「三篠町(みささちょう)にある旧電気試験所が、10月から解体されるんじゃと」
「電気試験所?」
日本電気計器検定所中国支社(旧電気試験所広島出張所)
(三篠町1丁目交差点西側から南東方向を写す)
正門
社名が取り外された看板
「この建物は1937年(昭和12)2月、逓信省(ていしんしょう)が電気計器の検定を行う全国で5番目の施設として、鉄筋コンクリート2階建てで建てたんじゃそうな」
「逓信省いうたら、郵便や電話の仕事をしよったはずじゃろ。なんで電気の仕事をされとったんかね?」
「わしも知らんかったんじゃが、逓信省は郵便・電信・電話から電気まで管轄されとったそうじゃ。ほいじゃけぇ、電気機器や配線の安全検査は逓信省の業務じゃったんよ」
「へぇ…」
「コンセントやプラグなんかに「〒(郵便記号)」のマークがついとったのは、覚えとるかいの?」
蛍光灯に取りつけられた〒マーク
「あぁ、そういわれりゃついとったね。逓信省じゃけぇ、「〒」のマークがついとったん?」
「ほうじゃの。逓信省の電気試験所が電気の試験を行っとった、ということの名残りじゃそうな」
「へぇ~。ほいで今はどこがこの業務を受け継いどるん?」
「今は日本電気計器検定所が受け継いどるんじゃ」
「あぁ、そうか。そこの中国支社として使われとったんじゃったね」
「で、この建物を設計されたのが山田守(やまだ まもる)氏じゃ。有名なところでは、日本武道館や京都タワービル、NTT門司電気通信レトロ館(旧:門司郵便局電話課)なんかが有名じゃのう」
「門司電気通信レトロ館いうたら、JR門司港駅や九州鉄道記念館なんかの古い建物がある門司港レトロにあるよね」
「個人的には、神奈川県川崎市にある長沢浄水場の設計者としても有名なんじゃ」
「長沢浄水場? そんな有名なものなん?」
「ここは『ウルトラQ』や『ウルトラマン』、『仮面ライダー』などのロケ地として使われとったんよ」
「はいはい。わかったけぇ、この建物について話をしてちょうだいね」
「北側外壁のタイルは、現在あまり使われていない釉(ゆう)かけモザイクタイルが使われとるそうじゃ」
「北側のタイルが残っとる…?」
「この建物のほぼ真南の方向が爆心地になるけぇ、北側のタイルが残っとるんじゃないんかの」
建物北側
「この建物は、被爆建物になるんじゃね。被害はどんなかったん?」
1945年(昭和20年)8月6日広島市への原子爆弾投下により被爆、爆心地から約1.79kmに位置した。
爆風により爆心地方向である南側窓は破損したが建物自体は倒壊をまぬがれた。
計測器など精密機器は予め疎開させていたため無事だった。
当時構内に置かれていた西分局横川従局は、木造のため全壊した。
職員のみならず学徒動員で来ていた県立広島工業学校(現広島県立広島工業高等学校)生徒も被爆し、職員2人学徒2人が死亡、職員18人学徒6人が重軽傷を負う。
「日本電気計器検定所中国支社」ウィキペディア
「この建物は鉄筋コンクリート造りじゃったけぇ、建物の倒壊はまぬがれたそうじゃ。構内にあった木造の建物は全壊じゃったそうじゃがの」
「県工(けんこう。県立広島工業高校)の生徒がここで被爆されとってんじゃね」
「白い外壁が空襲の目標になるということで、戦争中は外壁を灰色に塗られとったそうじゃ」
「大変な時代もあったんじゃね」
「終戦後、焼けた検定台を補修したり、他から測定機器の提供を受けたりして、業務を再開されたんよ。建物は、原爆投下の翌年の1946年(昭和21)と1949年(昭和24)に改修が行われたそうじゃ」
「跡地はどうしてん?」
「スーパーが建つ予定じゃそうな」
↓日本電気計器検定所については、こちら↓
JEMIC 日本電気計器検定所
↓山田守については、こちら↓
山田守建築事務所
↓日本武道館については、こちら↓
財団法人 日本武道館
↓京都タワービルについては、こちら↓
京都タワー
↓門司電気通信レトロ館については、こちら↓
門司電気通信レトロ館 NTT西日本 北九州支店
門司港レトロ・観光情報サイト
↓被爆建物については、こちら↓
「被爆建物リスト」広島市
「今日は、西区三篠にある日本電気計器検定所中国支社(旧電気試験所広島出張所)について話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」
「電気試験所?」
日本電気計器検定所中国支社(旧電気試験所広島出張所)
(三篠町1丁目交差点西側から南東方向を写す)
