「おとつい、3月24日(土)18時から、RCC(あーるしーしー。中国放送)でラジオドラマ『口伝 稲生物怪録(くでん いのうもののけろく)』が放送された」
「RCCアナウンサー総出演で、広島弁丸出しのドラマも面白かったけど、効果音を口で演じるというのも面白かったね」
「アニメ映画『風立ちぬ』(監督:宮崎駿)で、飛行機のプロペラ音や車のエンジン音、関東大震災の地響きなどの効果音を人の声で再現されとったのを思い出したのう」
↓ラジオドラマ『口伝 稲生物怪録』については、こちら↓
「口伝 稲生物怪録」RCCラジオ
↓稲生物怪録については、こちら↓
「稲生 物怪録」三次観光公式サイト
「『稲生物怪録(いのうもののけろく、いのうぶっかいろく)』は江戸時代、備後国(びんごのくに)三次(みよし。現:広島県三次市)で繰り広げられた、少年ともののけ(物の怪)の物語」
「三次といえば、1週間後の今年4月1日に廃線となる、三次駅と島根県江津市(ごうつし)の江津駅を結ぶ三江線(さんこうせん)でも有名じゃね」
「この物語の主人公は、稲生 平太郎(いのう へいたろう)という16歳の少年」
「今、16歳といえば少年じゃけど、当時の16歳は元服(げんぷく)、大人になる年齢」
「平太郎は、隣に住む相撲取りの三井権八(みつい ごんぱち)と、どちらが勇気があるかを試すため百物語をしたあと、比熊山(ひぐまやま)へ肝試しに行って帰ってきた」
「その時は、特に変わったことは起こらんかったんじゃけど…」
「それからひと月たった7月。平太郎の家に30日間、毎晩、さまざまなもののけが現われるようになったが、平太郎はこれを退ける。つきずえ(月末)30日の夜、魔王の山本(さんもと)五郎左衛門(太郎左衛門)が現われ、豪胆さをほめたたえて平太郎に降参、木槌を与えた。この日以来、平太郎の前にもののけが現れることはなくなった…というのが、『稲生物怪録』のストーリーなんじゃ」
「今のようにメディア、印刷や放送・ネットが発達していない時代は、物語は人から人へ伝えられていったんよ」
「文字で書くか、絵で描くか、それとも語り伝えられるか」
「この『稲生物怪録』も書き写されていくあいだに、いろんなバージョンができたんじゃね」
「まず、平太郎本人が書いたという『三次実録物語』。広島藩に仕える柏正甫(かしわ せいほ)が平太郎から聞いた話を書き留めたという「柏本」。そして、この物語のいろんなバージョンを合わせた「平田本」などがある。このほかにも、いろんな絵巻物があるそうじゃ」
「「平田本」といえば、江戸後期の国学者の平田篤胤(ひらた あつたね)が、この物語を世に広めたといわれとるらしいね」
「明治時代には、作家の泉 鏡花(いずみ きょうか)や民俗学者の折口信夫(おりくち しのぶ)が作品化。現代では、民俗学者の谷川健一(たにがわ けんいち)さん、妖怪研究家の京極夏彦(きょうごく なつひこ)さん、そして博物学者の荒俣 宏(あらまた ひろし)さんたちが取り上げとられとってんじゃ」
「宇河弘樹(うがわ ひろき)さんの『朝霧の巫女(あさぎりのみこ)』(2000年~2007年)って漫画もあったね」
「『ゲゲゲの鬼太郎』で有名な故・水木しげるさんも、『木槌の誘い』(1998~1999年)という作品を描かれとってんじゃの」
「木槌といえば、このときの木槌が広島市東区にある國前寺(こくぜんじ)に納められとって、毎年1月7日に行われる稲生祭で御開帳されとるんよ」
「平太郎は三次にある妙栄寺(みょうえいじ)へこの木槌を納めたんじゃが、この妙栄寺が國前寺の末寺(まつじ)にあたるため、妙栄寺から國前寺へ移った和尚が持って行ったといわれとるんじゃの」
「合唱オペラ「いのうもののけ」いうのも上演されとったね(2011年3月)」
「三次に行くと、稲生物怪録に関係あるものがたくさんある。たとえば三次駅には…」
「真ん中におるのが平太郎で、まわりにおるのがもののけじゃね」
「広島県法務局三次支局横には、1928年(昭和3)に建立された稲生武太夫(いのう ぶだゆう)碑もある」
「稲生武太夫?」
「平太郎が元服して武太夫と名乗るようになったそうじゃ」
「へぇ」
「ここ碑文には、大人になった武太夫が武術修行で諸国をめぐるあいだに、妖怪退治を数十回も行った、という内容のことが書いてあるらしい」
「ほんま?」
「これは、明治から大正にかけて講談で語られた内容が反映されとるそうじゃ」
(以上、撮影日:2017年4月16日)
「こんな公衆トイレもあった」
「平太夫が木槌を手にしとってんじゃね」
「トイレの男女入口には、稲生物怪録のもののけが描いてあるんじゃ」
(撮影日:2017年5月28日)
「広島市内でいうと、木槌が納められている國前寺には稲生武太夫のお墓もある」
(撮影日:2010年5月5日)
「そういや、広島市南区稲荷町(いなりまち)にある稲生神社(いなりじんじゃ)が、稲生物怪録と関係しとるって聞いたことがあるけど?」
「この神社には、豊受大神や大國主命と併せて、稲生武太夫が祀られとる。境内にはこんなのがぶら下げてあった」
「おぉ、こりゃすごい!」
「ふつう、稲荷町にある神社なら「稲荷」神社のはずなんじゃが、稲生物怪録に関連があるけぇ「稲生」神社になっとるんじゃの」
「今日は、RCCのラジオドラマ『口伝 稲生物怪録』に関連して、『稲生物怪録』について話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」
