生省から自治体の介護保険担当まで一致して対応した、欧米の組織に比べて1-2か月早く対応した。170万人もが介護施設にいる世界最大の高齢化社会で、施設内の死者がドイツが0.4%、スウェーデンが2.8%、イギリスが5.3%、スペインが6.1%であるのに対し、日本は0.01%にも満たないというのは驚きだ。

特筆すべきは、日本の介護関連の厚生省から介護現場までの「普段からの地味な取り組み」がこの圧倒的な成果を達成したことだ。マスコミはこのような事実を掘り起こして報じ、第二波、第三波に有効な対策として報じるべきだ。以下に記事をそのまま引用する。

感染症対策がトップダウンというよりも厚労省・各自治体・施設内でルーティン化されていたので、政治の介入抜きでコロナ対策がほぼ自動的に作動した。欧米では医療従事者でさえインフルエンザの季節でもマスクなしで患者に接しており、老人ホームなどではさらに意識は低い。

以上の国際比較を鑑みると、日本の介護・感染症予防行政、そしてマスクさえ足りず、入所者の家族からの寄付などを受けながら頑張った日本の高齢者介護従事者らの苦労と貢献は明白だろう。

マスコミ報道は政府や自治体の取り組みの混乱とか、「夜の街」や若者世代の感染拡大とか、悪く言えば「あら捜し報道」が大好きだ。ましてや叩けば埃が出る厚生省の取組を絶賛するなんて絶対嫌だろう。だが、この第一波コロナ対策に成功した事実は世界が絶賛し学ぶべき教訓であり、海外メディアに褒めてもらわなくとも胸を張って世界に報じるべきだ。■
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