イラクの歴史的な選挙の後、この1ヶ月イラク戦争についてのブッシュ大統領批判が急速に静まってきた。生命をかけて投票したイラク人民の予想をはるかに超えた熱意は世界を驚かせ、その後アラブ世界に瞬く間に波及して行った。エジプトでは長らく実質独裁的な立場にいたムバラク大統領が複数候補の大統領選をすると宣言し、レバノン人民が立ち上がりアサド大統領にシリア占領軍撤退決定をさせ、サウジでは地方議会選挙が史上初めて行われた。パレスチナではアッバス議長の要請を受け武装勢力ハマスが休戦に応じた。更に、イラクでは武装勢力の攻撃による米兵の戦死者が今月最低数に減少したと報じられている。
戦争開始以来いわゆる知識人や中東専門家といわれる人達が「中東の民主化」など傲慢で歴史を知らない者の夢物語だと非難してきた。ところがこのところ彼らはいささか居心地の悪い状況になってきて沈黙し始めた。日本でも同じである。TVや新聞はイラク戦争を忘れたように朝から晩までライブドアのM&Aばかりやっている。レーガン大統領が「悪の枢軸」といった時、外交専門家といわれる人は散々素人呼ばわりしたが、結局ベルリンの壁が崩れ、ソ連崩壊に導いた教訓はどうなったのか。専門家はパラダイムが変化するような歴史の転換点においては予想し得ない展開に驚きその意味を理解しようとするのがベストである。予測は外れるのはしょうがないにしても、最近の変化の重要性を理解し開戦当時の熱意で取材分析して見識を持って報道して欲しいものである。
私は1月中頃、大統領2期目のブッシュを再評価した。しかしイラク選挙後から今日までの進展は予想以上である。欧州はブッシュが2期目の大統領に確定した時から微妙に態度を変え始めていたが、イラク選挙後の変化は予想以上でありアラブ世界での影響力確保のための更なる方針変更が予測される。ブッシュ政権は糠喜びにならないよう本物になるかどうか非常に用心深く事態の進展を見ている。予想もしない事件が一夜にして事態を変化させる可能性がいくらでもあるからである。
戦争開始以来いわゆる知識人や中東専門家といわれる人達が「中東の民主化」など傲慢で歴史を知らない者の夢物語だと非難してきた。ところがこのところ彼らはいささか居心地の悪い状況になってきて沈黙し始めた。日本でも同じである。TVや新聞はイラク戦争を忘れたように朝から晩までライブドアのM&Aばかりやっている。レーガン大統領が「悪の枢軸」といった時、外交専門家といわれる人は散々素人呼ばわりしたが、結局ベルリンの壁が崩れ、ソ連崩壊に導いた教訓はどうなったのか。専門家はパラダイムが変化するような歴史の転換点においては予想し得ない展開に驚きその意味を理解しようとするのがベストである。予測は外れるのはしょうがないにしても、最近の変化の重要性を理解し開戦当時の熱意で取材分析して見識を持って報道して欲しいものである。
私は1月中頃、大統領2期目のブッシュを再評価した。しかしイラク選挙後から今日までの進展は予想以上である。欧州はブッシュが2期目の大統領に確定した時から微妙に態度を変え始めていたが、イラク選挙後の変化は予想以上でありアラブ世界での影響力確保のための更なる方針変更が予測される。ブッシュ政権は糠喜びにならないよう本物になるかどうか非常に用心深く事態の進展を見ている。予想もしない事件が一夜にして事態を変化させる可能性がいくらでもあるからである。