「RCCアナウンサー総出演で、広島弁丸出しのドラマも面白かったけど、効果音を口で演じるというのも面白かったね」
「アニメ映画『風立ちぬ』(監督:宮崎駿)で、飛行機のプロペラ音や車のエンジン音、関東大震災の地響きなどの効果音を人の声で再現されとったのを思い出したのう」
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「口伝 稲生物怪録」RCCラジオ
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「稲生 物怪録」三次観光公式サイト
「『稲生物怪録(いのうもののけろく、いのうぶっかいろく)』は江戸時代、備後国(びんごのくに)三次(みよし。現:広島県三次市)で繰り広げられた、少年ともののけ(物の怪)の物語」
「三次といえば、1週間後の今年4月1日に廃線となる、三次駅と島根県江津市(ごうつし)の江津駅を結ぶ三江線(さんこうせん)でも有名じゃね」
「この物語の主人公は、稲生 平太郎(いのう へいたろう)という16歳の少年」
「今、16歳といえば少年じゃけど、当時の16歳は元服(げんぷく)、大人になる年齢」
「平太郎は、隣に住む相撲取りの三井権八(みつい ごんぱち)と、どちらが勇気があるかを試すため百物語をしたあと、比熊山(ひぐまやま)へ肝試しに行って帰ってきた」
「その時は、特に変わったことは起こらんかったんじゃけど…」
「それからひと月たった7月。平太郎の家に30日間、毎晩、さまざまなもののけが現われるようになったが、平太郎はこれを退ける。つきずえ(月末)30日の夜、魔王の山本(さんもと)五郎左衛門(太郎左衛門)が現われ、豪胆さをほめたたえて平太郎に降参、木槌を与えた。この日以来、平太郎の前にもののけが現れることはなくなった…というのが、『稲生物怪録』のストーリーなんじゃ」
「今のようにメディア、印刷や放送・ネットが発達していない時代は、物語は人から人へ伝えられていったんよ」
「文字で書くか、絵で描くか、それとも語り伝えられるか」
「この『稲生物怪録』も書き写されていくあいだに、いろんなバージョンができたんじゃね」
「まず、平太郎本人が書いたという『三次実録物語』。広島藩に仕える柏正甫(かしわ せいほ)が平太郎から聞いた話を書き留めたという「柏本」。そして、この物語のいろんなバージョンを合わせた「平田本」などがある。このほかにも、いろんな絵巻物があるそうじゃ」
「「平田本」といえば、江戸後期の国学者の平田篤胤(ひらた あつたね)が、この物語を世に広めたといわれとるらしいね」
「明治時代には、作家の泉 鏡花(いずみ きょうか)や民俗学者の折口信夫(おりくち しのぶ)が作品化。現代では、民俗学者の谷川健一(たにがわ けんいち)さん、妖怪研究家の京極夏彦(きょうごく なつひこ)さん、そして博物学者の荒俣 宏(あらまた ひろし)さんたちが取り上げとられとってんじゃ」
「宇河弘樹(うがわ ひろき)さんの『朝霧の巫女(あさぎりのみこ)』(2000年~2007年)って漫画もあったね」
「『ゲゲゲの鬼太郎』で有名な故・水木しげるさんも、『木槌の誘い』(1998~1999年)という作品を描かれとってんじゃの」
「木槌といえば、このときの木槌が広島市東区にある國前寺(こくぜんじ)に納められとって、毎年1月7日に行われる稲生祭で御開帳されとるんよ」
「平太郎は三次にある妙栄寺(みょうえいじ)へこの木槌を納めたんじゃが、この妙栄寺が國前寺の末寺(まつじ)にあたるため、妙栄寺から國前寺へ移った和尚が持って行ったといわれとるんじゃの」
「合唱オペラ「いのうもののけ」いうのも上演されとったね(2011年3月)」
「三次に行くと、稲生物怪録に関係あるものがたくさんある。たとえば三次駅には…」
「真ん中におるのが平太郎で、まわりにおるのがもののけじゃね」
「広島県法務局三次支局横には、1928年(昭和3)に建立された稲生武太夫(いのう ぶだゆう)碑もある」
「稲生武太夫?」
「平太郎が元服して武太夫と名乗るようになったそうじゃ」
「へぇ」
「ここ碑文には、大人になった武太夫が武術修行で諸国をめぐるあいだに、妖怪退治を数十回も行った、という内容のことが書いてあるらしい」
「ほんま?」
「これは、明治から大正にかけて講談で語られた内容が反映されとるそうじゃ」
(以上、撮影日:2017年4月16日)
「こんな公衆トイレもあった」
「平太夫が木槌を手にしとってんじゃね」
「トイレの男女入口には、稲生物怪録のもののけが描いてあるんじゃ」
(撮影日:2017年5月28日)
「広島市内でいうと、木槌が納められている國前寺には稲生武太夫のお墓もある」
(撮影日:2010年5月5日)
「そういや、広島市南区稲荷町(いなりまち)にある稲生神社(いなりじんじゃ)が、稲生物怪録と関係しとるって聞いたことがあるけど?」
「この神社には、豊受大神や大國主命と併せて、稲生武太夫が祀られとる。境内にはこんなのがぶら下げてあった」
「おぉ、こりゃすごい!」
「ふつう、稲荷町にある神社なら「稲荷」神社のはずなんじゃが、稲生物怪録に関連があるけぇ「稲生」神社になっとるんじゃの」
「今日は、RCCのラジオドラマ『口伝 稲生物怪録』に関連して、『稲生物怪録』について話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」
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