かぶれの世界(新)

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日中関係の報道

2005-04-27 11:00:32 | 国際・政治
1ヶ月前に反日デモが発生以来多くの報道に接して日本の新聞、TVが如何に冷静で公平な報道をしようと努めて来たか実感し、普段日本のメディアに批判的な私も見直すことになった。中国紙は一貫して政府の意向に沿って都合のいい事しか書かない、中国政府の考え方の変化を読み取るための指標以上のものではなかった。韓国の新聞は紹介されたものは自国に一方的な内容で扇情的でさえあり、両国の主張を冷静に評価しその中で自社の考えを論理的に主張するという姿勢に欠けていたように思う。

日本の新聞、TVは北京政府が暴動に謝罪しなかった点については強く非難したが、同時に両国の主張および歴史教科書、歴史そのもの、市民の声などを広範囲に取り上げ、いたずらに国民感情を煽るような報道が殆どなかったようである。(週刊誌の中吊り広告の見出しは相当に過激だが。)報道を見た人達の反応も概して予想以上に冷静で全体としてバランスの取れたものであった。日本政府の対応・報道の仕方だけでなく、国民の成熟度の高さを感じたが、同時に高齢化に向かい社会全体のエネルギーが低下してきたという印象もあるのは仕方がない。

海外の新聞の見方は多様で、必ずしも日本寄りと言えないものもかなりあったが、多くは日本の報道のように両方の状況を平等に伝えていたように思える。日本に批判的な記事でも中国政府がデモを暗にやらせたという共通の認識があった。私は靖国神社の件は何とかしなければならない日本自身の問題と思うが、今回の中国政府のやり方はアンフェアで非常識である。大きくなり続ける中国の政治・経済での存在感のため、世界がこれを許す様なことになると先行きが心配である。短期には冷静な対応が必須であるが、中長期には中国が自由で開かれた民主主義に向かうように筋を通していくのが報道の使命である。


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