通でがんす

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(旧ブログタイトル:通じゃのう)

日本語「ん」のローマ字表記は、"n"だけでなく"m"もあり?

2023年11月03日 | 日記
山陽本線には、
「瀬野八(せのはち)」と呼ばれる
急勾配区間がある。

広島県にある瀬野駅から八本松駅までは、
最高22.6‰(パーミル)、
つまり1,000メートル進む間に
22.6メートルも上る急勾配があるんじゃ。





その八本松駅の駅名標を見て驚いた!

「Hachihonmatsu」でなく、
「Hachihommatsu」と
表記されていたからだ。





学校で習うローマ字だと、
「ほん」は「hon」と表記するので、
「はちほんまつ」は
「Hachihonmatsu」と
表記するべきなんじゃが、
「Hachihommatsu」と、
「ほん」の部分が「hom」と
表記されている。

…なんでじゃろ?



↓JR八本松駅については、こちら↓

「八本松駅 駅情報」JRおでかけネット





今日は、
日本語「ん」のローマ字表記は、
"n"だけでなく"m"もあり?
についての話でがんす。





山口謠司(やまぐち ようじ)さんの著書
『ん 日本語最後の謎に挑む』に、
同じようなことが書いてあった。

東京メトロの日本橋駅の駅名標に、
「nihombashi」とあるのが目に入った。

はて、日本人は「日本」を
「にほ(nihon)」でなく
「にほ(nihom)」と
読むようになってしまったのか?

聞いてみると、
東京メトロの広報部の方は
次のようにおっしゃった。

「nihonbashi」と書くのは
表記の慣例として間違っている、
と欧米の方から指摘があったからだ。


調べてみると…。


ヨーロッパ諸言語の辞書をひもといてみると、この「n」と「m」の表記には厳然とした書き分けがあることが判明する。
それは、次に子音の「m」「b」「p」が書かれる場合は、ふつう「n」がその直前に現われることはなく、「m」で書かれるという原則である。

(山口謠司『ん 日本語最後の謎に挑む』(新潮新書 2010年 17~18ページ)



たとえば、
「コンピュータ(computer)」
という言葉で説明してみよう。

「コン」なので「con」と表記するのだが、
あとに子音の「p」がつくので
「con」でなく「com」と表記する。

従って、
「conputer」ではなく
「computer」が正しい。


そのむかし、
『コンバット!(Combat!)』という
アメリカのテレビ番組があった。

「コン」なので「con」と表記するのだが、
あとに子音の「b」がつくので
「con」でなく「com」と表記する。

従って、
「conbat」ではなく
「combat」が正しい。


ところが、
「コンタクト(contact)」だと、
あとに子音の「m」「b」「p」
がつかないので、
「con」のままで表記されている。


というわけで、
最初の八本松駅の話に戻すと…。

「ほん」なので「hon」と表記するのだが、
このあとに「m」がつくので
「hon」でなく「hom」と表記する。

従って、
「Hachihonmatsu」ではなく
「Hachihommatsu」が正しい。


日本橋駅の「nihombashi」も…、
以下同文。





以下、余談。


山口謠司さんの
『ん 日本語最後の謎に挑む』によると、
氏の妻はフランス人である。

彼女の買い物メモには、
「あんぱん」は
「anpan」でなく
「ampan」
(子音の「p」がつく)、
「がんもどき」は
「ganmodoki」でなく
「gammodoki」
(子音の「m」がつく)
と書いてあったりする。

もちろん、
あとに子音の「m」「b」「p」がつかない
「にんじん」は「ninjin」、
「りんご」は「ringo」
と書くそうだ。






今日は、
日本語「ん」のローマ字表記は、
"n"だけでなく"m"もあり?
について話をさせてもろうたでがんす。



ほいじゃあ、またの。

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