又また、私の独断的予測「メルケル独首相が世界のリーダーを目指す」という妄想です。
トランプ大統領の訪欧その後のG7首脳会議は、予想通りとはいえ欧州に失望を与えた。米国は欧州を守ると確約せず、温暖化に対応するパリ協定から脱退を示唆した。それだけではない。報じられたトランプ大統領の粗野な振る舞いを見て人々は顔をしかめ軽蔑した。米国嫌いになった欧州人は何百万人もいるはずだ。
欧州は傷ついたが曖昧な反応をして事を荒立てず徐々に時間をかけてトランプ大統領を説得して行こうとするだろうと私は予測した。それが欧州の伝統だと思った。だが、今週ドイツのメルケル首相は思いがけず非常に強い反発をした。下記発言は私には「なめたらあかんぜよ」みたいに聞こえた。
「ほかの国々を全面的に当てにできる時代は過ぎ去りつつある。・・・ 我々欧州人は、自分たちの運命を自分たちで切り開いていかなければならない ・・・ 我々は自分たちの将来のために自ら戦う必要がある」と28日ミュンヘンの選挙演説で(つまり国民に対して公に)発言したという。明らかにトランプ大統領に対するあてつけと聞こえたはずで、私の推測ではこれを聞いた多くのドイツ人は留飲を下げたと思う。
だが、さすがにこの発言は不用意で言い過ぎたとメルケル首相も気が付いたはずだ。翌日この「率直な発言」をやや軌道修正したとロイターは報じた。何の準備もないまま米国と喧嘩別れ出来ないのは明らかで、粘り強く米国と連携を図る一方裏では最悪ケースに備えるのが現実的だと思う。私風に言えば、それ程メルケル首相は頭に来たのではないかと思う。現実はドイツが米国に代わって世界のリーダーになれない。
私は昨年ドイツがリーダーになる可能性について記事「大胆仮説: 2017年自由世界のリーダーは?」(2016年12月14日)を投稿した。トランプが大統領に選ばれた時からいつかこの日のような事態になることを予測した。だが、難民100万人を受け入れた理念と経済力に覚悟があっても、強力な軍事力がないリーダーは存在しえないとも予測した。その状況は変わっていない。
私は、にも拘らず今回メルケル首相は覚悟して立ち上がったと思った。それは間違っていたというのがメディアの常識的な声だ。彼女の強弁は本音だが、公言したのはトランプ嫌いのドイツ国民に向けた選挙対策だという(ロイター)。ファイナンシャルタイムズ(FT)は無責任な発言とさえ指摘した。現実はそうかもしれないが、メルケル首相は覚悟の上での発言であり、欧州にとって転換となる演説だったと私は推測する。
フランス大統領がマクロン氏に決まり英国のEU離脱で揺れた欧州は安定に向かい始めた。メルケル首相とマクロン大統領コンビは最終的に米国と緩い安全保障の枠組みに変えて行くシナリオを検討するのではないだろうか。多分、ドイツは今後軍事力の強化に向かう、それはトランプ大統領の要求にも沿う、だがその行きつく先は同床異夢の世界だ。そういう視点でドイツを見ていくことをお勧めしたい。■
トランプ大統領の訪欧その後のG7首脳会議は、予想通りとはいえ欧州に失望を与えた。米国は欧州を守ると確約せず、温暖化に対応するパリ協定から脱退を示唆した。それだけではない。報じられたトランプ大統領の粗野な振る舞いを見て人々は顔をしかめ軽蔑した。米国嫌いになった欧州人は何百万人もいるはずだ。
欧州は傷ついたが曖昧な反応をして事を荒立てず徐々に時間をかけてトランプ大統領を説得して行こうとするだろうと私は予測した。それが欧州の伝統だと思った。だが、今週ドイツのメルケル首相は思いがけず非常に強い反発をした。下記発言は私には「なめたらあかんぜよ」みたいに聞こえた。
「ほかの国々を全面的に当てにできる時代は過ぎ去りつつある。・・・ 我々欧州人は、自分たちの運命を自分たちで切り開いていかなければならない ・・・ 我々は自分たちの将来のために自ら戦う必要がある」と28日ミュンヘンの選挙演説で(つまり国民に対して公に)発言したという。明らかにトランプ大統領に対するあてつけと聞こえたはずで、私の推測ではこれを聞いた多くのドイツ人は留飲を下げたと思う。
だが、さすがにこの発言は不用意で言い過ぎたとメルケル首相も気が付いたはずだ。翌日この「率直な発言」をやや軌道修正したとロイターは報じた。何の準備もないまま米国と喧嘩別れ出来ないのは明らかで、粘り強く米国と連携を図る一方裏では最悪ケースに備えるのが現実的だと思う。私風に言えば、それ程メルケル首相は頭に来たのではないかと思う。現実はドイツが米国に代わって世界のリーダーになれない。
私は昨年ドイツがリーダーになる可能性について記事「大胆仮説: 2017年自由世界のリーダーは?」(2016年12月14日)を投稿した。トランプが大統領に選ばれた時からいつかこの日のような事態になることを予測した。だが、難民100万人を受け入れた理念と経済力に覚悟があっても、強力な軍事力がないリーダーは存在しえないとも予測した。その状況は変わっていない。
私は、にも拘らず今回メルケル首相は覚悟して立ち上がったと思った。それは間違っていたというのがメディアの常識的な声だ。彼女の強弁は本音だが、公言したのはトランプ嫌いのドイツ国民に向けた選挙対策だという(ロイター)。ファイナンシャルタイムズ(FT)は無責任な発言とさえ指摘した。現実はそうかもしれないが、メルケル首相は覚悟の上での発言であり、欧州にとって転換となる演説だったと私は推測する。
フランス大統領がマクロン氏に決まり英国のEU離脱で揺れた欧州は安定に向かい始めた。メルケル首相とマクロン大統領コンビは最終的に米国と緩い安全保障の枠組みに変えて行くシナリオを検討するのではないだろうか。多分、ドイツは今後軍事力の強化に向かう、それはトランプ大統領の要求にも沿う、だがその行きつく先は同床異夢の世界だ。そういう視点でドイツを見ていくことをお勧めしたい。■