【今日の 読書】
本日の題は一冊の本の題名ではありません
3冊ともにそれぞれ立派な名前がありまして
その一冊目は
「交通誘導員ヨレヨレ日記」と言うものであります。
副題は「当年73歳、本日も炎天下、朝っぱらから現場に立ちます: 柏耕一」である。
このウイルス感染の拡大で「エッセンシャルワーカー」と言う言葉を覚えたばかり。
ワシも土木の世界に身を置き、家族を養っていたので交通誘導員については全く関係がないこともない
新聞の広告欄でこの本の存在を知った時から「ああ、いつか読むんだろうな」と思ってはいた。
読みました。
予想通りの内容だったが、やっぱり過酷な仕事でありますなあ。
会社からは絞られ、誘導した車のドライバーからは罵声を浴びせられ、近隣からは文句を言われる
もちろんのこと夏は暑く、冬は寒い、トイレの我慢もせにゃならん。日当は一日9千円ほど。
この世界も人材不足であって、本人が健康で日本語が出来れば不採用になることは無いようだ。
職にあぶれた人ならば手を上げれば雇ってもらえて、充分ではないけどまあなんとか食っていけそうではある。
この本を読んでからは「道で交通誘導員に出くわしたとき、全く違った見方をしている自分がある」と連れ合いが言っておりました。
調べてみるとベストセラーになっていて、メルカリなどでは即売れる本だそうだ。
なんたって面白いもの。
◆
2冊目
「派遣添乗員ヘトヘト日記」
副題は、当年66歳、本日も、”日雇い派遣”で旅に出ます。梅村達
前回の「ヨレヨレ日記」が面白かったので図書館で予約待ちの列に並んで借りてきた。
誰もツアー旅行に行った経験があるだろうと思う、行っていない人でも修学旅行には行ったでしょう。
これらについてきてくれる旅行会社の人が添乗員と言う人だ。
ワシは、この人たちはその旅行会社の社員だと思っていた。ところが全くその考えは間違いで
この人たちのほぼ100%が派遣だそうだ。添乗業務を請け負う派遣会社と言うものがあるのだそうだ。
旅行会社とそれを取り巻く業界の暗黒なこと、この本を読んでそう感じた。
ひとつ忠告しておく
ホテルの宴会係が忌み嫌う3つの職業とは何でしょう
↓
↓
1は警察
2は教師
3は銀行員だそうだ
ほかに建設関係と消防団(署)関係もこの本では立派だとは書いてない。
うーんうなづける。
読み終わって、今度ツアー旅行(ツアーと旅行、ダブってない?)に行った際には帰り際にねぎらいの言葉を掛けようと思う。
たいへんな職業だと分かったからさ。
◆
三冊目
「メーター検針員テゲテゲ日記」
副題は「1件40円、本日250件、10年勤めてクビになりました」川島徹
この職業もエッセンシャルワーカー
著者は鹿児島県でこの仕事をしている、鹿児島県と言えば九州電力ではあるが
直接には書けないのでQ電と書いてある。ほんにそのまんまやん。
この検針員は、Q電から検針業務を請け負っている「錦江サービス興行」と言う会社との「個人請け負い」と言う形の職業である。
電気メータの検診をする職業で一件40円だそうな。
この職業の敵は天候、放し飼いの犬、イラついた若い男、ヒステリックな奥さんである。
でも一番の敵は(間接的には)Q電と検針業務を請け負っている「錦江サービス興行」であろう。
何しろ請負なので(ひとり親方ってやつ)、各種の保険は出ないし、事故、事件、ケガ、病気は全部自分持ち、当たり前だが継続請負契約されないと明日の命もない
犬にかまれても、「ハンディー」と言うメータ数字の入力機(50万円だそうだ)の壊したのも自己責任
田舎の1軒1軒が離れているところの検針も、都市部の家屋の密集しているところの検針も同じ40円だそうだ。
いつでもやめて結構ですと言われながらやっている。また、先の2冊同様、客先からのいわれなきクレームにも耐えなけりゃならない。
◆
読み終わってそれぞれの仕事に頭が下がります。というかすべての働く人々に敬礼だ。
予約して、すぐに購入してくれた図書館職員にも感謝を申し上げる。
ホントは自分で買わニャンだめよ、本はよ。
そのおかげで静岡駅前の戸田書店(ワシの贔屓書店)がやめちまったぜ。
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