正門
社名が取り外された看板
「この建物は1937年(昭和12)2月、逓信省(ていしんしょう)が電気計器の検定を行う全国で5番目の施設として、鉄筋コンクリート2階建てで建てたんじゃそうな」
「逓信省いうたら、郵便や電話の仕事をしよったはずじゃろ。なんで電気の仕事をされとったんかね?」
「わしも知らんかったんじゃが、逓信省は郵便・電信・電話から電気まで管轄されとったそうじゃ。ほいじゃけぇ、電気機器や配線の安全検査は逓信省の業務じゃったんよ」
「へぇ…」
「コンセントやプラグなんかに「〒(郵便記号)」のマークがついとったのは、覚えとるかいの?」
蛍光灯に取りつけられた〒マーク
「あぁ、そういわれりゃついとったね。逓信省じゃけぇ、「〒」のマークがついとったん?」
「ほうじゃの。逓信省の電気試験所が電気の試験を行っとった、ということの名残りじゃそうな」
「へぇ~。ほいで今はどこがこの業務を受け継いどるん?」
「今は日本電気計器検定所が受け継いどるんじゃ」
「あぁ、そうか。そこの中国支社として使われとったんじゃったね」
「で、この建物を設計されたのが山田守(やまだ まもる)氏じゃ。有名なところでは、日本武道館や京都タワービル、NTT門司電気通信レトロ館(旧:門司郵便局電話課)なんかが有名じゃのう」
「門司電気通信レトロ館いうたら、JR門司港駅や九州鉄道記念館なんかの古い建物がある門司港レトロにあるよね」
「個人的には、神奈川県川崎市にある長沢浄水場の設計者としても有名なんじゃ」
「長沢浄水場? そんな有名なものなん?」
「ここは『ウルトラQ』や『ウルトラマン』、『仮面ライダー』などのロケ地として使われとったんよ」
「はいはい。わかったけぇ、この建物について話をしてちょうだいね」
「北側外壁のタイルは、現在あまり使われていない釉(ゆう)かけモザイクタイルが使われとるそうじゃ」
「北側のタイルが残っとる…?」
「この建物のほぼ真南の方向が爆心地になるけぇ、北側のタイルが残っとるんじゃないんかの」
建物北側
「この建物は、被爆建物になるんじゃね。被害はどんなかったん?」
1945年(昭和20年)8月6日広島市への原子爆弾投下により被爆、爆心地から約1.79kmに位置した。
爆風により爆心地方向である南側窓は破損したが建物自体は倒壊をまぬがれた。
計測器など精密機器は予め疎開させていたため無事だった。
当時構内に置かれていた西分局横川従局は、木造のため全壊した。
職員のみならず学徒動員で来ていた県立広島工業学校(現広島県立広島工業高等学校)生徒も被爆し、職員2人学徒2人が死亡、職員18人学徒6人が重軽傷を負う。
「日本電気計器検定所中国支社」ウィキペディア
「この建物は鉄筋コンクリート造りじゃったけぇ、建物の倒壊はまぬがれたそうじゃ。構内にあった木造の建物は全壊じゃったそうじゃがの」
「県工(けんこう。県立広島工業高校)の生徒がここで被爆されとってんじゃね」
「白い外壁が空襲の目標になるということで、戦争中は外壁を灰色に塗られとったそうじゃ」
「大変な時代もあったんじゃね」
「終戦後、焼けた検定台を補修したり、他から測定機器の提供を受けたりして、業務を再開されたんよ。建物は、原爆投下の翌年の1946年(昭和21)と1949年(昭和24)に改修が行われたそうじゃ」
「跡地はどうしてん?」
「スーパーが建つ予定じゃそうな」
↓日本電気計器検定所については、こちら↓
JEMIC 日本電気計器検定所
↓山田守については、こちら↓
山田守建築事務所
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財団法人 日本武道館
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京都タワー
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門司電気通信レトロ館 NTT西日本 北九州支店
門司港レトロ・観光情報サイト
↓被爆建物については、こちら↓
「被爆建物リスト」広島市
「今日は、西区三篠にある日本電気計器検定所中国支社(旧電気試験所広島出張所)について話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」
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