かぶれの世界(新)

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Winter Reading 2

2005-03-24 10:32:08 | 本と雑誌
古本屋での本探しにややフラストが溜まり、図書館を活用してこのところ読んで調べたいと思っていた本を中心に読み、それが重くなると気分転換になる本を交えた。キーワードは依然としてグローバリゼーション、テロリズム、マクロ経済動向である。私の仮説であるグローバリゼーションとテロリズムの関係は見えてこず、関係が薄いかむしろそれを覆すような内容が殆どで徐々に自説に自信が持てなくなってきた。

日本縮小 ダウンサイズ社会への挑戦 朝日新聞 2004
グローバリゼーションの基礎知識 JCボルホラン 作品社 2004
ハイエナ資本主義 中尾茂夫 ちくま新書 2002
攻撃計画 ブッシュのイラク戦争 Bウッドワード 日本経済新聞 2004
ネオコンの真実 Lカプラン、Wクリストル ポプラ社 2003
構造デフレの世紀 榊原英資 中央公論新社 2003
ヤクザが店にやってきた 宮本照夫 朝日文庫 2000
それでもヤクザはやってくる 宮本照夫 朝日文庫 2003
経済漂流 朝日新聞経済部 朝日文庫 2003
分断されるアメリカ Sハンチントン 集英社 2004
海辺のカフカ 村上春樹 新潮社 2002

個別には読み物として中々面白いものがあった。「グローバリゼーションの基礎知識」は議論の範囲と夫々のテーマについてどのような説があるのかを再確認できる。「攻撃計画」はタイムリーで話題になったが、私には事態の展開を克明に追った点は評価してもその背景の切り込みが不足して物足りない気がした。「構造デフレ」はいつもの通り榊原氏の歯切れの良い理論展開でそうかと思う部分が多いが、後知恵というか後出しジャンケンの印象は拭えない。我々は皆バブルの時代には戻れないといいながらそれが構造的だとは思わないでデフレの時代に突入していった。その間国民(あえて政治とか官僚といわない)は財政支出を要求し日本を世界一の赤字国にし、アフリカと同じ格付けまで下げさせた。

「分断されるアメリカ」はまるで大統領選の選挙結果分析を見るような気がした。70年代半ば以降世界が宗教に回帰していき始め、それが2000年の大統領選結果に影響したと主張、本書の発行された後の大統領選では決定的な役割を果たしたと思う。私が90年代中から末にかけて米国にいた時は西海岸にいたためかクリントン時代で高まる宗教の役割には全く気がつかなかった。内容的には前著の「文明の衝突」に比べ期待はずれ、主旨はアングロ・ワスプ文明の優越性とヒスパニック人口急増への警鐘がテーマでその主張にはかなり批判がある。


コメント
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