かぶれの世界(新)

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アユを食べる

2014-08-08 21:33:58 | 食・レシピ

3か月間の粗食を一旦休止して、昨日久し振りに美味しいものを頂いた。田舎に戻って来た義弟から電話があり、外で食事をしようということになった。迷った挙句「サツマ」という田舎料理を食べようと、市内のいかにも城下町らしい一角にある武家屋敷跡を利用した料亭に向かった。だが、辺りに人影が無く周りの店も含めて定休日だった。

義弟は行ったことは無いが心当たりがあると言って、その先にある古い作りの商家風の料亭に入った。田舎とはいえ一見の一人では入りにくい重厚な見かけの作りだ。玄関の奥の広いスライドドアを抜けると右にカウンター、左手に仕切られた座卓が34つ並び、お客が二組いた。一言で言うと閑散としていた。

お店の名前はいづみやと言って、仕出しがメインのお店のように感じた。カウンターに若い男性がいてオーダーをとり、その裏で料理を作っているようだった。昼のメニューは夜のメニューの一部という感じで、田舎の普通のサラリーマンが食事できる格安のランチメニューは少なかった。

二人とも即決で「鮎御前」を頼んだ。ここ大洲の街を流れる肱川は鮎の産地で、夏の間は日本三大鵜飼(と言うらしい)が観光の呼び物になっている。6月にアユ漁が解禁されて以来、一度は鮎を食べたいと思っていた。9月になれば、鮎が成長して骨が硬くなり時機を失する。

御前は鮎の塩焼き、刺身、天ぷら、かぼちゃの煮物に小鉢の酢漬け、茶そば、香の物、お吸い物にご飯、メロンのゼリーで、懐石風の小さめのお皿で纏めて出て来た。鮎から行くべきかも知れないが、習慣で冷たいもの(刺身)から始めた。これが抜群に新鮮で料理全体のレベルを予感させた。私が感激したように美味いと言うと、「東京とは違う、田舎で魚が美味いのは当たり前」と義弟は相変わらず口が減らない。しかし、その通り何度も経験している。

次にアユの塩焼きを頭からがぶりとやった。二人が思わず美味いと声を上げると、カウンター越しに板前は有難うございますと応えた。柔らかい骨の頭からハラワタの苦味まで一口に頬張ると、若アユの仄かな香りと合わせて口内に広がった。1か月も早く食べれば、頭の骨が更に柔らかく川魚のアユ独特の香りも強かった記憶があるが、欲を言ったら切りがない。

その次は天ぷらと茶そば、これはまずくはないが特別美味しいとも思わなかった。一般論として、そばは関東が美味しい。次に食べたかぼちゃの煮物は、旨みが出て予想以上に美味しかった。素材なのか調理法なのか分からないが、こんな簡単な煮物なのにプロは違いを出すと感心した。

お吸い物を頂いてご飯に取り掛かる頃はもうお腹いっぱいで食べきれなかった。ボリュームは田舎仕様だ。そうなると、結果として炭水化物を減らすことになる、つまり最後に食べるコメの需要が減って行くトレンドに私も貢献していることになる。

お代は1700円、東京の料亭で食べたら3倍、これほどの新鮮さと美味しさが出来たら5倍くらいの値段が付くと義弟と話合った。店を出ると彼がアベノミクスで買い替えたという車で馴染みのカフェに向かった。今日は終日雨、昨日の晴天は奇跡みたいだ。洗濯物も片付いた。■

コメント
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