高校野球、山形県高校の活躍

羽黒高校は山形県勢として初の高校野球ベスト４迄進出した。私が上京して４０年近くなるが未だに郷里のチームを応援し、他県のチームにはあまり興味がないのだが、今回の羽黒高校の活躍は気になっていた。昔から山形県は野球不毛の地であった。一県一校ではない春の大会に選抜されることはあまりないし、出場しても一回戦突破などめったにない春の珍事というのが最近までの相場であった。四国出身の私には山形県のチームは安全パイに見えていた。１５年前ころから仕事で何度も山形を訪れ人たちの競争を好まない優しさに触れ、最近の東北勢の活躍があっても雪深いこの地のチームが特に春の大会で活躍するのは奇跡であるという印象を肌で感じていた。ところが今大会の羽黒高校は勝ち方が堂々としておりフロックではなく実力どおりに勝ち上がったという印象を受けた。

報道では羽黒高校のレギュラー９人は全員県外から来たそうである。ブラジル出身の選手が３人いるそうである。やはりそうかという思いである。しかし決して恥じることはない。暖かい県の強豪といわれる高校のチームの多くも他県出身の選手を抱えているのである。それでも雪国のハンディが消えるわけではなく、地元出身の選手と一緒になって雪のない高校を上回る創造的な猛練習があって初めてなしえた結果であると思う。まだ雪が残る春の大会での活躍は昨夏の北海道勢の活躍と匹敵すると胸を張って言ってよい。